標準語は廃止されました君

「標準語」は1948年6月に廃止され、現在は制度上存在しません。 いま話されてるのは「…

標準語は廃止されました君

「標準語」は1948年6月に廃止され、現在は制度上存在しません。 いま話されてるのは「共通語」。 知りよった? Twitter https://twitter.com/botlovesdialect

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「標準語」という誤解

「標準語を話すのは義務」 「標準語は公的に正しい言葉とされている」 「東京のことばは標準語」  これらの意見は、実は間違ってる、というのを知っていたでしょうか?…

「ちょー元気」のように、「ちょー」をつけて強調する言葉は東海地方で生まれ、東京に入ってきたと考えられます。

このように、東京の言葉だと思われているものの中には、もともと他地方の方言だったものが東京に入り、メディアを通じて共通語となるケースがあります。

方言のハラスメント「ダイハラ」

ダイハラという考え方を紹介したいと思います。 ダイハラとは、「ダイアレクト・ハラスメント」または「方言ハラスメント」のこと。 「方言に関連して相手を不快にさせる…

方言は日本原始の歴史を解き明かす上でも大変重要なものです。

例えば日本海沿岸の各地には、奈良や京都とは全く別の、出雲の流れを引く言語文化があったことが方言から推定されています。

しかし、方言は急速に消滅しつつあり、保護や収集が必要です。

戦前存在した「標準語」は各地の方言を排除する運動につながってしまいましたが、それは東京方言にとっても同じでした。

「<標準語>の犠牲になった最初の言語は東京語だった」という意見もあります。

「人の方言やなまりを笑うことは、生まれつきの顔を笑うことと同じ」と警鐘を鳴らす言語学者もいます。

各地の方言は影響を与えながら今も変化しています。

東京では移住者の方言や共通語の影響を受け、伝統的な東京方言ではなく首都圏方言と呼ばれるものが主流になってきました。

関西でも、他地域や共通語から影響を受けやすい北摂地域を中心にネオ関西弁と呼ばれる方言が生まれています。

東京でしか伝わらない方言でも、自分が使えば共通語だと考える若年層が増えていると言われます。

終戦後までに言語形成期を終えた東京方言の話し手の多くは、東京方言と「標準語」、共通語は別のものだと自覚していたと言われます。

同じ江戸の住人でも、話す言葉は階級ごとに異なりました。

例「私にもそれを下さい」
男児「あたいにもそれをくんな」
女児「私にもそれを頂戴な」
芸姑「私にもそれ頂戴よ」
書生「僕にもそれ呉れ給へ」
職人「わしにもそれくんねい」

江戸の言葉と一口に言っても、実態は多様なのです。

東京には伝統的な方言(いわゆる下町方言)がありますが、他地方からの移住者が圧倒的に多いため、移住者の話す言葉になりきれておらず、東京において主流な方言とはなっていません。

東京では、移住者の習得した共通語や諸地方の方言に影響を受けた「首都圏方言」が主な方言になりつつあります。

「共通語は首都圏の言葉からのみ成り立っている」という誤解がありますが、各地の方言も共通語には含まれています。

例えば「こわい」という言葉はもともと関西の方言と言われています。
東日本の方言では「おっかない」と言いました。

日本の方言は大きく琉球方言と本土方言に分けられます。
次いで、本土方言は東日本方言、西日本方言、九州方言の3つに分類されます。

東京の言葉も方言の一つで、東日本方言に含められます。

東京の言葉がそのまま標準語や共通語ではないのです。

首都圏の人々が方言だと知らない言葉も多くあります。

「渋谷」(しぶや)のように、谷を「や」と読むのは東日本特有、漢字の方言です。

関西にも「渋谷」という地名がありますが、「しぶたに」と呼ばれます。

これから時間を見つけて、共通語や方言、廃止された「標準語」についてつぶやいていきたいと思います。

「標準語」という誤解

「標準語」という誤解

「標準語を話すのは義務」

「標準語は公的に正しい言葉とされている」

「東京のことばは標準語」

 これらの意見は、実は間違ってる、というのを知っていたでしょうか?

