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【podcast文字起こし】20年以上前の両親の離婚を今更考える


最近ハマっているpodcast:OVER THE SUN。

コラムニストであるジェーン・スーさんと
フリーアナウンサーの堀井美香さんの番組。

2022年9月9日14時時点で全100エピソードが
放送されているが、
中でもEp.29「”離婚の理由”を聞かれたときに」は
とても印象的だった。


私の両親は私が6歳の時に離婚した。


そのせいかいろんなことを考えさせられたから、
記録に残しておきたいということで
文字起こしをした。



自分のための記録なので必要ないと判断した部分、感嘆表現や二人の言葉が重なった部分などは
省略している。

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Ep.29 ”離婚の理由”を聞かれたときに。
(ス:ジェーン・スーさん/み:堀井美香さん/
 メール部分は太字)

ス:先週さ、最後にさ、子どもに別れた父親のことをどう話せばいいかっていうシングルマザー37歳のメイさん、メールいただいたじゃないですか?


いろいろあって離婚して5年経ちました。
元夫とは離婚後一切連絡は取っていないし養育費などない。今頑張って働いて猫と娘と3人で気ままに暮らしているけれども、ある日、おばあちゃんに、つまりメイさんのお母さんに『お父さんどんな人なんだろうって気になるの。ママは○○(娘)と○○(猫)と3人で暮らしたかったからお父さんとお別れしたんだって、と神妙な面持ちで話してきたそうです』。

よく離婚理由などで子どもにうそをついてはいけないとよく聞きますが、なんて話せばいいんでしょうか。
娘を傷つけるようなことは言いたくないし嘘も言いたくない、でも美化はできないし、できれば追及してほしくない。今はまだ幼いうちの好奇心ですがこれから先どうしたらいいでしょうか。

っていうのがあったわけ。
これ経験者の方、ぜひ送ってくださいって言ったらですね、子の立場、親の立場合わせて30くらい来てる?さすがOVERTHESUN。
太陽の向こう側にいった人たちだから、離婚経験者、子どもで自分がそうっていう人も、親としてやったっていう人もたくさんメールいただきました。

思ったんだけど私たち別に離婚カウンセラーじゃないじゃん、単純に掲示板じゃん、ここ。だから結論を出すということはしないです。先にお伝えしますけど。

20通くらいある中の6割5分が子どもから、子どもとして私は、つまり親が離婚したっていう人。残りがうちは離婚してますって親の立場なんですけど、少しずつ読んでいきましょうか。

み:私は現在25歳。母・兄・姉・祖父母というシングル家族で育ちました。
兄弟、兄と姉は父のことを覚えているそうですが私は幼くて25歳で身内の不幸があった際に初めて父に会いました。が、それまでのおよそ25年間父の顔も名前も知りませんでした。物心ついた時には母一人でした。幼いころから母はもちろん、兄と姉も祖父母も父の話を一切しませんでした。父という単語さえも家族間の会話では出たことがありませんでした。
特に父の記憶が一切ない私に対して周りは相当気を使っていたと思います。幼いころの私はなぜ父がいないのか分からないもののその言葉を口にしてはいけないと薄々分かっていました。幼いながらに気を使い、空気も読んでいました。
小学生くらいになると離婚というものを知り、テレビから芸能人の離婚の話や離婚という単語が聞こえただけでもハラハラして緊張していたことを覚えています。

そんな私は25歳になった今でも母と、父の話をしたことは一切ありません。兄と姉とは父について話すことも、いまだに母の前では父の話はしません。そして母からも離婚理由はもちろん父について何も話されていません。
なんとなく祖父母から聞いた話や兄と姉の話から離婚理由などはわかっていますが母とこの話をすることはずっとないんだろうなと何となく思います。また父に会うこともこの先ないんだろうなと思います。

そんな私が感じることは、お子さんが幼くてもある程度理解ができるようになったら少しずつ話してほしいです。隠すことだけはしないでほしいです。
夫婦間のことで触れてほしくないことや周りには分からないご本人たちの状況もあるかと思いますがお子さんには、「お父さんの話していいんだよ」、「知りたいことはお母さんには聞いていいんだよ」とお母さんの方から少し歩み寄ってもらえたらと思います。
もちろん今すぐに全てを話す必要はないと思います。嘘はつかず、言えることから少しずつ話してほしい、「もっと深く知りたくなったらお母さんに聞いてね」というスタンスでいてほしい。お子さんがそのことを知ることで辛いことがあるかもしれません。でも知らないままで辛いこともあります。

