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「副業をしたい」の前に「仕事ができるように」なる

枕にかえて

 どうも、えんどう @ryosuke_endo です。

 20代専門の転職サイトなるものが存在していることを最近まで知らなかった30代も後半になってしまったおじさんである。

 その中であるアンケートが行われたことが丁寧にPR TIMESへ掲載されていたので、ついつい見入ってしまった。特に『勤務する会社で副業が認められていたら、副業したい』と回答した20代が約9割にものぼったことが目を引いたのはいうまでもない。

 これまで僕は企業側も副業を前提にした雇用体系を構築し、個人の賃金は個人である程度は賄ってもらう方向で人材獲得を進めていかなければ雇用契約を結べるものも結べなくなるのではないかと書いてきた。(『あなたが入った会社は、誰かが入れなかった会社。

 その考え自体に変わったわけではないものの、あまりにもこの考えが前提になると損をするのはむしろ20代の若き労働戦士たちであることは付け加えておきたい。

▶︎ 複業時代とはいえ主たるスキルが必要なことに変わりない

 時代は副業ではなく、資産運用におけるポートフォリオ同様、分散させることが徐々に注目どころではなく、前提としつつ身銭を稼ごうとする人たちが増えてきている。

 分散投資とは、どこか一つにだけ金融資産を全額ぶち込んで大きなリターンを期待するといった見事なまでの博打的な投資を行うのではなく、どこか一つが投資リターンが返ってこないような損をこいたとしても別口で資産を保持して保有資産の確保を狙った投資手法だ。

 それを労働市場でも適応させ、どこか一つから身銭をもらうのではなく、分散させておくことでどこかがダメになった場合にも食い扶持に困らないようにすることを指して「複業」と表現する

 この考えからいけば、上記したアンケートの回答内容も極めて道理の通ったものであると言える。あくまでも食い扶持を分散させておくことで、破滅的な状況を避けようとするのだから非常に賢い姿勢であると言わざるを得ない。

 しかし、考えなければならないことが一点。この話はあくまでも「売れるだけのスキルや経験、実績」があってこその話だという点である

▷ 主業と副業で複業

 複業を成立させるため、自身の労働市場における価値を分散的に使用することは大いに賛成であることに変わりはない。むしろ、そうやって生活すること自体が基軸的になっていくことこそ、資産保有者のみに乗船が許されている屋形船である国、日本で生きていくサバイバル術であると僕は考えている。

 ただ、上記している通り「売れるだけの労働価値」が提供できる人材にだけ実践できるものであることも書き添えておく。

 売れる、とは買ってもらえると同義だ。

 つまり、お金を出してでも自分に助けてもらいたいと思ってくれる人や会社が存在しなければならない。それもないのに「副業だ!」と意気込んだところで何も発生しない。何も生まれない。

 メインとなる業務とサブとなる業務をこなすことで達成される成果や結果を踏まえて対価となる賃金や料金の支払いを受けることができるわけだが、何がメインとなるのか。何をもってサブとするのかは当人次第だ。

 そこで当人が自信をもって「これがメイン業務として対価を得たいもの(スキル、経験、実績)です!」といえない時点で誰からも頼まれるわけがないのである。

 これまでに明確な実績や経験もないのであれば、そもそもスキルなど保持しているわけがない。何もない状態からスキルや経験を誇張し、他人をうそぶくことは虚偽であり詐欺となってしまう。

 そんなことは継続的にできるものではない。火のないところに煙は立たないのと一緒で、何も身につけたスキルがない場合、他人に向けて提示できる経験や実績もないものだ。

▷ 市場の中で明確に売り出せるスキルは何か

 では他人に提示できる、他人から依頼を受けることができるスキルは自分のどこにあるのか。おそらく現在の所属先で見つけ出すことができるはずだ。

 転職相談やキャリアメンターとして活動する中で実感するのだが、「自分にスキルなんてない」とか「実績と呼べるものはない」と思い込んでる人たちがあまりにも多い。自分のことをメタ認知できないこともそうだし、自己肯定感が低いことも影響しているのだろう。

 (この点は以前書いたnote『転職や就職に必要な強みは、あなたにも必ずある。』で触れている。)

 しかし、僕のような第三者からすると、これまで担ってきた業務を丁寧に棚卸することで確実にその人の強みは浮き彫りにすることができる。強みがある、とは言い換えるならばスキルがあることだと断言できる。

