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76 - 個、ミンナ、宗教

パンジーのような改良品種をつくり出すバロック的想像力は、もともと日本人に欠けているのかもしれない。もっとも、むかしはパンジーだって野生の状態で、小麦畑の中にはえていたことがあるのは、かのレヴィ=ストロースの名高い書物の表題によっても明らかであろう。(『フローラ逍遥』)

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Chantrapas(シャントラパ/以下”C”): 話せば話すほど色んなものが減っていく?

Johnny Cash(ジョニー・キャッシュ/以下”JC”): 減ってはいかない。はははは!

C: 自分の気持ちとしては「一人でも救おう」みたいなところがないわけでもないからさ。

JC: 気持ちがってこと? 萎えてくる?

C: いや、実質的に友達が減る。

JC: あぁ。

C: 考えてること話せば話すほど……余計なお世話なんだなと。減るだけ減ってから分かっちゃったよ。自分よりよほどかっとんでると思ってた人が「なんちゃ」の陰謀論者だったというね。相対的に押し出されちゃった。気付けば狂気の陰謀論者になってる。嘘でしょう? ははは。

JC: マッドなっちゃった。地球が丸いと思ってる人達からすれば、地球が丸いと思ってない人達はただの「地球が丸くないと思ってる人達」だからね。二つに一つでしか考えられない。

C: うん。

JC: 地球がフラットだと考える人は、「一応フラット」だと考えるけど、色んな可能性を日々考察する。その脳みそを使ってると、例えば今の政治や世の中の事についても、ちゃんとそういう目線を持って見続けられる。「ただ丸い」と思ってる人はそれがない。

C: 常識揺さぶっちゃ駄目。はははは。思考実験出来ないんだから。

JC: 思考のきっかけを与えてしまうから、そういう意味でフラットアースというのは撲滅しないといけないわけだよ。フラットアースそのものというより、思考させてしまうということが危険。

C: それはね……人類を高く見積もりすぎじゃない?

JC: 彼らは人類を良く理解してるってことだよ。

C: 撲滅しないといけないんでしょう?

JC: フラットアーサーはね。

C: しないといけなく……なかったんじゃない? 色んな人が頑張ってるけど、ほとんど無効だったんじゃないかな。きっかけは拒まれた……ほとんどの人が思考実験すら出来ないんだから。

JC: 今上手く使いたい時期なんだろうね。フラットアースでさえね。うん。

C: 「手のひらの上」ってことか。そうそう。だから……フラットアースが足場でしょう?

JC: 足場になっていけばいいよね。

C: 自分の話ね。わたしの場合。

JC: 主体性の重要性。

C: フラットアースが足場になって、「意識」があると。あるっぽいと。で、起こってる事だいたい嘘っぽいと。

JC: うん。

C: となるとやっぱり自分の意識を快適に……。

JC: うん。

C: 生きようじゃないか。「全部嘘」ってなると、自分が生きてるのかもよく分からないし、誰かの映画かもしれないし、シミュレーションの投影かもしれないけど。

JC: ふん。

C: 目の前のJCだっていないかもしれないし、とかそりゃあ思ってもくるけど。その中で快適に過ごすのが闘いと言えば闘い。

JC: 今、実体がない「非主体性」みたいな空間の中に人が行くのと、また逆に健康に対する色んな議論が高まったりもする。すごい不思議な相関性がそこにあって、意識というのが自分の中に帰って来るのも凄く大事なんだけど、それが世界全体だとなぜかみんな不安になるの。

C: うーん、みんながそうならないという確信があるからなぁ。

JC: あぁそう。どちらかと言うと、みんながそれを徹底している社会がもう出来上がって来たから……支配する側にとったら最高だろうと思うよ。はははは。望んでた形。今対外的に動ける感性というのは相当難しいんじゃないかな。

C: 「対外的に動ける感性」って何?

JC: 共通の言語を持つ、とかでさえ難しい。

C: そうだね。だからもうやられてんだよ。

JC: うん。

C: どれだけ上手くやられてるかということを日々実感してる。

JC: それで……今日も二日酔いなんだよ。昨日もその話をしてて、どれだけ上手くやられてるかっていうね。やられてますよねと言われたら「やられてますよ」としか言えない。

