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安倍前首相が患っていた潰瘍性大腸炎とは?実はこの病気、指定難病です。

今回は、安倍前総理大臣が患われた潰瘍性大腸炎と、難病についてお話します。

潰瘍性大腸炎の概要を説明します。

・原因
不明ですが、免疫学的機序の異常と考えられています。

・疫学
10歳代~30歳代発症が多いですが、小児や高齢者発症も稀ではありません。
10万人中約120人の割合です。
罹患者は近年増加しております。

・症状
腹痛、血便、下痢が典型的です。
重症例では、発熱、体重減少、貧血を認めることもあります。

・合併症
腸管穿孔、大腸がん、原発性硬化性胆管炎、肝炎、膵炎、壊疽性膿皮症、静脈血栓症など、多岐に渡ります。

・診断
症状、採血、下部消化管内視鏡検査でします。

・治療
軽症~中等症例には、サラゾピリン、ペンタサ、アサコールなどの5-ASA製剤を内服します。

中等症~重症例は、プレドニゾロンなどのステロイド、免疫調整薬を内服します。

腸管狭窄や穿孔、癌化した場合は、手術することもあります。

上記を読まれて、結構大変な病気に感じられたと思います。
その通りで、潰瘍性大腸炎は指定難病です。

難病とは、発病の原因が不明で治療法が確立しておらず、長期の療養が必要な疾患です。

2015年施行の難病法では、①原因が明らかでない、②治療法が確立していない、③希少な疾患であること、④長期の療養を必要とすること、これらを全て満たすことが難病の定義としています。

難病の患者様は自身の病気へ、長期にわたり大きな経済的負担をかけなくてはいけません。しかし国が定めた指定難病であれば、難病医療費助成制度の対象になることがあります。

医師に指定難病と診断され、症状が一定の程度以上であれば、難病医療費助成制度の対象となります。

これが適用となると、患者様の指定難病に関する医療費負担は2割が上限となり、世帯年収に応じて自己負担上限額が設けられます。
以下、詳細です。

つまり患者の自己負担額は、医療費の2割相当額と自己負担上限額で定められた額の、どちらか低い方の額になります。

指定難病は、2020年12月現時点では、300種類あります。その中で、潰瘍性大腸炎が患者数トップです。2位がパーキンソン病、3位が全身性エリテマトーデスです。

まとめると、潰瘍性大腸炎は指定難病であり、寛解する可能性は乏しい病期です。それを患いながら、長期間公務をされていた安倍前総理大臣に、敬意を表したいと思います。

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写真は、山梨県身延町の、久遠寺しだれ桜です。

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