一口エッセイ: 「本を読まないということは、そのひとは孤独ではないという証拠である」
太宰治の言葉に、「本を読まないということは、そのひとは孤独ではないという証拠である」とある。これが非常にネチネチと皮肉めいているのが太宰らしくて面白い。
この言葉からは、「孤独な人間は本を逃げ場とする」という太宰の考え方が現れていまして、逆に言えば孤独な人間は読書を強みにして生きていかねばならない。あるいは、読書を通じて交流することで友人を作っていく。共通の趣味があれば、比較的簡単に仲間ができる。昭和の時代の読書という文化は、同好の士を見つけるための手段でもあったでしょう