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正十二面体スピーカーを3Dプリンターで作る (5)

YouTubeやRedditで情報収集していると、3Dプリンターでスピーカー筐体を作るのはもはや何も珍しくないことが分かります。PLAで18mm厚の箱を試作したとき、インフィル99%であっても筐体が盛大に響き、防音制震に工夫が必要だと気づきました。箱鳴り対策をみなさんどうされているのでしょうか。

そんななか以下の動画から示唆をいただきました。
小型ミッドバス2発の3way TQWTという凶行に及んでいます。

箱鳴り対策はどうしているかというと;

引用元 youtube.com/DIYPerks

まあそうするしかないよね。二重壁にして、常温固化する充填剤を流し込んで制震していました。漆喰とPVAでしょうか。
少し解せないのはその効果。動画の2'15"あたりには充填剤の有無で比較した振幅f特が紹介されています。充填前に観察されていた100~400Hzの複数の共振ピークは充填後には観察されなくなっていますが、代わりに800Hz~3kHzに別の共振ピークが見られていました。
私の目的は中高音域用の宙づり正十二面体スピーカーであるため、この副作用は看過できません。宙づり設置ですからむやみに重くできないですし、充填剤の選定には注意が必要だと学びました。


使用ドライバはTectonic TEBM35C10-4 BMR(在庫切れの模様)に仮決めして、一辺約80mmの正五角形パーツ(15mm厚)を12枚貼り合わせる方法で検討しています。ウォールは4mm厚とし、ウェーブガイド裏側に充填剤を流し込めるようにしています。

充填剤は、内部損失の高いHDPEペレットを詰めエポキシ(波専用レジン)で固める計画。そこそこ比重差があるのでうまくいくのか自信がない。

12枚貼り合わせるためにビスケットジョイント用の細溝も設けました。ホゾ継ぎにしてもいいのですが、加工精度が低く、また、充填剤の固化熱で多少変形するはずなので、寸法が狂ってもアソビを吸収できる接着方法の方が都合がいいと考えたためです。

ABSでインフィル20%で印刷。約12時間かかりました。0.4mm積層なのでウェーブガイド部はかなり粗いですね。600番くらいのプライマーで目止めする計画です。

これを24枚つくらないといけない。実際にはJLCPCBなどに外注すると思う。

裏側はこのような感じ。ウォールをもっと薄くしたいのですが、より酷く反るはずなので、各頂点に円形のサポートを仕込んでから薄くします。

既にかなり反っている。次はPLAで作る。取付部がドライバガスケットと干渉するので細部を調整する。

なにげにウェーブガイドは初めての製作になるので、まずはその効果を検証してみたいと思います。
次回は、箱にポン付けとウェーブガイド有りとで、振幅f特や軸外特性を比較してみましょう。お楽しみに。

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