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(朝日新聞記者が射殺される等した一連の)赤報隊事件の真相は藪の中『旧統一教会 大江益夫・元広報部長 懺悔録』(光文社新書)

https://www.dailymotion.com/video/x6dvgwh?start=31

犯行声明文
FLASH 8月20日・27日合併号(光文社)
赤報隊事件」旧統一教会・元広報部長が明かす “散弾銃訓練”と “武闘派” . . . 教団からは「懺悔本」出版中止への圧力も

FLASH編集部(2024.08.06)
旧統一教会は“超教派”だと言う大江氏の自宅には、旧統一教会の祭壇のほかに、仏壇、神棚が並んでいる。「すべての宗教は根っこのところが同じという考え方です。」(大江氏)

寝室の空調の設定温度が高すぎたせいか、早朝に目が覚めました。中途半端な時間に起きたついでに(発売日であることを思い出して)『旧統一教会 大江益夫・元広報部長 懺悔録』(Kindle 版)に目を通してみました。

     目次

     プロローグ
【第1章】出会い
【第2章】生い立ち
【第3章】早大原理研究会
【第4章】川口大三郎君事件
【第5章】霊感商法
【第6章】幻のクーデター計画
【第7章】日韓トンネル事業
【第8章】旧統一教会広報部長の時代
【第9章】自民党との「絶縁」を求める
【第10章】赤報隊事件
【第11章】今後の教団について
     エピローグ

尚、旧統一教会や国際勝共連合は本書の出版を差し止めようとしたようです。

2024.08.09
世界平和統一家庭連合
広報局

8月20日に株式会社光文社より「旧統一教会 大江益夫・元広報部長懺悔録」が発売予定です。その内容は誤りや不正確な記述が余りにも多く、当法人、当法人信者ないし友好団体に対する名誉棄損を構成する記載も複数含まれるものです。そのため、当法人は以下の通知書を7月31日付で株式会社光文社に送付しました。当法人の出版差し止め要求が受け入れられない場合は、法的手続きも検討しています。

2024.08.15

大江益夫氏『懺悔録』に対する国際勝共連合代理人弁護士からの通知書を公開

8月20日に出版予定の樋田毅氏著『旧統一教会 大江益夫・元広報部長懺悔録』(光文社)に関して、8月10日、当連合の声明を公表した(声明文はこちら)。

8月14日に当連合の代理人弁護士を通じて、光文社と樋田氏に「通知書」を郵送した。以下、通知書を公開する(住所や連絡先などは一部割愛)。

親子喧嘩の果てに追放された(教祖と総裁の)息子さん達と一緒に銃砲類を製造する関連企業の大半が旧統一教会を離れた現在(日本国内のモデルガンショップは数は減りながら健在のようです)、圓和道や統一武道を嗜む教会員はいらっしゃるようですが

体を張って民青や革マル派と対峙した古参の(武闘派)教会員は既に勇退されたのか、旧統一教会や国際勝共連合から出版社(光文社)へ通知書が届いただけで、大江益夫氏も著者(樋田毅氏)も平穏に過ごしていらっしゃるようです。(本書の中でもふれられている通り、40年前、手記『これが「統一教会」の秘部だ・世界日報事件で〝追放〟された側の告発』が掲載された文藝春秋(1984年7月号)が書店に並ぶ前に副島嘉和氏(777双、元世界日報編集局長)は襲撃され瀕死の重傷を負われました。)本書に述べられている通り、大江益夫氏は信仰を捨てていらっしゃらないようですので、副島手記と比べ、本書の内容はかなり控え目であるのかもしれません。

https://www.washingtonpost.com/archive/politics/1984/09/16/moons-japanese-profits-bolster-efforts-in-us/6f0bc099-6b26-46ad-9c5b-a1b77510a756/

2018年に出版された樋田毅氏の力作『記者襲撃 赤報隊事件30年目の真実』

ではぼんやりしていた(徹底的に右翼関係者を捜査したにも関わらず、犯人を特定することができなかった)赤報隊事件の真相が明かされるのではないかと期待していましたが

https://www.dailymotion.com/video/x6dvgwh?start=31

朝日新聞(朝刊)1987年5月7日
「赤報隊」の支局襲撃から35年
116号事件が今に問いかけるもの
散弾粒と(散弾粒が入っていた)カップワッズ

本書でも藪の中でした。

以前の記事

でもふれた通り、日本へ進出した直後から旧統一教会および友好団体・関連団体は日本共産党と敵対してきましたが、マスメディアでは(赤旗ではなく)朝日新聞および関連会社を目の敵にしてきました。

それでも、本書では、例えば、公安調査庁と国際勝共連合との関係について述べられており、老いてなお日韓トンネルの実現にご執心で、人間には永遠の生命がある(死後に魂が肉体から離れても霊人体の世界と霊界がある)と考えていらっしゃる大江益夫氏

