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【読書】2023年9月に読んだ本

DALL・E3が公開されましたね。私はさっそく試してみましたが、上図のとおりよく分からない感じになってしまいました。指示の出し方がよろしくないのでしょう。

なお、指示は「2000年代の日本、新宿。葬送のフリーレンの絵柄。極左思想にかぶれた大学生4,5名が政策立案の洋書を輪読しながら議論している。」です。どこにフリーレン要素が。

10月に仕事で欧州訪問するため読書の時間を英語勉強にあてており、(元々読めていませんが)9月はひときわ何も読めていません。


ユージン・バーダック、エリック・M・パタシュニック(白石賢司、鍋島学、南津和広訳)『政策立案の技法(第2版)』(東洋経済)

私たちは影響力を行使しながら日々生活しています。社内の自部門のルーチンワークのフロー検討時でも、クレーム発生時の顧客交渉でも、家庭での親子の会話でも、影響力を行使しています。

いずれのレイヤーにおいても、行動方針の候補を「政策」や「政策オプション」と呼ぶことが可能でしょう。
自分自身が支持する政策を明確にしなければなりません。そうでなければ合意形成の俎上に乗ることすらかなわないからです。
どんな場面でも正当化できる(=他人を巻き込める)行動方針の策定手順が知りたくて本書を購入しました。

まだ途中までしか読めていませんが、有益な示唆が多数あります。問題定義の場面で避けるべき落とし穴に「問題の中に解決策を埋め込むこと」(p41)が挙げられ、問題解決のための政策オプションを検討するにあたり「よくできた因果関係モデルは効果的な介入しどころを教えてくれる」(p64)と指摘されています。ストーリーを語る上ではどちらも重要なことです。

本書には、推奨されるスタンスの他に、避けるべき態度も多数の例が挙げられています。他山の石に気付きやすくなるのはたいへんありがたいですね。

溜池通信のかんべえ氏は「政治とは日程なり」としばしばおっしゃっています。これまで本書を読んだ範囲に時間軸の議論は多くなかったと思いますが、今後どのように触れるのか楽しみです。


ジョエル・ロブション(内坂芳美)『ジョエル・ロブションのお家で作るフランス料理』(インフォレスト)

レシピ系YouTubeや町中華系YouTubeをよく見るのですが、この人はどういう影響を受けてこんな料理スタイルになったんだろう、といつも不思議に思います。分子ガストロノミー信奉者っぽい人が本書を紹介していたので買って読むことにしました。

フランス料理のアイデンティティってなんなんでしょうね。ロブションはヌーベル・キュイジーヌ後に登場した、素材重視の人らしいです。本書には、ホタテや栗やカレー風味など、日本でも馴染みのある食材や料理が多数登場します。フランス料理とはいったい…という気持ちになれること間違いありません。
栗のブルーテなど試してみましたがまだまだよく分かりません。しばらく練習します。

初心者にとってあまりピンとこないのが、食事と飲み物の組み合わせですね。マリアージュというのでしょうか。本書でも全レシピにおすすめのワインが併記されています。そういう文化を理解しなければならないのでしょう。私は何にでもハイボールを合わせてしまいます。


私の悪い癖に、本を下敷きに本を読むというものがあります。著者がその本の中に用意した資源以外の資源を読者が勝手に持ってくるのは、著者が期待するところの読者側の利得に繋がりにくいと思っています。が、ついついやってしまいます。これも考察という悪癖の一種なのでしょう。

上述の2冊では、私は、前者は森田朗『会議の政治学』(慈学選書)、後者は西川恵『エリゼ宮の食卓―その饗宴と美食外交』 (新潮文庫)を下敷きに読んでしまいました。

まともに本が読める社会人になりたいものです。


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