編集者が教える、本の最後のページ「奥付」の楽しい読み方
こんにちは。編集部の橋本です。
2年ほど前、池袋の書店さんに関するnoteを書いたところたくさんの方に読んでいただけました。わたしにとって書店めぐりは仕事の一環であり、長年の趣味でもあります。
買いたい本がとくに決まっていないときは、書店の棚をぶらぶらと見て気になる本を手に取り、中身をパラパラと確かめます。
こういうとき、みなさんはどのページを見ていますか?
はじめに、目次、全体をざっと、おわりに......などなど、人によってチェックする箇所はなんとなく決まっていると思います。
その中でも「出版社に勤める人あるある」なのは、本の一番最後にある「奥付」を見てしまうこと。
奥付とは、本の最後にその本の書誌情報を記載しているページのことです。
いまこの記事を読んでいるみなさんも、もしお近くに本があれば最後のページをひらいてみてください。
どの程度の情報が載っているかは出版社によってまちまちですが、
だいたいこのあたりの情報はそろっているはずです。
※ちなみに弊社の場合は、上記に加えて全従業員の名前が載っています。映画のエンドロールみたいでかっこよくて、個人的な自慢ポイントです。
今回は本をいろんな角度から味わいたい方のために、わたしなりの「奥付の楽しみ方」を2つご紹介します!
奥付の楽しみ方①
ロングセラーを見つける
棚の前にたくさん平積みされている本たち。発売されたばかりの新刊やここ1、2年で出たヒット商品だけでなく、何年も売れつづけているロングセラー本が、もちろん存在します。
テレビやSNSでの紹介など何かのきっかけで、発売後数年を経て、突如「話題書」に躍り出てくる本もありますね。
わたしは奥付の「初版発行日」「いま何刷り目の本か」をチェックして、「5年前に発売されてまだこれだけ平積みされてるなんてずっと売れてるんだな」「20刷!?コツコツ長く売れてる本なんだな」と、その本の歴史やヒット具合に思いを馳せるのが好きです。
何十年も定番になっている絵本の刷り数を見るとびっくりしますよ!
こうやって消費者からも歴史がわかりやすく見える商品って、ほかにありますかね……?本1冊単位でクレジット含めて制作に関する情報がしっかり載っているのは、結構すごいことなんじゃないかとこのnoteを書きながら思いました!
奥付の楽しみ方②
自分がついジャケ買いしちゃうデザイナーさんがわかる
この本のデザイン好きだな、惹かれるなーと思って買ったいくつかの本が、どれも同じ方がデザインしたものだとあとから気づいて、びっくりしたということがありました。
みなさんもジャケ買いした本の奥付をぜひ、見てみてください。もしかしたら同じデザイナーさんの本をいくつも買っていた、なんてことがあるかもしれませんよ......!
ちなみに、
わたしが先日編集した『心の容量が増えるメンタルの取扱説明書』はデザイナーの吉田考宏さんに装丁、本文ともにご依頼をしたのですが
ライツ社さんの『認知症世界の歩き方』の装丁を見て、タイトルの配置、イラストの使い方などとても魅力的でどなたがデザインされたのだろうと興味を持ったことがきっかけでご依頼をしました。(本の内容もすごくよかったです!)
営業部のころからカバー替えの社内プロジェクトに関わるなどしていてブックデザインへの関心は高かったのですが、編集部に異動したことで直接デザイナーさんとお仕事をするようになり、より一層ブックデザインへの思いが高まっているわたしです。
みなさんもぜひ「デザイン」という観点からも、本を楽しんでみてください!
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このnoteを読んで、本の奥付をすぐに確認したくなった、さっそく確認してみたという方がいてくださったらうれしいです。
いつもとはちょっと違う本の楽しみ方、よかったら試してみてくださいね。
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