平和を愛する世界人として

第七章 韓国の未来、世界の未来

(中略)

紛争のない世界を夢見て

私はずっと以前から、宗教が一つになり、人種が一つになり、国家が一つになる世界を主張してきました。数千年の人類歴史は、この世界を分裂させるような出来事の連続でした。宗教が変わり、権力が変わるたびに国境で分けられ、戦争が起きましたが、今は世界が一つになる時代です。これからの世界は国際平和高速道路を通して完全に一体にならなければなりません。

国際平和高速道路は、韓国と日本を海底トンネルで連結し、ロシアと北米大陸を隔てるベーリング海峡に橋を架け、全地球を一つにする大事業です。そうすれば、アフリカの喜望峰からチリのサンティアゴまで、またイギリスのロンドンからアメリカのニューヨークまで自動車で走っていくことができます。全世界のどこでも、行き止まることなく毛細血管のように連結されるのです。

世界が一日生活圏に変われば、誰でも簡単に国境を越えて行き来することができます。誰もが行き来する国境は、これ以上境界としての意味がありません。宗教も同様です。互いに他の宗教との間で往来を頻繁にすれば、お互いに理解する心が生じ、衝突がなくなり、宗教間の壁が崩れます。また、全世界の多様な人類が一日生活圏に入って暮らすようになれば、人種の壁も崩れます。見た目が異なり、言葉が異なる人種の間にも意思の疎通がなされ、それこそ世界の文化が一つにまとまる文化革命が完成するのです。

(後略)

が大病を患われた後に懺悔された内容には耳を傾ける価値がありそうです。ご興味があれば...(印刷版も電子版も990円で販売されています。)

週刊文春 8月29日号

尚、本書にも登場する1967年7月7日の朝日新聞(夕刊)の記事を含め、旧統一教会に関する旧い資料を、念のため、(再度)引用します




朝日ジャーナル(1985年5月17日)

多事争論 戦争を知らない子供たち

最近、えたいの知れない手紙がよく来る。「これ以上おれたちの悪口をいうときさまの子供と女房をブチ殺すぞ。おれは韓国製M16ライフルを持っているし韓国で軍事訓練をうけてきた。おれたちの仲間もみんなきさまを殺したがっている。いいか、これは決しておどしではない。文鮮明様のためだったら命の一つや二つ捨てたっておしくない奴がおれたちの仲間には百人以上いるんだ。一人一殺できさまらジャーナルの記者と、その家族を皆殺しにしてやることだってできるぞ。いっておくが警察はおれたちの味方だ。おれたちの操り人形だ。おれたちには岸元首相がついている。まず筑紫哲也のガキとその女房、それに臼井記者とかいう奴もその家族から殺してやる。それがいやなら次の週の朝日ジャーナルに謝罪記事を出せ。勝共連合 アカサタンを殺すことだけが生きがいの文鮮明様の使徒より

新学期が始まり、大学のキャンパスはこのシーズン毎年そうであるように、ざわめいている。新入生たちは新しい環境の中で自分に何が待っているのだろうかと探しものの目付きだし、こんなものさ、とふだんは悟ったつもりの在学生たちもこの時ばかりはどんな連中が入ってきたかと眺めたり、自分たちの仲間に誘い込もうとする。この季節のキャンパスのざわめきが私は好きだ。

今年もキャンパスの光景は一見、平和である。が、この平和がくせものだ。平和すぎるためにいらだち、それが狂気への衝動を生みかねない。冒頭の脅迫状はむしろ平和ゆえの産物かもしれないのである。

東大、早稲田、慶応など一流といわれる大学でなぜあんなに原理運動が浸透するのか、信じられないという人は多い。

私は信じられる。思い付くだけでも三つの背景があると思う。

一。会員にとってそれはおそらく生まれて初めて示された体系的な思考の世界だろうこと。断片知識を受験教育で強いられ、自らもデジタルふうに生きてきた人間にとって、全体を説明する体系が新鮮に映って不思議はない。世界最古の世界観のひとつ、キリスト教はそういう体系として強力でありそれを文鮮明信仰に〝つぎ木〟しているところが巧妙である。

二。個であることの不安。なかでも家庭のなかでの関係が問題である。この運動では文鮮明夫妻は「真の父母」と呼ばれるが、そこに若者が吸い寄せられるのは、家庭に本来の「真の父母」が不在だという裏返しだろう。入教して初めて他の人間と濃密な人間関係を持ったという人は多いにちがいない。

三。人は何かを信じたい生物であること。それを提供しにくい世の中に私たちは生きている。厄介なのは、自分が信じていることを信じない他人に対する、この社会が持っている非寛容性である。原理運動にもそれは反映している。

「正当な批判はいつでも受ける度量」(統一教会)が試されているのは原理運動だけではない。

筑紫哲也

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