C: 人それぞれに「したい」でしょう。実際に人それぞれになってる。

JC: そう。「JCさんの言ってること分かりますけど、もう手遅れじゃないですか?」って言われたよ。そう。手遅れだよ。それは分かってますってなるじゃん。

C: そうそう。

JC: もう手遅れだから、そういう意味でCの言う……それを無いものとして自分に引き戻すというのは当然必要な事で。うん。やんないとマズい。

C: 多くの人がやんないんだって分かっちゃったんだよ。

JC: 必要性が分かんないだろうね。

C: 「やんないとヤバいよ!」って。ずっと言ってきてるけど、それが余計なお世話なんだってば。見事に人が居なくなる。

JC: ははははは! そうね。

C: その現実を目の当たりにして。

JC: 失うこともある。それは象徴的な。

C: 極めておせっかいだと思うそれは済ませた。

JC: 偉いなと思うよ。諦めきれない何かがあるんだろうと思う。

C: だってもっと優れてると……もっとかっとんでると思ってたもん。

JC: 昨日その話にもなったよ。はははは。日本人はもっと賢いと思ってたって。

C: そうだよ。わたしが一番分かってなくて、下から上がって行かないといけないと思ってたからね。

JC: ブラッシュアップする必要がある側。

C: そうそう。

JC: 行ってみたら誰もいなかった。ははは。結構大事なこと。行ってみたらいなかった。もうお手上げなの。根本をどう処理してるか、ウイルスをどう理解してるかで、相当差別化・区別化というのはあるよ。8:2の8:2の8:2の……22222って続いて行くかもってCがずっと言ってたのはまさにそういう事で。

C: うん。

JC: ずっと2222222……で行ってると何も残らなくなるから、そこで何かしらの外的な要因を求めるというのは必然。それが「世界を見る」という視点なのね。狭いフォーカスより「外」を見るというのは。その中にいないと見られないから。そこに居ない人は俯瞰が出来ない。俯瞰ってもっと平穏な時は超越的な何かだったけど、今求められてる俯瞰というのは、どんんどん追いやられてる中で「無理!」ってなって見てる所が俯瞰だから。今そういう時代をみんな掻いくぐってる。

C: うぅん……。

JC: 超越者的なビジョンを持ちたい人達はいっぱいいるけど、自分からするとそれは一つの情報源にしか過ぎない。「抜けちゃった人」みたいな。

C: そういうのはないな。

JC: ないない。8:2の8:2の8:2の……とどんどん追い込まれた中で見てるから、そういう意味で言うとdoubles studioは相当マイナーな領域に足を踏み込んでますよっていう。

C: ははははは。

JC: 表向きはnoteに上げるというのがあるから理性的ではあるけどね。大衆的ではない。

C: 読んでいてくれた人も読めなくなっていってる。

JC: だろうね。無理になってくるだろうな。

C: 一緒に上がってくんだって思ってた。まだどこかそういうのもあるかもわからないけど。

JC: そういう大人達と今の子供達は違うってなると、自分は子供達にしかフォーカスが行かない。悪い癖だけどね。そっちが問題。無くなる世界はどうでもいいのよね。より考えなければいけない事にはフォーカスが行くし、そこに光を当てないと全部が矛盾していくからね。

C: あぁ。内心で「無くなる世界」となっちゃってる事が与える影響というのは凄いよね。自分にも他者にも。

JC: うん。

C: 「その時までは仲良くやろう」みたいな気持ちがどこかにあると、歪みが出ちゃうだろうなぁ。隠せてない。失礼な感じ、責められてる感じを常に与えちゃうかもしれない。実際にそういう話をしてなくてもね。

JC: うぅん。

C: それを誤魔化してるかもしれない。自分の中で終わってる事を……隠しても隠さなくても、出てるんだろうね。

JC: なるほどな。

C: だから結局は望んだ結果。根源を辿ればね。

JC: 人間関係って選べないってところもあるわけだよ。選ぶ方がいい、選ぶべきって考えが急に浸透して来たのも最近だと思う。わざわざ意見が合わない人と話す必要ない、みたいな。そういう考え方って彼らが望んでいた世界でしょう?

C: そうだよ。ほんとそう。実践しちゃってるよ。

JC: だから……多少ぶつかっても自分の意見を言い続ける。その方が今は面白いんじゃないかなと思う。妥協点はどこかにあるんだろうけど、その中でも絶対に信念は変えない。そこの一つの変化しかもう出来る事ってないだろうなと。

C: それはしないかな。

JC: みんなしないんじゃない。諦めモードなってる、多分。

C: そんなこともないよ。わたしはこれから会う人に向いてる。

JC: それは一緒だな。

C: 諦めてもういいやじゃなくて、こっから始めるしかないよねって。

JC: あぁあぁ。それは一緒だな。うん。

C: 終わらせることは終わらせて。

JC: うん。じゃないと生き延びられないもん。はははは。まずね、そこくらいは分かってる世界というか……少しでも妥協点を探してまだ伝えるというのがなぜ重要かと言うと、人数を増やしたいからだろうね。でも……今のところ全く手ごたえないけどね。

C: ないんだ。はははは。一緒じゃん。

JC: 夜な夜な歩いてみても、ない。思考がまず無いから。人生がそれぞれ異なるから全否定する事は出来ないけど、まず無いよ。いくら立ち戻って考えても、8:2の国で生きていくってそういう事なんだな、と。

C: 個人史に照らし合わせると、

JC: うん。

C: でも元からそうだったなぁと。

JC: そう。元からそう。

C: 元からね。はははは!

