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あんこと、私と、エレカシと

「和菓子と洋菓子どっちが好き?」

私が働いているレストランには、いつも差し入れを持ってきてくれる常連のおじいちゃんがいます。

そのおじいちゃんが学生のアルバイトの子たちに尋ねました。

するとアルバイトの子たちは口を揃えて言ったのです。
「ぜったい洋菓子がいい。あんことか苦手だし」と。

これは私が働いているお店に限ったことかもしれませんが、最近の若い子はあまりあんこが好きではないようです。

私はと言いますと、もちろんカスタードクリームがたっぷり入ったシュークリームや、チョコレートがたっぷりかかったエクレアなんてのも大好きですが、やはり、あんこがたっぷり入った饅頭や大福も同じように大好きです。

そして、こちらも人気がないようですが、私は断然つぶあん派です。

もちろん世代によって味覚も違うでしょうし、流行り廃りもあるでしょうから仕方のないことだとは思いますが、日本のソウルフードでもあるあんこが、これからの日本を担う若い子たちに敬遠されがちなのは、内心やっぱり少し寂しいなぁと思うところです。

なんてことを考えながら家で録画しておいた音楽番組を見ていたら、エレファントカシマシの宮本浩次さんが中森明菜さんの往年の名曲「飾りじゃないのよ涙は」を熱唱していました。

今も昔も変わらずあの変な動きからは想像できない程の歌声と、ステージを縦横無尽に動き回るステージパフォーマンスは圧巻でした。

私は宮本さんの熱唱っぷりを、薄皮まんじゅう片手に見ていたわけですが、ふとある疑問が浮かび上がりました。

今の若い子たちは、この宮本さんの熱唱っぷりや暴れっぷりを見て、一体どう思うんだろうと。

私はばっちりエレカシ世代なので、宮本さんの熱量や、髪の毛を何度もかきわける仕草や、落ち着きのないトークシーンなどを散々テレビで見てきているので、おお、今日も宮本節が炸裂してるなぁとニマニマしながら見ているわけですが、当時の活躍ぶりを知らない若い世代の目には一体どう映っているのかと、ふと気になったのです。

落ち着きのない、足の細い、歌のうまい、小柄な変なおじさんと言った所でしょうか。

なんだかちょっと切ないですね。

これも時代の流れなのでしょうがないですが、今も昔も変わらず現役バリバリで、己を貫き通している宮本さんは本当にカッコイイ。

それにしても、エレカシの名曲「今宵の月のように」が発売された時、私はまだ中学一年生だったので、あれからもう25年以上が経つことになります。

時が経つのは本当に早いですね。

他にも名曲はたくさんありますが、ここ最近の一番のお気に入りの曲は「俺たちの明日」という曲です。


働く男の背中をやさしく押してくれる応援歌なのですが、2番のAメロの歌詞がたまりません。

10代  憎しみと愛入り交じった目で世間を罵り
20代  悲しみを知って  目を背けたくて  町を彷徨い歩き
30代  愛する人のためのこの命だってことに  あぁ  気付いたな

私はこの歌詞が、まるで自分のことを歌ってくれているのではないかとさえ思えてきます。

斜に構えてしか世間が見れなくて、モヒカン頭を逆立てて、常に何かに反抗していた10代の私。
社会人になり現実に打ちひしがれて、いろんなことから目を背けたくなった20代の私。
子供が産まれて、愛する者のためのこの命だと知った30代の私。

そして、私は今年40になります。

宮本さん、歌詞には30代までしかないですが、私の40代は一体どうなっているのでしょうか。

不安です。

今のところ予想では、健康のありがたさと、お金の大切さを知った40代になるのではないかと思っています。

というのも、昨年末から体の至る所に不調が出てきていますし、物価高も気になります。
それに厄年です。

これも時代の流れだから逆らうことはできないのですが…。

でもきっと、40代には40代になってみないと、見ることのできない素晴らしい世界が広がっているとも信じています。

今日も1番のサビ終わりの「頑張ろうぜ」が心に沁みます。

余談ですが、昨年末の大掃除の際に、押し入れから出てきたエレカシのDVDをブックオフに売りに行ったら、プレミアがついていたようで1万円近い値段で売れました。

宮本さん、その節も大変お世話になりました。

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