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視点の自由研究No.004「視点_面白いは、誰かのために。」

かつて、広告映像業界に入った新人の頃、CMの巨匠監督に言われた言葉が今も忘れられません。
「広告制作スタッフのお客様はクライアント、でも監督のお客様は視聴者。」
広告業界は、他の業種に比べて成果物がそのまま利益を産まない少々ねじれた構造を持つ業界です。出来上がったCMやグラフィックが、そのままクライアント(スポンサー)の利益にはつながりません。それを見たユーザーがクライアントの商品を購入してようやくクライアントは利益を得ます。
何をいまさら当たり前のことを、と仰るとは思いますが、広告制作スタッフはいつも、このねじれと戦い、時に苦しみ、でも時に楽しんでいると思います。

「面白いは、誰かのために。」

さて、今回は弊社の理念「面白いは、誰かのために。」についてです。
最初に書いた通り、広告は視点を変えれば、その広告を見た人に面白い、その商品いいなと思ってもらうためのものです。制作スタッフは、そのために様々な知恵を絞り、クライアントの意向をうまく変換してよりわかりやすく、より面白く伝えるために日々努力しています。視点を変えれば、お客様はクライアントでもあり、さらにそれを見てもらうユーザーのみなさんもお客様と言えます。「面白い」はまずクライアントがその広告を面白いと思って頂き、さらにその先のユーザーまでも面白いが波及させられたらという道標でもあります。
そうした想いを、「面白いは、誰かのために。」という言葉に込めました。
と言うにはまだ早い!

「誰かとは?」

実は、この言葉には、もう少し視点を深堀りした意味が込められています。前回のコラムにも書かせて頂いた通り、私たちはこれまで関わりのなかったクリエイター、スタッフとつながりコンテンツを制作しています。そうするとスタッフ同士も初顔合わせが必然的に多くなります。当然スタッフは私たちと出会うことで、新しい仕事に出会うことにもなります。そうした中で私たちの仕事を少しでもいいな、面白いなと感じてもらえることが、とても重要です。そうしないと今後の仕事を継続してやって頂けなくなることもあります。だからこそ、スタッフにも仕事を楽しんでもらえることが重要だと思っているのです。
広告業界で特にプロデューサーをされている方は皆さん、このことをとても重要視されていると思います。自分たちの仕事に関わって少しでも面白いと感じてもらえたら、きっとプロデューサー冥利だと思います。

「自戒も込めて」

広告制作は決められた価格予算があまりありません。クライアントから様々な予算帯で仕事が発生します。それらの案件にあわせて最適なクリエイター、スタッフを組み合わせるために、時にスタッフの方には通常より安い金額でお仕事をお願いしないとならないこともあります。(クリエイター、スタッフのみなさま、いつも本当にありがとうございます!)その中で、特に気をつけなければならないという言う意味で自戒を込めてこの言葉「面白いは、誰かのために。」を理念に入れています。
結果論ではありますが、そうしてスタッフが楽しんでくれた仕事は、やはり素晴らしいクオリティになることが多いです。そうした仕事はクライアントにも面白いと感じて頂けることも多いと感じています。
そのために、まずは一番気をつけているのは、まず自分がその仕事を面白がること。自分が面白いと思うことは、まわりの皆さんにも確実に伝わります。突き詰めると、それはもう新しい遊びを発見する気持ちです。

こうした仕事の面白がり方、視点の変え方を今後、このコラムでは書いていこうと思います。みなさんの仕事の進め方や、悩みの解決のほんの少しの手助けになれれば幸いです。
次回は、その中から皆さんも使えそうな企画の考え方を書いてみようと思います。ビジネス本やセミナーなどに書かれているようなことではなく、私が気をつけていること、心得に近いものです。

映像でお困りの方、静岡で撮影されたい方、ぜひ一度お声掛けください。