JC: 疎外感は元から。なんにも変わってない。

C: 今は分かりやすいトピックがあってそれに結びついちゃうからね。まるで今起こったみたいだけど、実際は元からなんだよ。元から8:2の2どころじゃない。変わってない。

JC: 覚悟させられているだけでね。何も変わってない、実は。

C: 逆に変な時期だったんだろうな。何人も友達がいるってことは。

JC: あぁ。あぁ~。

C: ちょっと変なことだったんだろうな。それはそれで楽しかったなぁ。

JC: 自分はコロナが始まった時に一番フォーカスが行ったのはその目線だったよね。今までがどれだけ騒々しかったか、どれだけ人人人という環境を「豊か」だと思い込んでいたか。それはみんなこれから痛感していくだろうね。

C: ふん。

JC: 「マスク外せ!」という反転した情勢が始まっていくとね。日本が一年遅れてるんだよ、っていう基本的な概念。それは意外とブレちゃいけないというか、まだ始まってないというのはすごく大事だと思う。世界の情報を見てる人達は、国がどこまで国民を追い込んでいくのかを知ってる。なんでこんなにおかしいのに変えられないんだろうというのは外国見てても思うわけだから。まず同じように日本もそこまで行くからね。

C: うぅん。

JC: あと、アメリカの属国なんだという視点はやっぱり重要。誰が正しいとか正しくなとかじゃなく、アメリカに変化があると当然日本にも変化が来る。洗脳されてるんだよ、シンプルに言うと。

C: うん。

JC: だから無理ですよ。

C: わたしも洗脳されてるよ!

JC: はははは。何に洗脳されてるの。

C: ミンナ教のライバルの人それぞれ教に。

JC: あぁ~。そこ……。ま、いいんじゃない?

C: ははは。

JC: 得意分野が違うだけであって、みんな忍者みたいなもん。

C: はははは。

JC: それでいいんだよ。それを止めちゃうとなんにも始まらない。総合的に反グローバリズムとか反政府主義とかが根っこから育ってる人は「狂ってる」から。そんな人はいっぱいいたらおかしい。何からの形でそれぞれ意見が合わないと思う所はあるでしょう。ただそういう人達がこれから軸になって行くよ。

C: だから、それが余計なお世話なんだって。

JC: 人に対してってこと?

C: そうそう。「もっとやんないと!」みたいな。それがいらなかった。それに負けたよね、わたしは。

JC: それは自分も同じだな。たぶん話しながら隠し切れてなかった。

C: かなり厳しく言うと、それが遺伝子組み換えの欲望であって、優性思想の発露とも言えるわけでしょう?

JC: あぁ。自分の。うぅん。

C: そういうフィードバック。非常に学びましたよ。

JC: 消せてない。消せない。消えないんだと思う。

C: うん。

JC: 反政府で、反グローバリズム、反ナチズムで揃ってる、且つ優性的な思考を持ってる人達というのは、歴史の真実を知りたいわけでしょう? 本質はそこでしょう。人類とは何なのか、人間とはどうやってこの社会を形成したのか。とにかく見たいわけ。

C: なのかな?

JC: 知りたいんだよ。

C: そこがあんまり分かんないっちゃ分かんない。はははは。

JC: ないものを、どうにでもなるものを。見たい。

C: 見えないものを見ようとするんでしょう?

JC: そう。

C: だから「量り過ぎ」問題になる。それってかつての知性とやってる事一緒じゃない?

