図1

「ゴーストレストランの増加」から

----------
三点に注目したい 
 1.事業構造的な競争力
 2.プラットフォーマとコミュニティ要素
 3.地方人気店の拡大戦略

関連代表記事 Forbes  2018/11/21 11:00
https://forbesjapan.com/articles/detail/23903
----------

A テクノロジーの進化により戦略自由度が広がった好例である。日本ではまだ「ゴーストレストラン」という呼称に馴染はないが、ECの勢いが止まらず、シェアリングやデジタル進化系物流の進歩が目覚ましい現状を踏まえれば、この先の未来では当然の仕組としてインストールされても、何らおかしくはない。


B ゴーストレストランという呼称の意味するのは「顧客(人)がいない」という部分に基礎を置くのだろう。一般的飲食店は、その商圏を考え、人(顧客)が店舗にやってくることに基づく収益をメインに据えるが、ゴーストレストランでは「顧客はやってこない」=「料理を顧客に届ける」ことを前提にする。単なるデリバリーと混同されがちだが、「顧客が来ない」という前提を基礎にすることで、出店エリアの自由度が大きくなり固定費を大きくそぎ落とすことが出来る。また接客側のオペレーション要素がなくなるため、設備や建屋・内装に対する投資のあり方も変化し、生産性が大きく上がる。さらに言えば、スモールスタート/スモールテストを実行しやすくなり、ヒットを生み出せる確率があがるだろう。


A 固定費に対する限界利益の貢献度合を最大化するのは経営の重要な要素であるが、この指標(固定費/限界利益)に対するデザイン性や考え方も従来飲食業とは大きく異なってくる。また、商圏の考え方も大きく異なる。単純に考えても顧客が足を運ぶ商圏の広さと、顧客のもとに料理を届ける広さは大きくことなり、テクノロジー進歩による物流プラットフォームが整備されればされるほど、そのゴーストレストランとしての商圏は拡大し、規模×確率の議論へと落とせるようになるので、固定費に対する限界利益の貢献性も改善できる。


B 視座を上げれば、ゴーストレストランを束ねるプラットフォーマという立場は、大きな戦略自由度をもち、顧客に対してバライエティ豊かなサービスを提供できるだろう。ゴーストレストランを束ねるというのは、ゴーストレストラン(以下、GR)のコミュニティを形成するということである。例えば、GRーA~GR-Jまでそろえた時に、GR-A~GR-Jをそれぞれ専門化させ、1つのプラットフォーム上ではGR名称を省いて全メニューを任意に選択可能にする。GR-Aからはサラダ、GR-Dからはカルパッチョ、GR-Fからは釜飯、GR-Jからはピッツァという選択をし時間を指定すれば、それがワンセットで届く。


A コミュニティ要素は非常に面白く、GR同士のコラボを誘発させることもできる。特にプラットフォームとして顧客の意見や気持ちを吸い上げ、それを叶える確率の高いGRの組み合わせを導出し、GR-A+GR-Gで所定テーマの新メニューを互いの専門性をフルに活かして開発することが出来る。完成したメニューは共に扱ってもいいし、GR-A側だけに委ねたっていい。売上配分を設計しておけば問題はない。これらは学習可能である。


B GRコミュニティ要素を考えれば、会員制にして会費を徴収し、CCC(Cash Conversion Cycle)を大きく落とすモデルを構築し、部分的にリアルの場を設けて、試食会であったり、XXと料理を堪能する会のような場を提供していくことも考えられる。


A このようなGRプラットフォームを考えた場合、例えば、場所を貸し出しているプラットフォームであったり、企画・準備を請け負うクラウドサービスなどと連結させ、エコシステムを広く深くするとよいだろう。例えば、ちょっとした昼食会やパーティなどを、素敵に簡単に実行できるようにもなる。また、既存の飲食店が参画するプラットフォームと連結させて、ゴーストレストランコミュニティで人気を博しているメニューを、既存の飲食店で提供できる権利を付与するという方法も考えられる。料理を素敵な空間で食したい要求は存在するため、そこは既存店舗に委ねていく。


B 可能性は無限にあり、機会の窓は大きく開きかけているフェーズではないだろうか。地方で大人気の店というのが取り上げられることが多いが、これが同じ事業構造で多店舗展開すると失敗するケースは多い。この場合に、地方で大人気のパン屋やイタメシ屋が、2号店以降はゴーストレストランとして出店していくのは非常に面白い。逆に言うと、地方で人気の店舗をゴーストレストランとして束ねるプラットフォーマになるという選択肢もあるだろう。繰り返しになるが、可能性は無限大であり、機会の窓が大きく開きかけているように思う。


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

夜通し、思考の向こう側が見えるまで、対話しましょう。
2
ビジネスや経済などのニュースや日常の気づきを出発点に、「科学、心、モノ、デザイン」という4象限を操りながら、自由に発想していきます。発想や着眼の手助けや、思考の自由度拡大の糧になれば、何よりです。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。