W. Hirasawa

3Dプリンターや自作スピーカーのことを考えながら、SEVENTEENやJO1を聞いたり…

W. Hirasawa

3Dプリンターや自作スピーカーのことを考えながら、SEVENTEENやJO1を聞いたり、人文科学系の本を読んだりしています。うつサバイバー、日系企業の管理職、二児の父、博士(薬学)。

最近の記事

正十二面体スピーカーを3Dプリンターで作る(7)

正十二面体を構成する12枚の正五角形プレートの試作と修正を何度かおこない、以下のような形でいったん最終版にしました。 我が家では雰囲気温度の管理が難しくヒートベッド直上で激しく反ってしまうため、PLAですらまともな精度が出ません。残念です。秋冬シーズンはおとなしく外注しましょう。まずは、正五角形プレート裏側の充填部の具合を確認するために複数枚を自宅で印刷しました。 プレート1枚は64gです。正五角形プレート裏側をポリプロピレンビーズ21gとエポキシ樹脂28gで充填しました

    • 2000年代バイオバブルの源流にあったものとは

      私は2002年に四年制大学を卒業しました。専攻は理学部生物科です。世は空前のバイオバブルを迎えていました。ヒトゲノム計画によるDNA配列のドラフト論文がnatureおよびScience両紙で公表されたのが2001年2月で、多くの学生が世界の潮流を信じてバイオ系の大学院に進学します。私も例に漏れず進学しました。 数年後、バイオ系のポストを巡る熾烈な競争に巻き込まれます。優秀な方でも学位を取ってもポストがない。ポスドクのポストすら少ない。修卒で就職する場合でもバイオの専門性を活

      • 【読書】2024年2月に読んだ本

        NASを置いてネットワーク経由で音楽を聞くようになったため、約600枚あったCDをすべて売りました。ああすっきり。25年前に購入したものもありましたが、購入総額の約3%で引き取ってもらえてよかったです。これでJLCPCBの外注費用をまかなえそう。 今月は以下の本を読んでいました。 文學界(2024年2月号) 「酒井泰斗+吉川浩満 読むためのトゥルーイズム ――非哲学者による非哲学者のための〈哲学入門〉読書会」を読みたくて購入。p206~209のあたりのやりとりは(非)哲学

        • 正十二面体スピーカーを3Dプリンターで作る (6)

          一辺約80mmのウェーブガイド付き正十二面体用プレートを試作しました。さっそく2インチフルレンジドライバTectonic TEBM35C10-4 BMRを取り付け、振幅f特と軸外特性(水平方向)を確認してみます。 箱は約22L密閉箱。対照は直接取り付けたもの(surface mount)です。マイクはドライバ軸上1m、床上約90cm。出力は1Wもなく、ホワイトノイズ2.0V相当の音量で評価しています。700Hz程度まで観察したかったためゲートを長めにとっており、床からの反射

        正十二面体スピーカーを3Dプリンターで作る(7)

        マガジン

        • 正十二面体スピーカー製作記
          10本
        • 5次楕円関数フイルタ2wayバスレフ製作記
          3本
        • 月次読書感想文
          12本

        記事

          正十二面体スピーカーを3Dプリンターで作る (5)

          YouTubeやRedditで情報収集していると、3Dプリンターでスピーカー筐体を作るのはもはや何も珍しくないことが分かります。PLAで18mm厚の箱を試作したとき、インフィル99%であっても筐体が盛大に響き、防音制震に工夫が必要だと気づきました。箱鳴り対策をみなさんどうされているのでしょうか。 そんななか以下の動画から示唆をいただきました。 小型ミッドバス2発の3way TQWTという凶行に及んでいます。 箱鳴り対策はどうしているかというと; まあそうするしかないよね

          正十二面体スピーカーを3Dプリンターで作る (5)

          【読書】2023年11-12月に読んだ本

          子らの成長に伴い、なんとなく本棚部屋として曖昧に運用していた部屋などを整理し、子供部屋を2部屋作りました。本棚スペースは削減。いよいよ電子書籍を考えねばなりません。新書や文庫は電子書籍のほうがいいかもしれませんね。結構な頻度でポイントセールやってますし。 昨年末に読んでいた3冊を紹介します。 松沢裕作『生きづらい明治社会 ─不安と競争の時代─』(岩波ジュニア新書) p69-71には、今日の日本における苦労の源流のひとつが示されています。金を持たない信用度の低い明治政府は高

          【読書】2023年11-12月に読んだ本

          【読書】2024年1月に読んだ本

          仕事で大変な思いをしてしまい、うつが再発してしまいました。あらためて心療内科に相談に行きます。リハビリも兼ねて今月読んでいた本を紹介します。 ヒューバート・ドレイファス、チャールズ・テイラー『実在論を立て直す』(村田 純一監訳、染谷 昌義、植村 玄輝、宮原 克典訳、法政大学出版局) 社会人は「戦略」という単語を「この武器はいま手元にないけど入手できたらこんな成果があるよ」という物語に参加してほしいときに使用します。この意味で本書はすぐれて戦略的な本です。また、その武器(戦