 自分では決して誇れるようなことではないと考えていたとしても、他人からすると大きな価値があるものである。

 例えば、あなたが経理担当者として行っている日常業務や会計知識は、営業担当からすると意味不明でチンプンカンプンなもので、決して理解できないものである。

 なぜ、営業活動を行う際に使用した会社経費の科目が何になるのか。仮に使用することを制限するように経営者から発信があったとして、それがなぜダメだと言われるのかを営業担当は説明できないが、経理を担当しているあなたなら理解が可能だ。

 逆の立場でも同様のことがいえる。

 潜在顧客相手に微妙な駆け引きから手にした受注について、営業担当者であれば顧客との折衝をこなす中で「いける」タイミングがわかるものだが、経理担当者は会計上の「売上」としか見ることができない。その先にある大きな受注の前にある小さな受注だとしても、そのロードマップを説明できるのは営業担当だからこそだ。

 それぞれ担っている業務の中で、あなたの前に立ちはだかった壁は何か。その壁を越えるためにあなたがとった行動は何か。その結果がどうだったのか。いま、振り返ってみてその行動は何を与えてくれたのかを丁寧に分析してみると、明らかに武器として誇れるものであるはずだ。

 そうやってあなたのスキルは見出せるのである。

▷ 強かな20代労働戦士たち

 話を冒頭のアンケートに戻る。

 おそらく、ここまで読んできた人でアンケートの詳細を見てきた人は多くはないだろう。ここまでの内容を踏まえれば「また若い人が夢見てんな」ぐらいにしか思ってない老害もいるのではないだろうか。

 実はアンケート内には「転職前に、副業で仕事内容や相性を確かめる機会があったら活用したいか?」という質問項目があり、9割が「そうしたい」と答えている箇所がある。

 これが何を意味するのかは言わなくてもわかるだろう。

 若い労働戦士たちは自らの適性を見極めるために副業を利用しようといるのだ。

 20代の彼・彼女らが生きてゆく人生は30代の僕なんかよりも長い。順調に生きながらえることができれば60年以上は生きていくはずだ。定年なんて制度は崩壊するだろうし、年金制度は既に崩壊しているのだから、自分で稼ぎながら生きてゆく他にない。

 そんな就業人生で、転職をしないなんてことはあり得ないだろう。

 おそらく、一人が少なくとも2、3回は転職を繰り返すことになるはずだが、転職活動をできる限り効率的に効果的にしていくために副業を通してインターンシップ的な関わり方をすることを考えているというのだ。

 非常にしたたかであると言えるし、頼もしいとも感じることができるのではないか。

 常々思うのだが、20代の若者たちは基本的に優秀な人が多い。僕は、そんな彼らが偉くなった際に態度を変えないよう、常に敬語を使用している。

 優秀な彼らに取り入れることができれば、僕の人生にもほのかな明かりが灯るかもしれない。些細な期待を胸に、僕は今日も若者を応援することとする。がんばれ、若者!

 ではでは。

 えんどう

▶︎ おまけ

▷ 紹介したいnote

自己肯定感が低い若者が多いのは、間違いなく彼らのせいではない。彼らが社会に絶望してしまうのは、それを形作っている大人たちが冷たいというだけである。同時に、家庭的な空洞が生じていることも国立青少年教育振興機構が2015年8月に出した調査結果で明らかになっている。

若者を否定するのは老害の特権だ。もちろん、嫌な意味で。彼らは自らの生態を脅かすような存在を否定しなければ存続が難しいため出る杭を叩くことに必死なのである。ああはなりたくないものだと思うが、同時に自分がそうならないためにどうしたらいいのかを常に考える必要がある。

フリーミアムモデルに触れて楽しむことが前提となっている点には逞しさすら覚える。僕もソシャゲなどは無課金ユーザーであり、お金を払って楽しみを享受しようとすることはしない。いかに貧困状態でも楽しめるかを突き詰めることが今後の未来を豊かにするのではないかとすら...

▷ 本noteに関連する紹介したい書籍

僕は意識ひくい系を標榜しているが、その理由は「目標を高く持ちたくないから」である。あまりにも高い目標は自分の足元を見えなくする。転んだ際にダメージが大きい。そんなことは可能ならば避けるべきだ。痛いのはゴメンである。

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僕の主な生息SNSはTwitterで、日々、意識ひくい系の投稿を繰り返している。気になる人はぜひ以下から覗いてみて欲しい。何ならフォローしてくれると毎日書いているnoteの更新情報をお届けする。

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