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44 - 鳥だって星を見上げるよ
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44 - 鳥だって星を見上げるよ

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週一度の大事件は郵便の到着で、遠いおとぎの国の「西欧」からの手紙、新聞、新刊書が届くのである。パリの新聞の些細な記事も数千キロ隔てた田舎では熟読玩味し、何日も議論する重要な事件となり、パリの作家は偉大な天才に見えるのである。

『物語 ウクライナの歴史』

44(*43はこちら
 
Chantrapas(シャントラパ/以下”C”): 次のカードどうぞ。
 
Johnny Cash(ジョニー・キャッシュ/以下”JC”): 目をつぶるのが大事。(カードを選ぶ)
 
C: これか……。「わたしはツノ一本」
 
JC: 余り一の話。はははは。
 
メモ:
「わたしはツノ一本」

 
C: ちょっとここ触って。
 
JC: あ……できものじゃない?
 
C: 違う。小さい頃からある。
 
JC: 嘘……じゃあツノじゃん。ツノ一。
 
C: 生まれたというか、気付いた時から。小学校か中学校。ツノ生えてきて自分が宇宙人と知る漫画読んでハッとなった。「ある!」となってから、伸びてはきてない。
 
JC: あるね。伸びない方がいいんじゃない。
 
C: ……これ、どう。
 
JC: ははははは!
 
C: JCさんの意見を伺いたいなと思って。人生相談。
 
JC: ツノは出ない方がいい。でっかくならない方が。
 
C: 中国とかでたまに出てる人いるよね。あんなにデカくならない。見て分かるようなやつではない。ほんの小さな突起。
 
JC: ツノはアンバランスな故に出てくるでしょう。だからCの場合は先天的にちょっと……。
 
C: ははははははは。
 
JC: 出てきて生まれてきてるからね。
 
C: 次のメモ行こうか。
 
JC: はははは。先天性。レプ的な。ははははは!
 
C: DS説もレプ説もある。タフな人生。じゃあ次どうぞ。
 
JC: (カードを選ぶ)
 
C: あぁ。これは軽くていいね。すぐ終わるでしょう。「みんな政治でバカになる/おはようございます」
 
JC: あぁ~。うんうん。
 
メモ:
みんな政治でバカになる/おはようございます

 
C: 私の住んでる地域の話なんだけど。
 
JC: うん。
 
C: 農家の人って基本自民党支持。補助金がたんまりあるからね。
 
JC: そうね。
 
C: 実際どれくらいかは知らないけど、納屋の壁の目立つ所にポスター貼るくらいには自民党に協力的な人がいて、
 
JC: うん。
 
C: もう一軒、狭い道を挟んだすぐ隣には、頑張ってしんぶん赤旗を売ってる熱心な共産党の人がいる。
 
JC: あぁ。
 
C: その二人って畑と道ですごい楽しそうに話してるんだよね。
 
JC: なるほどなるほど。
 
C: 政治は政治。近所は近所。これって普通だったはずなのに……いつの間にか政治によって分断されるのが当たり前になってる。それ「が」バカになってるってことですよって、読んでないけど多分そういう本だと思うんだけど。
 
JC: 大人だね。政治的な見解が政党で分かれているとしてだよ、
 
C: うん。
 
JC: いずれみんな馬鹿げた事だと気付くと思うけど……
 
C: そうなんだよ。そこなんだよ。
 
JC: そう。でもとりあえず今まだそれは無理だから。フォーマットとして政治政党がそれぞれあって、統治する側としたら、支持政党が違うとお互い仲悪くあって欲しいよね。それは彼らの理想ですよ。「政党」ってそのために作ってる。正直を言えば、そこで「おはようございます!」っていつも通り仲良くやって、商売も一緒にやられたらかなわないよ。それってほぼ無視されているようなものだから。
 
C: でしょう? 分断されてしまうことが統治側の利になる。だったら仲良くしたらいい。無効化する一個の解決方法があるのに。今日の最初の話と同じだけど、ツイストしてる。結局は統治されたい。
 
JC: 民主主義的傾向というのはどこか理想としてはあるのよね。みんなの中でまだ今でもある。そっちだったらいいなと思ってる。民主主義に対する憧れ……人権が確保されていて、自由でっていう。今それが資本主義にそぐわなくなってきてるよね。
 
C: トランプ的なものはそこを切り崩した?
 
JC: 「それぞれでやろうよ」という。切るべき所を切って行こうとしたら、実際に中東の戦争も減っちゃったし、軍産、ネオコンが回らなくなってきて、さすがにマズいということで不正選挙をやったわけですよ。アメリカのここ最近の中身といったらこれしかない。
 
C: いやぁ~。それがまさに自分史的な見方だよね。
 
JC: ははははは! これは結構メジャーになってきた話なんじゃない? そのための映画でしょう。ただ……アメリカ人が……日本人と同じくらいそういう事に興味がない国民なんじゃないかなと自分は思ってる。「もういいよトランプとかバイデンとか」って思ってる人の比率は凄い高いんじゃないかなぁ。これは予測だけどね。
 
C: 結構合ってると思う。
 
JC: でしょう?
 
