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KBオヤジの入院記

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二度目の入院、退院後からと思っていたけど、リハビリ入院中にはじめることにしました。 ある日突然何らかの理由で入院、短期間で済まなくなったら・・・。 誰にでも起こりうることをどう…
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2021年10月の記事一覧

『何だったの?』

『何だったの?』

入院初期、心電図を監視されての状況から解放されて二つ目の病室に移ってからあったある日のこと、視線の先の病室から視線を感じました。
視線の先には、ベッドを背もたれのように起こした状態でこちらを見ている老人の姿がありました。
それに気づいてか、看護師の方がその病室のカーテンを閉めてくれました。

「視線が気になるの?」
「この病室には、誰もいないんだよね。」

あれ、老婆が黙ってベッドからこっちを見て

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『これまでが今に』

「あいちゃ〜ん、あいちゃ〜ん」

食堂外の廊下から大きな声が響く。
そんな名前の人はいない筈だが、配膳をしてくれる看護師か介護士にお気に入りの女性がいるらしい。
おじいちゃんと言っても、好景気の時には仕事以外でも随分色々なところに出入りしていたのだろう。
幾つになっても、気持ちは元気な頃のままの様だ。

最初に入院した病院も今入院している病院でも生きてきた時代のせいか、女性うけや甘えなどが露骨な人

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『いつもの様に』

『いつもの様に』

いつも元気に歩行器と共に現れるおじいちゃんの姿が、いつになっても食堂に現れない。
どうやら体調を崩されたらしく、病室での食事となったようである。
少々心配になりもしたが、散歩がてら覗いたおじいちゃんの病室のベッドでいつもの笑顔で挨拶をしてくる姿を見て、一安心であった。
全員ではないとはいえ、大勢が集まる食堂は、会話や挨拶を交わさないまでも状態を知る大切なひと時とする様になったようである。

続く・

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『環境がそうさせているのかも』

『環境がそうさせているのかも』

廊下ですれ違ったり、他の病室を目にしたり、食堂に現れる姿を目にしたりと、殆どが自分より年上の方々とはいえ、前よりリハビリが進んでいる姿を目にするともっと先、もっと上の回復をしないといけないなと感じてしまいます。

食事の席、前に座る大正生まれ90代のおじいちゃんが、ばくばく食事する姿に元気をもらえます。
脳梗塞を発症して入院してこれまでの様にいかないことがいくつも出てきますが、それ以上のハンデを克

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『一歩一歩確実に』

『一歩一歩確実に』

USB充電器が壊れるというアクシデントにみまわれて、差し入れの時代小説で時間を使うことになりましたが、無事新しいものが届いて、こうしてまた書いています。

今の時代、高齢の方でも自分のケイタイが無いと不便を感じるようですから、スマホをよく利用されているなら、何をするにも必要でしょうから充電器の予備や容易に入手できる環境を持っていた方が良いかもしれませんね。

リハビリを行う療法士の方々は、そのジャ

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『USB充電器使用不能』

『USB充電器使用不能』

充電器が、深夜突如として壊れた様。
amazonでの、充電器発注は間に合ったけど、到着までバッテリーが持つわけがない。
これから二日間ほどスマホ使えない状態になりそうだ。
入院していると、ちょっとしたこともリカバリーがなかなか効かなくて困るものだ。

『飲み込める?』

『飲み込める?』

リハビリ療法士は、それぞれの対象患者の状態を観察して判断し、それを基に計画、どんなことをしていくか組み立てていくようだ。
対象となるこちらと違って何かと忙しく、限られた時間の中でのトライアンドエラーも行っていて、思ったように結果に近づかないことも少なくなさそうだ。

望まれているか分からないが、言葉で伝えられることは、可能な限り伝えるようにしている。
何をされたらどの辺がこんな感じ、というようにだ

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『繋がって生まれる力』

『繋がって生まれる力』

入院した時期は、新型コロナウイルス感染の脅威の中だったから、入院時を含め前の病院で2回、転院した時に1回と都合3回PCR検査を受け、お見舞いなど外部との接触を禁止され、リハビリの際はマスク着用必須と報道などでは、あまり注目されていないであろう。
看護士や療法士など、リハビリにあたっては勿論丁寧な言葉遣いやポジティブな言い方を心がけ実践している。
ただ、これまで親戚や身内など入院患者を目にしてきて思

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『温もり』

『温もり』

他でもそうなのかもしれないが、リハビリのマッサージなどで手業を施してくるその手に温かさがないと、どんなに技術が長けていても、その効果は薄いと感じている。
ここで出会う療法士の方々は、施術しだすと手が温かみを増す方ばかりだ。
動いているのだからと言われれば、それまでかもしれないが、過去に時間が経っても手から感じる温もりが、低いものだったマッサージのかたがいた。
その方の施術は、ほぼ効かなかった。

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『今日の解放と先の解放』

『今日の解放と先の解放』

入院すると、その病状に合わせて入院食のカロリーや成分を調整されます。
私の場合、脂肪分をせいげんされています。
なので、メニューには天ぷらとなっていますが、天つゆと薬味付きの衣無しの具のみになってしまいます。

・・・もう、天ぷらの面影は何も無いですね。

世の中コロナ対策が続いてきましたが、東京の緊急事態宣言が解除されて、病院も一部の面会解除が親族に限って15分程度ですが、やっと可能になりました

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『療法士』

『療法士』

個人で内容や時間が異なるけれど、私の場合平日は毎日三枠のリハビリがある。
言語、理学、作業の各療法士が、それぞれの分野で、現状と目標に沿った内容のリハビリを行なってくれる。
この療法士というのは、国家資格だそうで割と新しめだそうだ。
リハビリの間は、雑談することも少なくない。
50代の私にとっても、かなり若い先生方に施術を受けたりアドバイスを受けることもあるので、最初は戸惑うかもしれない。
ジェネ

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『ラーメン』

『ラーメン』

入院が長くなると、楽しみが限られてくる。
その一つが食事。
栄養士や調理士が、医師から示される各々の食事に関する制限を考慮して一日三食を提供してくること自体、楽しみになっているのかもしれません。

---私だけかな?

お昼に味噌ラーメンが出ました。
病院食ですから脂抜き、塩分控えめで薄味。
スープの温度こそ低いものの、しっかりラーメンしていたのはさすがだと感じましたね。

病院食は、各々によって

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『迷い人来る』

『迷い人来る』

病室が奥の行き止まりで食堂の向かいだからなのか、稀に他の部屋の患者さんが用もないのに入ってくることがある。

今日も空いてる時間にベッドサイドでくつろいでいると、視線の端を車椅子が奥に向かって通り過ぎて行きました。

・・・奥には、車椅子利用者はいないよな・・・
車椅子の方に歩み寄ると、空きベッドを見ている別室のおじいちゃんが。

「誰かに用があるの?」

聞いては見たものの答えは特に来ない。

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『重要なこと』

『重要なこと』

リハビリを受ける時、マッサージや改善した方がいい部位の運動をすることがある。
素直に療法士に任せるだけでも効果はあるけど、大抵の動きにはポイントがあって、それをおさえないと効果が下がってしまうことが少なくない。

例えば、お辞儀をする様な動き。
何も意識しないと、背中を丸めてその動きができている様に思えてしまうけれど、股関節で上半身を倒れ込ませる様にしないとリハビリにはあまりならなくなってしまう。

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