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【育児あるある】「カチンときてドッカーン!」ってありますよね

親に余裕がない、、、子どもも暴れる、、、
一触即発・有事の一歩手前。
そんなときに親がとるべき、「まず自分の感情をコントロールする」危機回避行動とは?
本記事では、伊藤 徳馬さんの著書『子どもも自分もラクになる どならない「叱り方」』の「はじめに」をご紹介します。

「カチンときてドッカーン!」ってありますよね

親の気持ちの余裕がないときに子どもに問題行動を連続で起こされたりすると、「何やってるの! もういいかげんにして! 『余計なことしないで!』って言ってるでしょ! 何回言ったらわかるの!」と怒りを爆発させてしまい、子どもは泣きわめき、でも親も自分をなかなか止められない……なんてことありますよね。

そして、子どもが寝たあとで反省&自己嫌悪のお釣りが返ってきたり……。時には、「この子は幸せなんだろうか……」と、とことんネガティブになることもあったりして……。

このしんどさを減らすにはどうすればいいかというと、残念ながら特効薬は提案できないのですが、いくらかは状況を改善する方法ならあります。

それが、この本でみなさんにしていただく練習です。高度な話は出てきませんので、気楽に読み進めてください。

本書のお題

というわけで、はじめますよー。

この本は、筆者と仲間たちが行っている子育て練習講座「ちはっさく」を紙面でそのまま再現するものです。

ちはっさくとは、「代わりの行動を教える」「気持ちに理解を示す」「待つ」「聞く・考えさせる」といった、基本的な子どもへの対応方法を楽しく練習して身につける子育て講座です。十数か所の自治体や民間団体で実施しています。

この講座では、理論的な堅い話はすっとばして、日常生活で起こりがちな場面設定に対して、受講者さんが自分らしく基本的な対応方法を使えるようにたくさんの練習をしていきます。

受講者さんたちのアンケート結果を見ると、全体的には叱る頻度・どなる頻度・子どもにイライラする頻度は低下して、ほめる頻度は上昇しており、まずまずな成果になっています(満足度はなんと98%!)。

本書のテーマは、「子どもの問題行動にカチンときてドッカーンとなりそうな状況からの逆転!」です。

数ある子どもへの基本的な対応方法のうち、「教える」「ほめる」「考えさせる」「激怒しかけたところで、どうにか親側の対応を切り替える」といったことを楽しく練習して身につけてしまおうという欲張りパッケージでいきます。

・普段からどのように肯定的なしつけをしていくのか
・思わず子どもに否定的な対応をしてしまったときに、どのように対応を切り替えていくといいのか
・親御さん自身がラクになるために現実的な選択肢はどのような対応なのか

をまるごと練習する本です。

なかでも、子育て中で「子どもの対応に疲れるときがあるんだけど、何かよい具体的な対応方法はないかなぁ」と思われている親御さん、特にママにぜひ実践してほしいと思っています。

というのも、講座の受講者さんもママが圧倒的に多いんです(なので、文中でもママ視点で練習を進めますが、もちろん「子育てはママの仕事だ」なんて思っているわけではありません)。

この本を読むとどうなる?

この本を読んだ親御さんたちは次の流れで子どもへの対応が少しうまくなり、「今の対応はちょっとよかったかも」と思える頻度が少し高くなります。

❶ 本を読みながら練習をがんばる
❷ いくらかは身につく(体で覚える)
❸ 本番(日常生活)で何となく使ってみる
❹ 何回かに1回はうまくいく
❺ 「あー、そういうことか」と実体験する
❻ また使ってみる(講座の受講者さんたちが進む流れもこのような感じです)

それと、この本で練習する「ちはっさく」の対象年齢は、だいたい3歳以上です。練習するのは、言葉によるコミュニケーションスキルなので、3歳を過ぎてある程度、言葉でのやり取りができるようになってくるころからがスタート。4歳~小学校低学年くらいが「練習、実践、効果の実体験」をしやすい時期になります。

小学校高学年以降は、思春期に入るのでやりにくくはなりますが、基本が大事であることに変わりはありません。それと、個人差はとても大きいので、よその家と比べる必要はないです。

ここで自己紹介

筆者は普段は市役所で働いています。新卒時から公務員というわけでもなくて、証券会社→システム会社→市役所という転職組です。もとは福祉系でも子育て系でもない人間です。

入庁して2つ目の部署がたまたま子育て相談の担当で、ちょうど市町村が児童虐待への取り組みをはじめたばかりの激動期にあたり、いろんな専門家に助言をいただきながら虐待対応や虐待予防の取り組みを進めました。

で、11年間庁内・庁外でいろいろな取り組みをしていたら、「ちはっさく」や市町村の児童虐待対応関連の講師をするようになって、異動で子育て相談の部署を離れた今でもプライベートで講師活動を続けることになりました。

とりあえず知っておいてほしいこと

基本的な子どもへの対応方法を練習するだけでも、けっこう効果があります。
理由は簡単。多くの親御さんは子どもへの対応方法について実践的な練習の機会がないまま本番を迎えているわけですから、そりゃあ練習すればうまくいく可能性は上がります。

知識ベースでは、「ほめましょう」「穏やかに話しましょう」なんて話は耳にタコだけど、実際に行動レベルで習得していることはあるような、ないような……。

という状態であれば、親御さんたちが子どもの問題行動への対応に苦労するのは無理もないことですよね。

そんなわけで、筆者は敷居の低い「練習をする場」が増やせるといいなあと思い、仲間たちと講座活動や仲間づくりを進めている一環でこの本を書いています。

やることは簡単!

この本でみなさんにしていただくのは、基本的な子どもへの対応方法の練習、基礎練(きそれん)です。子育て講座や育児本でさんざん大事だといわれてきた基本的な対応方法をただただ楽しく、適当にロールプレイをするだけです。

スポーツの練習と同じようなものです。真新しい奇跡の方法の紹介なんかもありません。基本的なことを練習して実践する可能性を高めることに意味がある、というシンプルな話です。

講座と違って、本だと一人で練習を続ける意志が必要になりますが、この本をすでに読みはじめているみなさんなら大丈夫ですよ。じゃんじゃん練習しましょう。

頭で考えなくても自然と使えるようになるまで練習して、体で覚えてくださいね。

じゃあ、本編に進みましょう。

続きはこちら!

目次

【5つの基本カード】
 ■「代わりの行動を教える」
 ■「一緒にやってみる」
 ■「気持ちに理解を示す」
 ■「環境をつくる」
 ■「ほめる」
【3つの逆転カード】
 ■「待つ」
 ■落ち着く
 ■聞く・考えさせる
【総合練習】
【自分の家の出来事に当てはめよう】
 ■「青サイクル」と「赤サイクル」
 ■自分の家での出来事にどうやって青カードを使っていくか
 ■家族で練習しよう!

著者について

伊藤徳馬(いとうとくま)
民間企業を経て、2004年に茅ヶ崎市役所に入庁。2007年から子育て相談・児童虐待担当になり、2010年に子どもへの対応方法を練習する講座を事業化。その頃から「市町村の児童虐待対応」や「簡易なペアレンティングの講座展開」あたりのお題で講座・研修講師をするようになる。
現在は、福祉の総合相談や計画を担当する部署に所属。プライベートの活動で、子育てを練習する講座「ちはっさく」を一般向けに実施したり、講座を実施する仲間を増やしたりしている。

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