C: 政治に興味があるのはほとんどカリフォルニアの人でしょう。
 
JC: はははははは! 間近で見てる人。ははははは!
 
C: ほとんどカリフォルニアの人。
 
JC: ニューヨークから出て来たカリフォルニアの人。そうね。
 
C: あとは全部田舎なんだから。
 
JC: そうそうそう……。
 
C: 合ってる。
 
JC: 前から言ってるけど、やっぱり「何か変だぞ?」となるには経済しかない。
 
C: うん。
 
JC: ハイパーインフレになってやっと「バイデンおかしいんじゃないの?」って気付きだして、それでやっとウクライナに目が行く順番だからね。ウクライナの事なんてたぶんアメリカの人は全然考えてない。どっちでもいい。
 
C: お金の事で気付くのがどれだけ難しいかというのもある。『フロリダ・プロジェクト』という優れた映画(『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』ショーン・ベイカー監督、2017年)があるよね。その中で「アメリカ人は常に二週間先の家賃の支払いだけを考えて生きてる」という描写があるけど、
 
JC: うぅん……。
 
C: 「普通の」人たちのまだ下にも固定化された層がある。そうだ、最近も面白い映画を観たよ。あれはチリの映画だったのかな。コンテンポラリーダンサーが主役の話。カンパニーのみんなで彼女の里子を取り返そうとするんだけど。(『エマ、愛の罠』パブロ・ラライン監督、2019年)
 
JC: うん。
 
C: 作戦を仕掛ける相手の男が、昼間は消防士で夜はバーテンをしてる。
 
JC: うんうん。
 
C: 経済……その時点でどうかなってますよね、という。
 
JC: そうね。
 
C: そこに突っ込みはないよ。ただの設定で、当たり前のこととして描くのが凄い面白いと思った。消防士/バーテンの妻は弁護士だよ? だけど朝から晩まで……。
 
JC: 日本もそう。
 
C: そう。それが無理がない設定をみんな受け入れてる。いわゆる普通の人でもとてもじゃないけど暮らせない、子供を育てられない。それでもおかしいと気付かないなら……どこまで行けばいいんでしょうか、JCさん。
 
JC: それがヒエラルキーでしょう。みんなが信じられない構図・構造っていうのがあって、分かれば全部「なるほど」と辻褄が合っていくんだけど。構造が分かったところでその歴史的な変遷というのはそれぞれの自分史的なところがあるし、これから先の予想なんて個人個人でいいと思う。だけど現状ある構図自体に対して、「理解度が上がる経済の仕組み」ってなんなんだろうということだと思うのね。そこがいわゆる民主主義と資本主義の違いだよ。民主主義と思って生きてるけど、資本主義というヒエラルキーを生きてるから、個人の自由は尊重されているかのように「錯覚」するわけだよね。
 
C: うん。
 
JC: どれだけ搾取されているかなんて冷静に考えることもない。だからその「ドラマ」が成立してしまう。ドラマというのは作られたシナリオ。それだけ「生きるって大変なんだ」的な、生活「力」みたいなものを個人レベルに置いていくと……まぁ勤労という美徳でもあるわけだからね、成立してしまう。
 
C: でもちょっと方向が変だね。
 
JC: だからヤバかったんじゃないかな。今まではね。
 
C: 民主主義って主義なのというのはあるよね。デモクラシイズムではないからね。訳語を正しくしようと試みるなら、デモクラシーは民主「制」なんじゃないのというのはある。
 
JC: そうね。
 
C: 変にされたまま定着してしまったかもしれないね。分からない原因が言葉にあるのかなと思う時はたまにある。
 
JC: うんうん。その……民主主義が個人主義として成立してしまうと統治しづらくて、例えば「社会的な安全保障が出来ない」かのような思想を利用して、いわゆる「法律」を越えようとする「政府」が巨大化してきたわけだよね。
 
C: うん。
 
JC: 抑圧に負けてリアルに反抗したりズレていく勢力もいれば、それが足りない時には捏造すらしてやってきたわけでしょう。その捏造がいわゆる戦争だったというのは……第二次世界大戦もそうだったけど、ウクライナの事が始まるまではそこに気付いてる人はほとんどいなかった。というか一部の人。
 
C: (陰謀)ロンジャーの人たちだよね。
 
JC: ロンジャーの。ははは。「市井の」人たち。
 
C: うん。
 
JC: ウクライナの今回の事が始まって、なんでわざわざ過去の話を持って来る人達がいるかというと、同じ要因がどっかにあるから。で、「繰り返しちゃいけない」という。当たり前の感覚から「前もそうだったんだよ」と言いたくなる史実に対する認識も分かる。ただ、それは一つのサンプルにしか過ぎない。「繰り返しますよ」という予言的な事ではなくて、「前と同じ構図」でしょうと。描く希望は同じだけど。
 
