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視点の自由研究No.024「視点_大規模予算CMとの戦い方」

今回は、予算とクオリティの関係、そしてその中での戦い方を模索してみたいと思います。皆さんがよく目にする大企業の広告映像、それらのほとんどは1000万円以上の予算で作られている映像です。しかし現在WEB広告の繁栄もあり映像媒体やコンテンツの種類も目覚ましく増えたと言えます。そうするとかつてはCMに一点集中で投下されていた予算が分割され、一本単価の映像制作費は必然下がったのが現状と言えると思います。

「広告映像の作り方」

まずは広告映像の作り方を見てみましょう。図のように実は映像制作にはかなり多くの手間隙がかかります。

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私個人としてですが、この制作手順は映像の基礎であり、奥義でもあると思っています。つまりどの手順だけを残して他を省力するかが作り手の腕になるということです。
予算が充分にある大手クライアントの仕事の場合、逆に全ての手順に時間とコスト、そして労力をかけて制作することができます。当然事前の準備にも充分な検証ができ、必然的に最後のクオリティまで保証されるという具合です。しかし予算がない、スケジュールがない場合、これらの事前準備を満足ゆくまで検証することができません。ですので、それら作る手順と、工程でどこが省略できるかが鍵になります。これら省略する手順をどこにするかは、まさにこれまでの経験値によるところが大きく出てくるところで、上手くなればなるほど予算と時間のコントロールができるようになります。

「映像を作る前に逆算」

実はこの制作手順、逆転の発想として使うことができます。つまり最初の企画を考える段階で想定予算を見ながらアイデアを考えることができるのです。
これはある意味ではクリエイティビティに水を刺すことにもなるのですが、そもそも実現不可能なアイデアを考える時間や労力を省く意味でも重要だと思っています。
大手クライアントのように最初から大規模キャンペーンを想定している場合はアイデアも、よりクリエイティヴにしておく必要がありますが、限られた予算でしかも時間制限つきの場合は、特にこの逆算の発想は意識しておく必要があります。

「映像制作を依頼するときには」

そんな経験からもし映像制作を考えている場合、まずは何が伝えたいのか?何が絶対に撮っておきたいのか?をしっかりと考えておかれると良いと思います。
プロデューサーがそうした情報を聞いていれば、おのずと最適なスタッフや制作手順を見つけ出してくれます。私たちのような者からすれば、まさにそこが腕の見せ所というもので、作る映像のどこにお金をかけるべきかの創造性が発揮できるのです。

「大規模予算映像との戦い方」

ローカルように潤沢な予算が見込めない場合、どの制作会社に依頼するのか?誰がプロデュースするのか?どんな企画で作るのか?どんな制作手順で行うのか?で大きくコストが変わります。
逆に私たちで言えば、大規模予算映像を作った経験から、大手プロダクションができないようなことや、予算投下の割合などを見定めてクオリティコントロールが可能になります。
広告はその性質上、大規模予算映像との戦いが常です。限られた予算を上手く使うこと、映像制作自体の作り方をクリエイティヴにすることが絶対に必要です。
広告全てがほぼそうした性質を持っていると思います。クライアントの皆様には上手いなと思う予算の使い方をして頂きたいと考えております。何かのヒントになれれば幸いです。



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