私は25歳になった今でも知らないことだらけで、そういう部分でのアイデンティティが確立できていません。もちろん考え方は今の環境や状況、育て方もいろいろあってきっと正解はないのかと思います。私は母に父について離婚理由、離婚した当時の状況などを聞いておけばよかったと後悔しております。
もし母から直接聞いていれば父の話や離婚という単語に緊張したりおびえることなく日々を過ごせたと思います。ただ、だからと言って母を嫌ったり憎んだりはしていません。むしろ大好きです。
私に誰も父について離婚について話さなかったのもこれは愛情だと感じています。そして両親の離婚に関しても夫婦といえどそれぞれ事情があるなとも思っています。大人になったから理解して納得できる部分もあるのかもしれませんがそれは時間が解決してくれるものだと思います。

こんな一シングルマザーの子どもの意見ですが少しでもシングルの皆さんに、またシングルで育った私のような方の耳に届けばいいなと思っています。

ス:はい。今回いつもよりやっぱりメールが長くてですね、皆さんやっぱり思うところあってというところなんですけど。実はおんなじようなものももう一つ来ていてラジオネームハルイさん。

スーさん堀井さんこんにちは。いつもはサイレントリスナーですがメイさんのお便りを聞き思わずメールさせていただきました。両親が離婚した子どもの一人として当時してほしかったことを考えてみました。

両親は私が小学生の時に離婚しました。当時父親は夜中にしか帰ってこず両親の険悪な雰囲気を感じていたので父親が出て行ったときは「やっぱりな」という感じでした。はじめは父親の不在が単純にさみしかったのですがそれよりつらかったのは誰にも父の話をできないことでした。
子どもなりに母に父の話をするのはタブーだと察し、父の話はおろか、”パパ”や”お父さん”といった単語すら話すのを控えていました。ずっと一緒にいた人をいなかったかのように生活をするのはとても苦しかったです。子どもは大人が思うより敏感に空気を読み気をつかうんですよね。

元夫のことを話すことに複雑な思いがあるかとは思いますが、そこは割り切って「お父さんについて聞きたくなったらいつでも聞いてね。何でも話すよ」と伝えておくのがいいと思います。話すときは感情的にならず嘘をつかず淡々と、父親や離婚のことについて話すのはタブーではない環境があったら当時の私は少しだけ楽になれる気がします。

また、私は「父親に捨てられた」、「愛されていなかった」という思いが大人になるまで尾を引きました。思春期、反抗期も相まって、肉親にすら愛されない私には価値がないと思ってしまいました。大人になれば両親には両親の事情があり、そんなことはないと理解できるのですが。
なのでできればお母さんたちはお別れしたけど「あなたは望まれて生まれてきたし、愛されてるよ」とお子さんに伝えてあげてください。「お父さんだって、あなたが生まれてきてくれてよかった」と。

最後になりましたがメイさんのお子さんと猫ちゃんとの幸せな生活が末永く続きますように。

大人。ありがとうございます。

親チームもですねいろいろあるんですよね。

み:親の立場からね。グランタフィーカさんです。


私は子どもが1歳半の時に夫と離婚しました。
離婚理由は仕事が長続きしない夫で生活が成り立たなかったことと、私への暴力でした。

本題ですが、子どもが4歳の時「パパはどうしていないの?」と悲しげに言われたのです。いつか来るであろう質問に答える用意をしておかねばと思っていたものの、いざその日が来てみると何の準備もなく私は言葉を詰まらせてしまいました。
とりあえず出た言葉は「パパとママっていうのは仲良しじゃなきゃいけないのに怒ってばかりになってね、一緒にいることができなくなったから、だからママは○○ちゃんと二人でやっていこうと思ったんだよ」という内容だったと思います。これを聞いた4歳児が「なるほどね」とは言わんわなと内心突っ込みながらも、どうにかその場を切り抜けたような気持ちと父親の悪口は言わないようにしようと最後に付け加えたのは「パパはね、○○ちゃんのことが大好きだよ。でも○○ちゃんのことはママに任せてくれたんだよ。遠くから○○ちゃん元気にしてくれるかなっていつも考えてくれてるんだよ。これからも女二人楽しく頑張ろう」と付け加えたのが良かったのか悪かったのか、とにかく明るく優しく伝えようとしたことを覚えています。

