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怒りをこえた共感と許し

久しぶりの図書館。

水彩画のような表紙に
かわいいネズミ。

思わず手に取り
絵本を開く。


「イチゴはだれにもあげないよ」
アイノ-マイヤ・メッツォラ=作
水野裕紀子=訳
化学同人



イチゴは誰にもあげないよ。
独占欲の強い言葉のように
聞こえるけど実は違う。



イチゴは誰にもあげないよ。
ネズミのイルマはひとりぼっち。
お庭のお世話が
唯一の楽しみだった。



イチゴは誰にもあげないよ。
大切に大切に育てたイチゴは
イルマにとって
家族のような愛着を
持っていたかもしれない。



イチゴは誰にもあげないよ。
もしそんな大切なイチゴが
知らないうちにかじられたら…。
家族を傷つけられたような
悲しくて辛い気持ちになるよね。



イチゴは誰にもあげないよ。
イチゴは誰にもあげないよ。

これは独占欲なんかじゃない。
愛情だと私は思った。



最終的にイルマは
イチゴをかじった
カタツムリたちを許す。

家も食べ物もない
カタツムリたちに
心から共感し寄り添ったのだ。



あなたがイルマなら
カタツムリたちを許せますか。



カタツムリたちは
コミュニケーションが
本当に不器用だと思った。

最初からイルマに
イチゴを食べてもいいか
相談して感謝していたら…
イルマは怒らずに
すんだのではないかと思う。



それでも
そんな不器用さも丸ごと
イルマは許したのだ。



イルマの心の大きさは
どこから来たものなんだろう。

なぜイルマは
カタツムリを許せるのだろう。



愛情深いイルマを
もっともっと知りたくなった。

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