          【読書】2024年1月に読んだ本

          ネットワークオーディオに移行しました

          2023年のブラックフライデーの機会に思い切ってiFiのZEN One Signatureを導入しました。 リッピングしたCDをスマホのアプリ経由で鳴らすにはDAPなるものがあれば十分らしいと知って、いてもたってもいられずほぼ衝動買い的に導入しました。 とても満足しています。一聴してすぐに高音の精緻な鳴り方に気づかされました。ハイハットやカウベルの出音の飛び出し方が素晴らしい。CDからCDプレイヤー経由で聞いていたものと段違いに鋭利に飛び出してきて、これまで聞けていなかっ

          ネットワークオーディオに移行しました

          バルセロナでの見聞

          10月下旬、仕事でバルセロナに一週間ほど滞在しました。地中海気候と聞いていましたが意外と湿度が高かったですね。仕事以外のことについて記します。 バルセロナといえば、ガウディではありません。テテ・モントリューです。 音圧が高く、快活で、華々しく、そして延々と続く演奏が大変に素晴らしいジャズピアニストです。私のベストはアンソニー・ブラクストンとの破茶滅茶な共演作『In the Tradition, Vol. 1』です。 せっかくバルセロナに来たのだから、テテの足跡を追いたい

          バルセロナでの見聞

          【読書】2023年9月に読んだ本

          DALL・E3が公開されましたね。私はさっそく試してみましたが、上図のとおりよく分からない感じになってしまいました。指示の出し方がよろしくないのでしょう。 なお、指示は「2000年代の日本、新宿。葬送のフリーレンの絵柄。極左思想にかぶれた大学生4,5名が政策立案の洋書を輪読しながら議論している。」です。どこにフリーレン要素が。 10月に仕事で欧州訪問するため読書の時間を英語勉強にあてており、(元々読めていませんが)9月はひときわ何も読めていません。 ユージン・バーダック

          【読書】2023年9月に読んだ本

          【VIVANT】なぜ人は伏線をありがたがるのか

          Yahooニュースの記事タイトルに「「VIVANT」、見事に伏線を回収した最終回に「続編も期待」」とつけられているのを見て、素朴な疑問を抱いてしまいました。 そもそもどうして、伏線は回収されなければならないのでしょうか。 もう一つ申し上げると、その伏線が「見事に」回収されたかどうか私たち視聴者はどのようにして判定できるのでしょうか。 見事に、というからには、伏線回収には、稚拙なものからエレガントなものまで幅広く想定されているのでしょう。 ということは、私たちにはどういう

          【VIVANT】なぜ人は伏線をありがたがるのか

          【読書】2023年8月に読んだ本

          長く私の音楽趣味を支えてきた真空管CDプレーヤーAH! Njoe Tjoeb 4000を手放すことにしました。2006年に新品10万円で購入し早17年。今年CDも手放しますし、本機とも残念ですがここでお別れです。 解像度高い野太い中低音に特長がある本機ですが、OPアンプをOPA627BPに交換し真空管をGolden Lion E88CCに交換して、より暗騒音が減った感じがあり、静謐さをも演出するようになりました。音質には何の不満もありません。 市内のリユース業者に売ったと

          【読書】2023年8月に読んだ本

          ネットワークオーディオに移行中

          持っている音楽ソフトを2023年中に処分する計画です。すでにアナログレコード約50枚を処分しました。あとは約600枚あるCDの処分が残っています。 SYNOLOGYのNASキット DS220jにSEAGATE(IronWolf)の6TBを入れて、夏休みの隙間時間を利用してCDを一枚ずつリッピングしてデータを収容しています。まだ1/5しか終わっていません。本当に2023年末までかかるような気がします。 ごく普通のWiFi環境ですが約400MB/sで転送できています。SYNO

          ネットワークオーディオに移行中

          【読書】2023年7月に読んだ本

          昭和42年発行の『種の起源(上巻)』第六刷が手元にあります。たしか17,8年前に阪急梅田のかっぱ横丁で買ったような。さして値打ちがあるものではないはずですが、買った理由を思い出せません。でも、今月読んだ以下の本に絡めてあらためて読み直してみて、17,8年前の自分の判断に、なにやら運命的なものを感じてしまいました。 7月は以下の2冊を読んでいます。 ・コスタス・カンプラーキス、トビアス・ウレル『生物学者のための科学哲学』 (鈴木大地・森元良太・三中信宏・大久保祐作・吉田善哉

          【読書】2023年7月に読んだ本

          【読書】2023年6月に読んだ本

          「孫正義がLBGTQの大軍を背にフェムテック業界に打って出る」とDALL E・2に出力させたら上図を得ました。文字列の配置はビジネス挿絵に近いですね。それっぽい感じを統計と配置で生み出せるプログラムの威力と、人間の認知機能の奔放さとの、友好な二人三脚っぷりに、思いを馳せております。 今月は以下の本を読みました。 津野香奈美『パワハラ上司を科学する』(筑摩書房) 話題の近刊ということで購入。管理職研修で受けるような必修知識の範囲にとどまらず、上司のリーダーシップとの相互作

          【読書】2023年6月に読んだ本

          【読書】2023年5月に読んだ本

          4月にリリースされたAlfa Mistの『VARIABLES』、とてもいいですね。応援したいので2017年の『ANTIPHON』からすべてCDを購入しています。6月の来日公演も行きたかったのですが諸事情により諦めました。 Jasmine Kayserのドラムは煽情的なスタイルで、状況や対話における起伏より、ジャズロックな統一感を提供するのに専念しているように感じます。これまでのJamie Houghtonの伸び縮みするチャカポコしたスカスカのドラムが(いかにもビートメイカー

          【読書】2023年5月に読んだ本