JC: そうだよ。

C: 「」の地図を描き過ぎるのも腑に落ちない部分があるのはそこだよ。想像力の範囲であるのは楽しい部分だけど。平らな大地の外にこんな風に地図がある……それが月の模様。これ素晴らしいんだけど、「これが真実だ!」ってなると話が違うのよね。

JC: あん。

C: 最初は真実って何なのって思ってたよ? なんだけど。

JC: いい傾向だね。

C: 真実を追えば追うほど……自分の都合良さの方に真実を寄せたり放り投げたりして行くことしか出来ないだろうなって。

JC: うん。

C: 「意識」がたぶんあるから。たぶんあるんだよね。

JC: 生きてるうちはたぶんあるよね。

C: そう。そのやっかいな意識があるとして、じゃあ快適なものにしましょうよっていうのが今のミニマリスト的な理解。ははは。

JC: Cの場合はそこに余計なスピリチュアル的なものが無いからいいよね。

C: ない。

JC: それが無い以上は、やるべき価値が分かってるって事だから。ただの楽観じゃないからね。

C: うん。

JC: 「いいもうそんなの」「自分が作った世界」と言う人とは違うわけだから。めちゃくちゃ重要だよね、そのモード、その心理状態。そうなるのがとことん難しくさせられてるのが今の世の中だから。ひとまとめにさせられてる中で分断が起こるというのが民衆。その不可思議な世界というのを体験するという意味で言うと……貴重な時代だよね。

C: うん。

JC: それはいくら自分が達観してます俯瞰してますと言っても、やっぱりそこまでは出来ない。偉い人・支配者層みたいなのがそこから逃れられてるかというとそうではなくて、「彼等がそうだから世界もそう」なんだよね。全部そうなってる。だから時代によって動く心理とか意識、認識というのがあるなら……すごく特殊な時代。それは間違いない。

C: うん。

JC: グローバリズムってのはそういう事だよね。急にみんなが一つになっちゃった。

C: そんな中元気になってるんだから。「享楽的なグローバリストです」って自己申告したところであながち冗談だけではない。

JC: そうね。今……宗教がなんで日本でフォーカスが当たってるかと言うと、「信仰とは何か」という事に社会の不安定を置いていく、というのかな。そこに投射・投影していくというのはいつの時代も一緒だったんだろうと思うのね。政府と密着だったからまるで政治問題みたいになってるけど、実は日本国民の内面を見て行くと、「宗教」という物と対面してるわけね。今。

C: うん。

JC: フォーカスは確かに政府を疑う事、信仰宗教を、カルトを疑う事になってるけど、国民の一人一人の中にあるのは「信仰とは何か」ということ。無意識の中にかもしれないし、意識的な人もいると思うけど。その問いかけの反映が起こってる。前は……ちょっと前はね?

C: うん。

JC: ちょっと前はいわゆる経済機関・医療機関というのが支配的なヒエラルキーの中にあって、それの中で宗教ってめっちゃ上にあったんだけど、長い間戦争がないと下に下がって来る。宗教観はファッションになって、個人的なブランドみたいになって来る。

C: うん。

JC: だけど今みたいになって、急に政治や医療がみんなの中で不安視されて行くと、宗教というのは上に上がって行く……一番見えにくくて、でもそれしかないものがランクアップして行く。

C: 相対的に、地盤沈下的に。

JC: そうそう。下が沈んでいくから。日本だけじゃなくて世界的にフォーカスは宗教に向かっている。「宗教を統一する」という目標の中にそれがちゃんと描かれていて出来てるんだったらスゴいなと思うけど、でも……多分アメリカとかは危ないんじゃないかな。

C: 信仰心の厚い国だね。

JC: うん。ナンバーワン。東南アジアなんかは基本的に仏陀・仏教の根底があってその上で派生してるものだから、「対キリスト」みたいになると意外と一つにまとめられるところがある。政治性を抜きにするとね。政治が沈下して行くという前提だけど……それはもう始まってるから。

C: うん。

JC: だからロシアにとって重要なのは、ロシア正教までは売らない、ということだよね。これ新興宗教って絶対言わない。それさえ徹底してれば、沈下して行ってそれぞれの土地の宗教が上がって来るから、東南アジアはBRICSに入れば安定するというのは見えてるからね。南米もそう。自国の宗教。彼らは土地土地にあるくらい細かいから。

C: ふん。

JC: 経済というものの信託さえ結べれば、キリスト教的思想を軍事・経済に持ち込んで来るアメリカと手を切りたいというのもあって、当然繋がって行く。だんだんそういう形で宗教に対するビジョンが浮き彫りになって来る。キリストとは何かという疑問を欧米の人達が今から考え出す事が……相当長い、そこまでがビジョン。

C: うぅん。相当の俯瞰だねそれは。

JC: その手前でもうちょっとポシャって欲しいけど。本当に毒を盛ってすることになるから。フェーズが変わったってことだよね。「宗教」になって来る。

C: ですね。

JC: 何を書いたらいいんだろう。一連のこの話。はははは!

C: 保存保存。

つづく


2022年9月8日 doubles studioにて録音

ダブルス・ストゥディオ
Johnny Cash (thinker/artist) & Chantrapas (designer/curator)
#doubles_studio_talk でトーク部分を一覧で表示出来ます。

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