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ミスタードーナツ短編エピソード集



近所のミスタードーナツはかなり深夜まであいていた。
小学生の頃、ママと遅い時間にミスタードーナツに通っている時期があった。

ポン・デ・ライオンのグッズだか、ポケモンだか、ここら辺の記憶は忘れてしまったけどきっとグッズを集めていたと思う。

私のママは収集癖があったので、好きになったものを集める時は理解できないくらいの数を集める人だった。(セレビィの何かでもらえる植物のタネを育てもしないのに50個くらい集める人だった)

夜遅くに小学生の自分が出歩いているワクワク感、大好きなママと一緒にいられること、好きなドーナツを沢山食べられること全部今でもこの気持ちは覚えている。

夜型のママはよく私を外に連れ出してくれた。そのひとつがミスタードーナツだ。そのおかげで自然と私も夜型になってしまったけど。

今は、深夜に出かけて小学生くらいのお子さん連れを見ると「早く寝かせろよ…」と真っ先に思ってしまうけれど、このことを思い出すとこの子達もワクワクしているのかしら…と少しあの頃の自分を重ねてしまう。




これはエピソードというより、自分の気持ち。

常々、
お金持ちになりたい。
だったり、
お金のある人と結婚したい。
だったり、
ある程度いい生活ができるくらいお金がほしい。
だったり、

なかなかお金を多くほしがる私。だからといってお金は増えてる気配もなければ何ら努力もしてない私。

ミスタードーナツに行って店内に並んでるドーナツ達を見ていたときにふと思った。

「あぁ、もしお金が沢山あったらミスタードーナツを選ぶ楽しみを失ってしまうのかもな…」

お金を沢山持つ予定は今のところないくせに心構えだけは完璧だ。

ミスタードーナツって選ぶところから楽しみがはじまってると思う。私がお金を持ってしまったら恐らくその選ぶ楽しみはなくなると思う。

だって、とにかく好きなものを沢山取る自分のイメージが簡単に想像できるから。

気持ちの問題かもしれないけど、じっくり選んで食べたドーナツの方が心なしか美味しい気がする。本当気持ちの問題だと思うけど。

お金は今でも沢山欲しい気持ちは変わらないけど、自分のこういう気持ちは忘れたくないな。






好きかもしれない。と思ってる男の子と毎日朝7時にウォーキングをするという健康な毎日を過ごしていた時期があった。

本当にただウォーキングをして、各々のことを話す純粋な時間。あれは人生の中でも大切な時間のひとつだ。

毎日交代で歩いて自宅まで迎えに行って最後は送ってもらっていたが、話が弾みすぎて私の家の屋上で朝の風に当たりながら何時間も話す日が増えていった。

そんな時だった。私がふと「あーミスタードーナツ食べたーい!!!!」と口に出したときがあった。

私の元に定期的にやってくるこのミスタードーナツ欲は今この瞬間やってきた。

それを聞いた彼は「何が好きなんですか?」と私に尋ねた。

私は「えー?いっぱいあるな〜…ストロベリーリングとチョコファッションとストロベリーカスタードフレンチと…あとはカスタードクリームとかダブルチョコレート…」

止まらなかった。1番は決めきれなかった。


「めっちゃあるじゃないっすか」と笑う彼。

それから他愛もない会話をした後、彼は大学の授業があるのでバイバイした。

私はアルバイトまで時間もあるし、少し寝るか。と布団に入った。

寝付いた頃、チャイムの音が聞こえてきた。

「誰か来た…」

当時、インターホン付きの部屋に住んでいたので私はよく居留守を使っていた。居留守が得意技と言っても過言ではない。あまりにベッドから起きたくなさすぎてそのまま無視することにした。

すると電話がかかってきた。携帯に映し出されているのは彼の名前だ。

「もしもし…」
『すいません!寝てましたか?』
「うん…どうした?」
『ピンポン鳴らしてるの僕です!すぐ終わるんであけてください!』
「あ、そうやったん?ごめんごめん、あけるわ」

すぐに彼はやってきた。そして渡されるあの取っ手付きの長い箱。

ミスタードーナツだ。

彼は笑いながら「24歳さん、好きなの多すぎて覚えてる範囲で買ってきました!もし好きじゃないの入ってたらごめんなさい!じゃあおやすみなさい。」と言って部屋に上がりもせず颯爽と帰っていった。


中を開けて見てみる。ほぼドンピシャじゃん。すご。
(当時の写真残ってた!)

一緒に屋上で食べたかったなぁ…と思ってしまった。

あぁ、自分のために時間を割いてわざわざ買ってきてくれたんだ。と思ったらなんだか自分が大事にされてる気がして好きかもから好きに変わる大事な瞬間をミスタードーナツと共に迎えた。



おわり。




ps.そういえば親友の彼氏(20個上)を紹介されたときもミスタードーナツだった。本当めっちゃ日常に寄り添ってくれてる、ミスタードーナツ。大好き。



最後まで読んでくれてありがとうございます。
どうしようもない24歳です。
できるだけ、毎日書く。を目標にnoteを書いています。

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