読書感想文。「思ったことを自由に書け」と言われたって書けるわけがない。
読書をして、ものすごく感動したら、読書感想文なんてカンタンに書けそう、と思いませんか? 思いますよね。
でも、そう簡単に行かないのが、読書感想文です。
しかし、今ずいぶんと増えた作文教室の中には、
「小学生が一人で読書感想文なんて書けるわけがない」
「だからプロに任せろ」
なんていう、自称プロがいます。こういうのをみると、
小学生の能力、なめんじゃねえ!
と思ったりしますが……。
話を戻します。
わたしはよく、読書感想文講座でも個別指導でも、こんなことをお子さんに聞いています。
「おお! とか、すげえ! とか、ほほう、とか、へーとか思ったところを中心に、読書感想文を書くよ。」
「だから、そういうところを見つけて、ふせんを貼ろう。」
「えー! とか、サイコー! とか、泣けた、ってとこでもいい! そういうのが『こころが動いたところ』だよ」
そう、具体的に例を上げて、伝えるのが大事です。
「この本を読んで、感動したところを自由に書きなさい。」
「心が動いたところを自由に書けばいいんだよ。」
お父様、お母様がつい言ってしまいそうな言葉です。下手すると、担任の先生の「読書感想文の書きかた」にも、こんなことが書いてあります。
しかし、お子さんからしたら、
「はあ?」
です。
単に、「感動したところ」「こころが動いたところ」と言われて、たとえば小2だったころの自分を思い出して……、書けますか?
こういう抽象的な言葉は、具体的に例を挙げて説明しないと、お子さんはわかりません。
「何を書いたらいいんだろう。」
「おもしろかった、じゃダメなの?」
と思い、まわりでお父さん、お母さんがああだこうだと、ヒートアップすればするほど、
「何を書けばいいの? どうしたらいいの?」
と、混乱してしまいます。
さて。たとえば、
「はれときどきぶた」(矢玉四郎・岩崎書店)
は、小学生をゲラゲラ笑わせる、面白い児童書です。
おもしろかったから、これが書きたい! というお子さんも多いでしょう。この大人気の「ぶた」シリーズは、全部で3冊出ています。名作です。
日記に「ぶたが空からふってくる」
と書いたら、本当になる。
ぶたがやまほど、空からふってくるシーンは、圧巻です。
しかし、じゃあ、何を書く?
「おもしろかったです。」だけでは、ダメです。
たとえば、小学2年生なら、学校によりますが、2枚半~3枚、書かなければなりません。
この場合は、何がどう面白かったのか+発想力、創造力が必要です。
発想力、創造力のあるお子さんは、ぶたがふってくるシーンを読んで、ゲラゲラ笑いながらも、書くときはスイッチが入って、びっくりするような「感想」を書きます。
しかし、みんながそういう、発想力、創造力を持っているわけではありません。だから、わたしが教えるときは、「自分の感動(笑いも感動です)」を、具体的に広げるお手伝い」をします。
すぐスイッチが入る子もいれば、最後まで、スイッチが入らない子もいます。
10年以上前から、スイッチが入りにくい子が増えてきているなーと、毎年思っています。
これまで、「感動する」練習をしてきていないのです。
では、どうしたらいいか? つづきは次回に。
そこで、お父さん、お母さんにお願いです。
「日記に、ぶたがふってくると書いたら、ホントに大量にふってきた・」
という部分を読んで、「思ったこと、考えたこと、感想、意見」のどれかを書いてみてください。
1行でもいいですが、できれば3行以上!
小学2年生に戻ったつもりで。
勇気を出して、コメント欄に書いてくださった方には、優しめに講評を書きます。
お待ちしておりますー!
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