 今回が初めての投稿になりますが、私の自己紹介に代えて、このことを説明させて頂こうと思います。

「標準語」は70年以上前に廃止された 「標準語」は、実は戦前の制度。

 1948年に戦前の制度を清算する際に、合わせて学校教育制度

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「ちょー元気」のように、「ちょー」をつけて強調する言葉は東海地方で生まれ、東京に入ってきたと考えられます。

このように、東京の言葉だと思われているものの中には、もともと他地方の方言だったものが東京に入り、メディアを通じて共通語となるケースがあります。

方言のハラスメント「ダイハラ」

方言のハラスメント「ダイハラ」

ダイハラという考え方を紹介したいと思います。

ダイハラとは、「ダイアレクト・ハラスメント」または「方言ハラスメント」のこと。
「方言に関連して相手を不快にさせる行為」を指します。

また知らないハラスメント?と感じる人もいるかもしれません。

ですが、ちょっとお待ちを。
この考え方は、あなたを助けるものになるかも。
また、誰かを傷つけずにすむかも。
そして、あなたの大事な人を守ることになるかもし

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方言は日本原始の歴史を解き明かす上でも大変重要なものです。

例えば日本海沿岸の各地には、奈良や京都とは全く別の、出雲の流れを引く言語文化があったことが方言から推定されています。

しかし、方言は急速に消滅しつつあり、保護や収集が必要です。

戦前存在した「標準語」は各地の方言を排除する運動につながってしまいましたが、それは東京方言にとっても同じでした。

「<標準語>の犠牲になった最初の言語は東京語だった」という意見もあります。

「人の方言やなまりを笑うことは、生まれつきの顔を笑うことと同じ」と警鐘を鳴らす言語学者もいます。

各地の方言は影響を与えながら今も変化しています。

東京では移住者の方言や共通語の影響を受け、伝統的な東京方言ではなく首都圏方言と呼ばれるものが主流になってきました。

関西でも、他地域や共通語から影響を受けやすい北摂地域を中心にネオ関西弁と呼ばれる方言が生まれています。

東京でしか伝わらない方言でも、自分が使えば共通語だと考える若年層が増えていると言われます。

終戦後までに言語形成期を終えた東京方言の話し手の多くは、東京方言と「標準語」、共通語は別のものだと自覚していたと言われます。

同じ江戸の住人でも、話す言葉は階級ごとに異なりました。

例「私にもそれを下さい」
男児「あたいにもそれをくんな」
女児「私にもそれを頂戴な」
芸姑「私にもそれ頂戴よ」
書生「僕にもそれ呉れ給へ」
職人「わしにもそれくんねい」

江戸の言葉と一口に言っても、実態は多様なのです。

東京には伝統的な方言(いわゆる下町方言)がありますが、他地方からの移住者が圧倒的に多いため、移住者の話す言葉になりきれておらず、東京において主流な方言とはなっていません。

東京では、移住者の習得した共通語や諸地方の方言に影響を受けた「首都圏方言」が主な方言になりつつあります。

「共通語は首都圏の言葉からのみ成り立っている」という誤解がありますが、各地の方言も共通語には含まれています。

例えば「こわい」という言葉はもともと関西の方言と言われています。
東日本の方言では「おっかない」と言いました。

日本の方言は大きく琉球方言と本土方言に分けられます。
次いで、本土方言は東日本方言、西日本方言、九州方言の3つに分類されます。

東京の言葉も方言の一つで、東日本方言に含められます。

東京の言葉がそのまま標準語や共通語ではないのです。

首都圏の人々が方言だと知らない言葉も多くあります。

「渋谷」(しぶや)のように、谷を「や」と読むのは東日本特有、漢字の方言です。

関西にも「渋谷」という地名がありますが、「しぶたに」と呼ばれます。

これから時間を見つけて、共通語や方言、廃止された「標準語」についてつぶやいていきたいと思います。