伊藤義益

映画や漫画が好きです。 ロクでもない人生を歩んでいますが、物語があったからギリギリやってこれたと感じます。 素晴らしい物語や、それを見て感じたことなどを皆様にお届けできたらと思います。 読んでいただければ幸いです。

伊藤義益

映画や漫画が好きです。 ロクでもない人生を歩んでいますが、物語があったからギリギリやってこれたと感じます。 素晴らしい物語や、それを見て感じたことなどを皆様にお届けできたらと思います。 読んでいただければ幸いです。

最近の記事

痣者考 〜『鬼滅の刃』の痣者についての雑記〜【ネタバレ有り】

”痣者”とは?最近大ヒットした『鬼滅の刃』には、“痣者”と呼ばれる者たちが登場する。体のどこかに痣が浮き出て、その者は身体能力が飛躍的に向上する、という設定だ。基本的に始めから痣が出ている者は少なく、ある時誰かの体に痣が出て、そこから共鳴するように他の者へと伝播していく、ということらしい。 また、心拍数200以上、体温39.0℃以上という状態を両立して初めて発現できるようだ。人間の限界体温は42.0℃(ここまでになると、熱凝固するたんぱく質があり、生命活動に支障が出る。また、

    • 【映画紹介】 『悪魔のいけにえ』 がいかに優れた映画かを語りたい【ネタバレあり】

      『悪魔のいけにえ』という映画は、映画史に残る大傑作だと思う。監督であるトビー・フーパーの処女作であり出世作でもあるこの作品は、低予算のホラー映画でありながら、ニューヨーク近代美術館に永久保存されていたりする。見る度に凄まじい映画だなぁ、と思うわけなのだが、今回は『悪魔のいけにえ』という映画の何がそんなに優れているのか、ということを書いていきたいと思う。   『悪魔のいけにえ』とは?物語自体は非常にシンプルなものだ。サリー、ジュリー、フランクリン、カーク、パムの男女5人が、夏

      • 【バキ考察】本部以蔵活躍の必然性について

        はじめに刃牙シリーズ第4部『刃牙道』において、本部以蔵がクローン武蔵を打ち破ったとき古参のファンなら誰しもが驚愕し、思ったであろう…「あの本部が!?」と。あるいは「本部以蔵とはこのような水準だったのか!?」と、いぶかしんだ人もいるかもしれない。何しろあの魔拳・烈海王が敗れ、そして死んでいるのだ。間違っても「本部が強くて何が悪い?」とは思わなかったはずだ。それだけあの勝利はインパクトがあった。従来の刃牙シリーズにおいて、本部以蔵とは“弱キャラ”の部類に入る存在であり、最大トーナ

        • 良いキャラクターは一度死ぬ【ネタバレあり】

          はじめにシナリオ教本の老舗『映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと』(シド・フィールド著)の中に、“英雄は一度死んで蘇る”という旨の記述がある。これは非常に的確なことを指摘していると思う。例えば映画でも漫画でも、およそ創作物と言われるものの中に登場する“主人公”という存在は、必ず困難に直面する。その物語を描いている人間がそう仕向けるからで、何の障害にもぶち当たらず、流れのままに話が進んでいくのでは見ている方がつまらないだろうと思うからだ。従って物語の主人公には無理難題

          【映画紹介】人生は無意味。だからこそ…『イレブン・ミニッツ』【ネタバレあり】

          はじめに私事かつ余談になるが、筆者は映画監督になりたいと思っていた時期があった。どうやってなるのか分からなかったので、とりあえず大学を中退し、映像の専門学校に入学し、そこを卒業した。その頃には映画監督って簡単にはなれないようだ、と気付いていたが、そこからズルズルとTV関係の仕事をして挫折し、約1年のニート期間を経てバイトをはじめ、就職活動を経て会社員となった。会社員となった今、別に生活に特段大きな不満があるわけじゃないが、お世辞にも子供の頃に思い描いていた自分の将来の姿とは程

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          【男の友情】 おすすめのバディ・ムーヴィー4選 【ネタバレあり】

          はじめに友情というのはひどく曖昧な感情な気がする。目に見えるわけではないし、言葉にすると薄っぺらい気がする。親子愛や兄弟の絆などであれば、血がつながっているわけだし、国の制度として書面上は同じ苗字を用いており、同じ屋根の下に暮らしているわけなので、何らかの特別な感情や固有の念が湧くのも理解できる。恋愛という感情も、種の保存のために本能的に抱くようにインプットされた機能ということで納得できる(人間のご先祖となる微生物たちは個体の情報を保存するため、ウイルスや細菌などの外敵に対し

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          なぜマホメド・アライ・Jr.は、刃牙に瞬殺さたのか? ~刃牙シリーズ第2部『バキ』を貫くテーマについて~

