夏バテと、都合がいい私の体
今年はどうも夏バテ気味です。
私は今まで本格的な夏バテを経験したことがなかったのですが、この歳(38)になって今、初めて夏バテに苦しんでいます。
疲労感、倦怠感、食欲不振、やる気の喪失。
夏バテなんてものは気の持ちようだと思っていたのですが、いざ自分がなってみると、あまりの身体の重たさに気持ちまで押しつぶされてしまいそうです。
もちろん日中の暑さもキツイのですが、それよりも私は夜の寝苦しさの方が体にこたえます。
エアコンのタイマーが切れると瞬く間に身体中から汗が吹き出して、あまりの不快感にすぐに目が覚めてしまうのです。
しかし、だからと言ってエアコンをつけっぱなしにするのも身体を冷やし過ぎてしまいますし、隣で寝ている妻と娘は必要以上に寒がりなので、もうどうしたらいいものかと頭を抱えてしまいます。
さらに、私は毎晩お酒を飲んでから寝る習慣があるので、もともと睡眠の質はあまり良くありません。
そこに輪をかけて熱帯夜の寝苦しさが襲ってくるのですから、体が悲鳴をあげてしまうのもしょうがないのかもしれません。
しかし、そう頭ではわかっていても、すぐにやめられないのがお酒です。
長年かけてできあがった習慣をすぐに変えることは難しいですし、それに、今ここでお酒を飲まなくなったら、なんだか夏バテに負けてしまったような気がして悔しいのです。
だからと言ってこのまま手をこまねいているわけにもいかないので、私はインターネットを使って夏バテの対処法について調べてみることにしました。
すると、夏バテにはいくつかの原因があることがわかりました。
室内と外の温度差による自律神経の乱れ。
熱帯夜による睡眠不足。
発汗による水分やミネラルの不足。
食欲不振による栄養不足。
冷たいものばかりを摂取することによる胃腸の機能低下などです。
どれも当てはまりそうな気がするのですが、その中の食欲不振の対処法について書かれた記事に、気になる一文が載っているのを私は発見してしまいました。
それは、
「お酒の力を使って夏バテを解消しよう」
という一文です。
簡潔にいうとこういうことです。
「お酒が食欲を刺激する力を借りて、栄養をしっかり摂りましょう」と。
私は目から鱗が落ちました。
と言うのも、てっきり夏バテ中は飲酒を控えましょうとか、お酒は水分にカウントされませんよといったことが書いてあるものだと思いこんでいたのですが、まさかのまさか、お酒の力を借りましょうなのですから。
それから1週間ほどが経ち、私は今、晩酌をしながら鶏胸肉の南蛮漬けを食べています。
薄切りにした鶏胸肉をサッと焼いて、野菜たっぷりの甘酢ダレで一晩マリネにした冷菜です。
酸味があってサッパリとしているので、夏の暑さに疲れた身体にもスーッと入っていきます。
それに鶏胸肉にはイミダペプチドという、疲労回復効果のある成分が多く入っているので、夏バテの体にぴったりの食材なのです。
不思議な話なのですが、ここ数日は以前ほど身体を重く感じることはありませんし、食欲もだいぶ戻ってきました。
特に生活習慣を変えたわけでもありませんし、もちろんお酒も毎日飲んでいます。
ただ、以前はお酒を飲むことに対して、「夏バテ中なのにまたお酒を飲んでしまった」と言う罪悪感があったのですが、今は「食欲を刺激するためにあえてお酒を飲んでいる」という意識に変わったのです。
身体が暑さに慣れてきたということもあるとは思いますが、どうやらこの意識の変化が大きく体調に影響しているように思います。
ただ、ほんの少しの意識の変化(自分の行いを肯定する)だけで身体の調子がよくなるなんて、私の体は本当に都合よくできているのだなあと、我ながら呆れてしまいました。