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『何だったの?』

入院初期、心電図を監視されての状況から解放されて二つ目の病室に移ってからあったある日のこと、視線の先の病室から視線を感じました。
視線の先には、ベッドを背もたれのように起こした状態でこちらを見ている老人の姿がありました。
それに気づいてか、看護師の方がその病室のカーテンを閉めてくれました。

「視線が気になるの?」
「この病室には、誰もいないんだよね。」

あれ、老婆が黙ってベッドからこっちを見ているのが見えたのに・・・。

翌日、視線の先の病室を見るとそこは、物置状態の部屋でした・・・。

私は、何かを勘違いして見ていたのか、もう確かめることはできません。
何で自分はまだ生きているんだろうと考えていたことは、事実でありました。

続く・・・

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