          「殺ラレズニ殺ル」 そう言ってマホメド・アライJr.は刃牙に瞬殺された。彼は刃牙シリーズの第2部『バキ』の大擂台賽編から登場し、作中の強豪である愚地独歩、渋川剛気をあっさりKOして天才をアピールし、その後敗北の苦い味を知ってさらに勝負強くなり、刃牙と対峙した。その際の下馬評は、作中の強豪たちをしてアライ優勢に傾いていた。しかしいざ対決してみると、地下闘技場チャンピオン・刃牙にあっけなく負けてしまう。 その後シリーズは第3部・第4部・第5部と続いていくが、アライ自身は第3部に

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          【映画紹介】「お前の幸せはお前が決めろ〜『素晴らしき放浪者』/『牝犬』〜【ネタバレあり】

          はじめに幸せってなんだ?と問われたら、なんと答えるだろうか?お金がたくさんあること、有名になること、夢を叶えること、好きな人と一緒にいること、美味しいものを食べること、ゲームをすること、趣味に没頭すること、色々とあるだろうが、結局答えは出ないと思われる。なぜなら、幸せなんて人に決められることではなく、自分がどう感じるかでしかないからだ。友達いないけど毎日楽しいよ、という人もいれば、金は腐るほどあるのになんか毎日つまらない、と思う人だっているかもしれない。 現代の厄介なところ

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          【映画紹介】『千と千尋の神隠し』はなぜアカデミー賞を獲れたのか考えてみる【ネタバレあり】

          はじめにジブリ作品が嫌いな人はあんまりいないように思える。映画とか物語に全く興味のない人は置いておいて、日常的に映像作品を観る人からジブリの悪口を聞くことはあまりない。それはジブリ作品の(特に宮崎駿監督作品の)完成度が非常に高いからであり、大人から子どもまで楽しめる、を地でいっているからだ。かくいう筆者も幼い頃からジブリ作品を観ていて、トトロあたりから始まり、ナウシカ、ラピュタ、もののけ姫、と成長と共にジブリ作品を楽しませていただいていた(ちなみに個人的なベスト・ジブリは『も

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          『ロッキー』 と 『レスラー』の表裏一体の構成について【ネタバレあり】

          はじめにスポーツをするのは嫌いだが、スポーツ映画を観るのは好きだ、という人は多いと思う。何を隠そう筆者がそうだ。筆者はサッカーのリフティング回数最高3回、バスケのパスをキャッチミスして顔面を強打し、野球では打球を長嶋茂雄よろしく股抜けさせる。要は運動神経が壊滅的にないのだ。そんな筆者にあって、スポーツでカタルシスを得られるのは映画の中だけだ。運動(特に球技)が全く駄目な分、せめて映画で熱い思いを味わってしまおうという魂胆だ。 また、筆者は根性論が好きである。誤解されないよう

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          烈海王はなぜ死んだのか?

          刃牙シリーズ第4部『刃牙道』において、“魔拳”こと烈海王が死んだ。現代に蘇ったクローン武蔵に一対一の勝負を挑み、そして斬り捨てられたのだ。読んだときは虚無感が襲ったものだが、今回はバキシリーズを支えてきた人気キャラ・烈海王がなぜ死ななければならなかったのか、を考察していきたいと思う。 烈海王とは?烈海王の初出は『グラップラー刃牙』の第21巻で、渋川剛気やジャック・ハンマーなどと同じく最大トーナメント編からの参戦となる。この頃は初めて来日した緊張からか、それとも中国武術を一身

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          『ブレードランナー』は原作を読んでから観たほうが絶対にいい理由【ネタバレあり】

          はじめに『ブレードランナー』という映画は、世間一般的には非常に評価が高い。サイバーパンクといった後発のSF作品に多大な影響を与え、観客の思い描く“未来”というものを刷新したことは間違いないだろうと思う。空飛ぶ車やデッカード・ブラスターのような近未来的な意匠、常に降り続く酸性雨や歌舞伎町をモチーフとした街並みの世界観、唐突に表示される「強力 わかもと」や「二つで十分ですよ!」などの迷言など、後々まで残る要素は確かに見受けられる。 しかし、上記の要素はあくまでも映像美や世界観に

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          ちいかわはコミックスで読むべき理由【ネタバレ有】

          最近、ちいかわにハマっている。ちいかわとはイラストレーターのナガノ氏がtwitterにて不定期連載している漫画で、”なんか小さくてかわいいやつ”の略だ。 自分はもういい年をしたおっさんなのだが、こんなに可愛い絵面の絵本のような漫画にハマるとは思っていなかった。初めはLINEのスタンプで知り、なんか使いやすいなと思って使っていただけだったが、後に連載漫画があることを知り、ネット上で読んだのだった。 …が、読むにつれて自分の中で何か違和感が生じ、ネットリサーチすると違和感は自

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