C: うん。
 
JC: 今回の戦争で明らかになったのは、欧米的資本主義、戦争、医療による支配への懐疑心が確実に根付いたという現実。だから、わざわざラブロフ外相は「ヒトラーってユダヤ人の血流れてますよね」と言うのは、もう「そこまで明らかにしましょう」ということ。(*リンク:「ヒトラーにユダヤ人の血」、ロシア外相の発言にイスラエル猛反発|CNN
 
C: みんな大好き手塚治虫先生が。オミクロンに続き……。
 
JC: そうね。現状の本当の部分を開いていく=過去のパンドラも開けていくこと。
 
C: うん。
 
JC: イコールだから。避けては通れない。仕方ないんじゃないかな。
 
C: 市井とアカデミアを……何が分けるのかといったら前例主義。
 
JC: うんうん。
 
C: 研究論文で「これが事実です」というのを積み重ねる。一つの山にみんなで砂を盛るような作業。で、なんで市井から物を言うとロンジャー扱いされるかというと、だいたいその山じゃないから。
 
JC: ふふふ。
 
C: 違う山にいきなり盛ったりするのは完全なマナー違反。インチキ、珍説、トンデモ、陰謀論……呼び名はいっぱいあるけど。
 
JC: うぅん。
 
C: 前例主義に基づいたとして、実際に一個ずつ事実になっていくわけだからね。それから判断していたらもう常に場遅れ状態だよ。
 
JC: 場遅れを避ける。そこじゃない所に次の問題が移っている確信をどうやって持つかというのはそれぞれの人がやらないといけない事で、
 
C: うん。
 
JC: たぶん既成事実になった所を押さえて行っているようでは絶対に次の山は見えない。埋もれていくであろう小さい山というのは捏造で作られていく。いろんな所に点在してて、次から次にそこに人が土を被せて歩いている。これじゃあなんでそこにそれがあったのかということが見えない。自分で探しに行かないとやっぱり駄目だよ。
 
C: ビジョン。
 
JC: ビジョン。うん。
 
C: そこなんですよ。トンデモ扱いだろうけど。ははは!
 
JC: だろうね。小さい山を見つけて、土被せる間もなく次の山を見つける人達というのが増えていけばいい。
 
C: うん。
 
JC: みんなが次の山がどれか分からないくらい次を見つけていけばいい。それぞれが。それでも少しずつ色んな所に土を被せていくでしょう。
 
C: うん。
 
JC: 上がっていくんだよ。ふふふふ。
 
C: おぉ。千のプラトーだ。
 
JC: プラトー化する。政治から入る人もいれば、歴史とか、なんだっていいんだけど。いっぱいあっていいと思う。いっぱい増えて来たんじゃないの? と自分は思ってるけどね。
 
C: うん。
 
JC: お~と思って見てるだけだけど。
 
C: 見てるだけ? あなた先頭じゃないの。
 
JC: ははははは! アセファル、頭は無い感じだ。
 
C: 先頭から見てる。ははは。だから色々見えるのかな。
 
JC: 俯瞰じゃないの?
 
C: 俯瞰。上から。
 
JC: 上からというより、俯瞰は上下左右とかないと思う。
 
C: 鳥の目のイメージでしょう。
 
JC: 下からでも俯瞰できる。ははは!
 
C: 22世紀に向けて国語辞典も更新だね。
 
JC: 鳥だって空見るよ。星見たら見上げるでしょう。
 
C: そうだね。サッカーの見過ぎだった。
 
JC: ふふふふ。
 
C: よく言うでしょう。
 
JC: 「そこ出す!」みたいな。
 
C: シャビのような特別な選手がいるよね。あの時のあの試合のプレーヤーの位置を教えてください聞くと、他のプレーヤーと同じ高さから見てるのに本当に上から見たみたいに全員の位置を覚えてる。
 
JC: チーム力もある。バルサは特にそう。急にサッカーの話。はははは!
 
C: けっこう好きなんだよね。ははは。
 
JC: ドイツサッカーとかはやっぱり上下・前後の軸で、だけど南米やバルサなんかは上から考える。全体の分布が敵陣に入って行くことが理想とされてる。
 
C: うん。
 
JC: そういう……サッカーの話か! はははは!
 
C: 競技芸術としてとか、タクティクスの面では面白いけどね。一体感は駄目ですよ。
 
JC: 政治利用されてることが問題。
 
C: そこは切り離して。
 
JC: そうそう。そういうサッカーだったら大いに残って欲しい。そういうスポーツなら。
 
つづく
 
 
2022年5月12日
doubles studioにて録音
 
ダブルス・ストゥディオ
Johnny Cash (thinker/artist) & Chantrapas (designer/curator)
 
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