後日子どもがおばあちゃん(私の母)に、この内容を話したらしく、『パパは遠くにいてね、○○は元気かなって思ってるんだって』と涙ぐんで話してきたと伝えられました。
胸をえぐられる思いでした。20年前のことですが今でも思い返すと切なくなります。当時の私はとにかく父親がいないことでさみしい思いはさせまいと頑張っていました。
ただ父親に関することを聞かれたのはそれが最初で最後でした。

子どもが高校生の時何かの話の延長線だったと思いますが、『あのころパパのことを聞いたりしたらダメなのだなって子どもなりに思ってたね(笑)』と言われました。私は「パパがいないことくらい大したことじゃないぜ」くらいに明るく話したつもりが子どもには「あぁ辛いなぁ」という気持ちを感じ取られたようなんです。
「パパのことを知りたいという気持ちを我慢させていたのはごめんね」と私が言うと『ううん。別にそこまで知りたいとかなかったよ、ママもいたし』と言ってくれました。
下手に美化したり、作り話を準備しておかなくてよかったのかもと思いました。親というのは子どもに支えられながら親になれるということを改めて感じた出来事でした。

結論ですが、納得させることが目的ではなく、できすぎた話も必要とせず母親として今伝えたいことを言う。不完全でもいい、と思っています。以上、経験談でした。

ということで。親の立場からです。

ス:そうだよね、親だってさ親だけど不完全じゃん、人としては。すべてをうまく言えるわけがないしうまくやったなって思っても子どもの方は「これお母さん傷ついてんだ」とか「ショック受けてんだ」とか分かるわけじゃない。そうすると気使ったりとかしてさ、”生きてる”っていう作業をするだけで絶対心はえぐられるというか。
”生きてる”ってことは心をえぐられる作業だとも思うんですよ。だからえぐられたことに対してどうその後、自分自身を対処していくかっていうさ、話の時に、絶対失敗もするし、えぐられたものを埋めるのに失敗もするし、「えぐっちゃったな、あの時」って後悔もするし、何かが決定打になることはないって信じるしかないよね。「私の人生をダメにしたのはあの時点のあのことだ」っていう決定打という風に決めない、あとからリカバーできるっていうことを信じていくのが大事かなと思ったりしますけどもね。
お子さんの方もやっぱりなかなかうまく対応してもらえなかったって言うことで辛い思いをしたっていう人も多いんでしょうね。

み:27歳の男性ですけれども、イツモアツイさんです。

自分の母はまだ物心ついていないときに離婚し以降シングルマザーとして私を育ててくれました。
シングルマザーと父親問題について私自身、母親の対応によりトラウマ化してしまったのでシングルマザーの子どもの視点から当事者としての一つの意見としてお聞きいただければと思いメールを送りました。

これ書くのもつらいと思いますよ。

ス:本当。ありがとう。

自分もちょうど5歳のころ母に「僕にお父さんっているの?」と聞いたことがあります。その時は母ははぐらかして『どうなんだろうね』という返答。子どもながら空気読みはすでにできていたので聞いてはいけないことだったんだなと学習しました。

だからみんなやっぱり子どもなんだけど空気を読むんだよね。

ス:あ、聞いちゃダメなんだこれはってね。

み:保育園や小学校でなんでお父さんいないの?と尋ねられた度に「分からない」と答えていましたがいつの日か自分の父親のことも分からない自分に恥を感じ始めました。
一方、母親に真実を聞く勇気もなくどうしたらいいかわからず父親は死んだことにしました。離婚したというと、母親に何か問題があったのではないかと疑われる気がしたので言えませんでした。
しかしそれも精神的にかなり負担があり可哀想という相手からのリアクションに耐えられなくなりました。

10歳のころに遠くに転校し、そこでは父親がいて一緒に住んでいるという設定にしました。何も突っ込まれないので一番楽でした。
しかし、それは嘘を重ねることになり学校でその場で書類に自分の父親の名前を書かなければならなかった際は名前なんて知らないので当てずっぽうで書いたりと、心に負担をかけながら生活をしていました。

大学生以降は正直に話した方が気が楽だと念じ、オープンにしましたが、父親がいないことが話題に出るたびに犯罪を犯したような罪悪感が今でも生じます。周囲の人は全くそのつもりはなく『へぇ、いないんだ』と軽い気持ちなのはわかっていますが、今まで嘘をつき続けてきた人に対する罪悪感が瞬時に現れます。

