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正十二面体スピーカーを3Dプリンターで作る(7)

正十二面体を構成する12枚の正五角形プレートの試作と修正を何度かおこない、以下のような形でいったん最終版にしました。

Dodecahedron rev.8

我が家では雰囲気温度の管理が難しくヒートベッド直上で激しく反ってしまうため、PLAですらまともな精度が出ません。残念です。秋冬シーズンはおとなしく外注しましょう。まずは、正五角形プレート裏側の充填部の具合を確認するために複数枚を自宅で印刷しました。

プレート1枚は64gです。正五角形プレート裏側をポリプロピレンビーズ21gとエポキシ樹脂28gで充填しました。未充填の場合と比べて共振が抑制されています。さらにダンピング材を貼ればまともになりそう。今度加速度センサで、共振の振幅f特を充填前後で比較したいと思います。

ポリプロピレンとエポキシを充填

12枚張り合わせることになるため、張り合わせ面の具合を確認しました。0.1mm程度の隙間はありそう。完璧ではありませんが自宅用の初回製作なのでこれで進めます。

反りの酷くない面を選んで貼り合わせ。

24枚プラス予備2枚をJLCPCBに外注しました。安価に作製したかったため、FDMではなくSLAで、レジンは最安の9000Rで依頼しました。黄みがかった白色だそうですが塗装するので気にしません。プレート26枚で230ドル。送料30ドルでした(OCS Express)。入金確認後48時間で印刷完了、そのあと24時間で出荷。依頼して10日で手元に届きました。

一枚あたりの重量は132gと自宅印刷の約二倍になりました。上記と同様の樹脂充填を施すと12枚で2.2kg。採用ドライバTectonic TEBM35C10-4 BMRは51gなので、スピーカー1個3kg程度に収まりそうです。

さすがの出来ばえ

自宅で印刷したものとは異なり、反りはほぼ認められず、積層痕は目立ちません。十分な品質です。

左はJLCPCB(SLA法)、左は自宅印刷(FDM)

Tectonic TEBM35C10-4 BMRは昨年末から欠品していました。3月1日に在庫を持つようなアナウンスもありましたが、3月に入ってしばらくしても結局「Expected back in stock any day.」です。
もういい。25個発注するぞ。俺はそれを買いたいんだ。作れ。いいか。作って在庫積め。おたくも俺もこれしか方法がないんだ。わかってくれ。
オーダーは通ったし支払いも通ったし、ごめんなさいメールは来ていません。いつか届くでしょう。ディスコンではないと思うので気長に待ちます。

ついでにネットワークも検討しました。あまり手の込んだことをする段階ではないので、12kHzのピークをノッチで抑制する程度で進めます。このあたりの高音域はエイリアスがあるはずなので、ノッチで抑えるのは裏目に出るかもしれません。まあ試してみましょう。なお、ドライバは3直列を4並列で繋ぎます。
Parts-expressでドライバと部品の合計210ドル、送料88ドルでした。円安はつらいですね。

簡単にノッチを入れた程度
感度補正していないので縦軸dBは無視。400Hz未満の振幅f特は無視

さて、ドライバ到着を待つ間は地道に筐体製作を進めましょう。お盆までに完成しているといいなあと思います。



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