図1

「ドライヤー」から

----------
3点に注目したい。
 1.似たようなドライヤーがずらり。
 2.ドライヤーの性能は、人依存性が強い。
 3.ダイレクトに頭皮・頭髪情報を吸い出せないか
関連代表記事
---------------

A Web上の記事や雑誌、或いはTVなどで、「ドライヤーの正しい使い方」とか、「髪を美しく保つための、ドライヤーの使い方」といった情報に出くわすことがある。


B ドライヤー使用者の中には、「乾かすだけが目的」の人もいれば、「髪を(地肌を)、より良質に保持したい」という人もいる。しかし、重要なことは前者のセグメントであっても、単に早く乾けばよい!と思っているわけではない。「髪がボロボロ」になったり、「地肌がかゆくなる」というのは、当然、受け付けない。現状維持は大前提であり、後者のセグメントはそこに対する感度が非常に高く、従来を超える「美しさ」を要求しているということである。


A ドライヤーの使い方によって、地肌や髪へのダメージが大きくかわるというのは、「問題」ではないか? 消費者の使い方いかんで、性能が大きく変わるということを意味している。


B ドライヤー売り場にいくとわかるが、「似たような製品」がずらりと並んでいる。ダイソンのように異彩を放っているものもあるが、ほとんどは、見た目にドングリの背比べである。そして、表示されている性能は、「重量、風量、温度、電力」などがメインである。


A 消費者が知りたいのは、風量などのスペックではない。髪が「どのように乾くか」であったり、ひいては「髪・頭皮の健康への影響」である。


B この点で、ダイソンは流石である。ダイソンのSupersonicでは、「ヘアケア」を重点領域として、ヘアケアへのマイナス要素を「髪への過度な熱風」と「(髪により熱が遮られることに基づく)頭皮の生乾き状態」であると考えている。これをプロダクトとして破壊できれば、消費者は、健康な頭皮・髪を獲得できるという寸法である。そのための手段が、MPUによる温度制御やV9モータなどの、ダイソンらしい技術である。さらには、毎日使うものであるためハンドリング的不具合はストレス因子に強く効く。ここに対して、モータをハンドル部に組み入れるなどのデザイン性もしっかりと抑えている。


A ダイソンは素晴らしいが、その思想にたつのであれば、頭皮の状態・髪の状態をダイレクトに情報として吸い上げ、ドライヤーへと還元し、出力調整したくなってくる。更には、ユーザがドライヤを細かく動かしたりするノウハウ的部分を、更にそぎ落としたくなる。


B 目的は「健康な頭皮と、健康な髪を、誰でも簡単に」。ドライヤ的な課題は、ダイソンの考えるそれが的を射ているとする。課題の本質的部分は、頭皮・髪情報をリアルに補足できていないことと、ユーザのハンドリング依存性が未だに高く、個体差が大きいこと。


A どのような解決策があるだろうか。例えば、頭皮のマッサージブラシで、足が十数本映えたものがある(参考:ヘッドスパワイヤー https://pmall.gpoint.co.jp/g-ranking/ranking.php?themeid=10180 )。ドライヤーのヘッド付近の外周に収納可能な状態で、12本程度のワイヤーブラシを付けておく。これでマッサージしながら乾かす。このブラシの先端は球体状のセンサーであり、頭皮を傷つけずマッサージ効果を発現すると共に、頭皮近傍の温度や湿度といった情報を吸い上げ、ドライヤ本体にバックする。ドライヤはその情報に基づき、風量や温度を調整する。風の方向も調整していく。


B ブラシ密度をあげていくことで、濡れて束になった髪がほぐれやすくなる。これの意味するのは、乾燥時間の短縮である。乾燥時間の短縮は、熱総量を抑制するため、髪・頭皮の健康に繋がりやすいと推定される。


A このような機構であれば、「終了」のタイミングが明確であるし、頭皮や髪質の改善に役立つ。代表的なブラシの1本のセンサーは高機能化できて、これにより、地肌の乾燥度合いとか油ギッシュ度合まで判断できれば、「髪の洗い方」にまで踏み込み余地がでてくる。しかも、個別論的に。


B ビジネスとしてB2Cは視野に入るが、まずは、プロ(美容師など)を狙いたい。美容室では、単にカットするだけでなく、ヘアケアやヘッドスパ・エステなどの高付加価値サービスに力を入れている。新型ドライヤーにより、消費者の頭皮・髪の状態を「大げさな操作なく」把握できれば、提案につなげやすい。「もっと、詳細に頭皮を検査された方が宜しいと思います」であったり、「頭皮状況が、レベルXで乾燥状態になっているので、次回ご来店時に、ヘッドスパをお受けになってはいかがでしょうか」であったり、「XXシャンプー/トリートメントセットが、頭皮状況から推奨されます」など、より説得力を持って提案できるようになる。これは大きな付加価値であり、プロモデルから基盤化し、タイミングを見てB2Cの家庭モデルをだしたくなる。


A 数日間連続して、日常生活に潜むチャンスやヒントに「気が付くこと」。そして、それが「何を意味するか」であったり、そこから「何ができるか?」と考えてみることを例示している。普通に生きていれば、不具合・疑問・ストレス・希望…と毎日何かしらに出会う。出会っているがスルーしては意味ない。感度を挙げて、気が付き、そこから意味を見出す癖付けが重要。 

 

/2018.01.15 JK

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?