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リベルサスダイエット 


少し寄り道。
糖尿病治療薬について記事を書こうとしていた時に、ふと糖尿病治療薬が自由診療でダイエットに用いられていることを思い出しました。

現在私は適正体重範囲内にいますが、太りやすい体質も相まって、気が抜くとすぐに体重が増えてしまうことも
(痩せるのもそれなりに早いのですが・・・)。

一時期は米国基準で肥満で、太ることがコンプレックスになっています。
なので、特に女性の方々が「痩せたい!!」という気持ちは痛いほどよく分かります。



こうして表にすると、結構肥満の人って多いですね。
特に米国ではBMI>30以上が肥満の基準であるのにも関わらず、2人に1人は肥満と言われています。

ここで目をつけられたのが「糖尿病治療薬」。
GLP-1阻害薬、SGLT2阻害薬等は、糖尿病治療薬としての効能に加え、心保護作用が期待されている反面、体重減少の副作用を持ちます。
特にGLP-1受容体作動薬は肥満治療薬として保険適用が通っているものも


この作用をダイエットに用いているのが、いわゆる「GLP1ダイエット」「SGLT2ダイエット」。
中でも、リベルサスマンジャロ等が比較的人気のようです。


冒頭の「リベルサスダイエット」という言葉が生まれるくらいですからね。


これらは「飲むことで綺麗になれる魔法の薬!」なのでしょうか?


・・・

・・・

んなワケありませんね。
答えは「No」です。




こんな風に綺麗になれることを期待しているのでしょうが、それは幻想。

基本的に食欲減退、必要な糖の再吸収を抑える効果等で痩せていきます。
すると、肥満患者さんでないと栄養失調になる、筋肉量が減っていく(飢餓に陥ると、筋肉を分解して栄養にしていくのは有名ですね)

そうしてでも痩せたいんです!!」と言われれば、
あ、、そうすか。。としか言えないケド・・・。

でも、知っておいてほしいこと3つ。



【リベルサスダイエット、ダメ、ゼッタイ➀】


(適応外使用で)
この治療法で痩せた人、全然綺麗じゃないです
綺麗なのは、元から綺麗 or メイクしているだけ。

実際は心配になるくらい細い脚、明らかに不健康な顔色、痩せた腹。


【リベルサスダイエット、ダメ、ゼッタイ②】


二つ目、自由診療で使用されすぎて必要な人に処方できません、マジで。
(いまはマシになったけど)。

特にトルリシティみたいな週1でいい薬を、毎日使用する薬に切り替えないとならないのが最悪でした。

患者さんの苦労はもちろん、文句をいう患者さんに説明する苦労、少しは分かってもらいたい
我々は何も悪くないのに、悪く言われるんですわ。


・・・そうそう、自由診療でこれらを使用している人。
本来必要な患者さんや医療者からボロクソに言われていますから、知っておいてくださいね。


【リベルサスダイエット、ダメ、ゼッタイ③】


三つ目、合併症が出た時、自由診療のクリニックで対応してくれません。


・・・当たり前ですよね。
適応外使用しているのが、国にバレますもん。

「うちでは対応できない」と言われるのがオチです。
そして対応してくれる病院に行って

なんでこれ使ってんの?

と呆れて言われる(少なくとも思われる)。



何も気にしない鋼の意志がないと、辛いですよ。ホントに。
言い方悪いですけど、

・ボロボロな痩せ方して
・低血糖起こして
・高い金払っているクリニックに門前払いされて、高い入院費払って入院治療受けている患者さん

こんなのばかりですよ、、、
冒頭で話したように、痩せたい気持ち、本当に分かります。

でも、そんなときは「痩せる道に近道はない」ことを思い出してください。



あ、、、

一応、割と最近、他の薬剤も出ましたね。
内臓脂肪減少薬「アライ」|公式ブランドサイト|大正製薬 (taisho.co.jp)

これも、ちゃんと用法守って使ってくださいね。

以上、寄り道でした。

健康的な痩せ方を目指しましょう。




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