現在も父親が何者なのか全く知らず母も一切その話題を出そうともしませんし、隠し通そうという意思も感じます。母に聞く勇気も未だ持てず、これからも知ることなく生きていくことになりそうです。

ちなみになぜ離婚したことを知っているのかというと死んでいたらお墓参りに行っているはずですし、親戚含めみんな触れてはいけないみたいな態度をとったり、あとは見知らぬ名字で自分の名が書かれた名札を見たことがあることからの推測です。

ス:イツモアツイさん何が切ないってさ、孤軍奮闘してんだよね。
お母さんに自分が困ってる顔とか見せたくなかったんだろうと思うけど。お母さんに感情をわぁってオープンにできなかったんだろうね。だから全部自分で子どものころから対処してさ、そりゃきつかったろうね。
自分じゃなくてさ、親になんでうちはこうなんだよとか言ってれば何かしら親からリアクションが返ってきたりしてさコミュニケーションがとれたかもしれないけど。親は話す気ないし、聞いてこないしっていうところでずーっと自分で創意工夫しながら乗り越えてきたんだね。大変だったね、本当に。
でも大変だったって言われると罪悪感なんでしょ。ないよそんなの、関係ない。みんな1日に100個くらい嘘ついて生きてるんだから、今まで全然嘘だらけだよ。私、今38キロ。

み:それ明るい嘘じゃん。私なんか、ど暗い嘘がいっぱいある。

ス:ど暗い嘘っていうか言えないことでしょう?

み:言えない嘘。そんな人たちばっかりだから大丈夫ですよ。全然。みんな隠してることいっっっぱいあるから。知られたくないこといっぱいあるから。

ス:全然大丈夫。

み:でもなんか、これがちょっとしたしこりになっているのであれば母も一切その話題を出そうともしないし、母を気使ってあげているのもとってもわかるんだけど。
一回だけ、一回だけちょっと聞かせてって。一回だけチャレンジしてみてもいいと思う。それでなんかお母さまが嫌な顔したり、『その話はしない』って言うんだったら、「じゃあもうそれでいいよ」だし、もしかして何かそこで教えてくれていろんなことを、心がほどけることがあるかもしれないし、一回だけ聞いてみてもいいんじゃないかな。

ス:そう思う、私も。小さい石でも投げれば水面の輪が広がっていってちょっと何年後かにぽろっと出てきたりするかもしれないし。

み:なんかお母さんも本当のこと話してくれないかもしれないし、イツモアツイさんが傷つかないような話をしてくれるのかもしれないけど、それが真実だと思って。

ス:真実なんてないじゃん。

み:ないない。

ス:事実も真実もその人が見る距離と角度によって全然違うわけでさ。ね?
ラジオネーム匿名希望、48歳女性、これは親の方ですね。

こんにちは48歳のおばさん、娘はもうすぐハタチになります。
私は娘が3歳になる直前に離婚しました。離婚後、私の娘も同様に祖母には父親のことを話しても母親の私の前では気を使って話をすることはありませんでした。それを知ったとき、私も娘にどう話すべきか迷いました。
ある時(娘が4~5歳のころ)保育園へ娘を迎えに行った際クラスメートの二人の子から『A子ちゃんってお父さんいないんだよね?ねぇA子ちゃんのお父さんって死んじゃったんでしょう?』と大きな声で私に向かって言ってきました。なんて失礼な子、と腹が立ちましたし、一瞬答えに困りました。
しかし、その側で何とも言えない不安そうな顔つきの娘を見て、これは嘘をついてはいけないと思ったのとその子たちに言い返してやりたいという思いで「A子のお父さんはいるよ。死んでないよ」と答えました。『えぇ死んでないの?なんだ、いるのか。死んじゃったのかと思った』とこれまた失礼なことを言われました。

そしてこれがちょうどいい機会と思い、その帰り道に娘にお父さんの話をしました。A子にはお父さんがいること、死んでいないこと、お父さんとお母さんは一緒に住めなくなってしまったこと、今は3人では住んでいないこと、別に住んでいてもこの先ずっとA子のお父さんであることに変わりはないこと、A子が会いたければいつでも会えること、会っていいこと(本当は会ってほしくなかったです)、お母さんの前でもお父さんの話をしていいこと、お父さんのことで聞きたいことがあれば遠慮せず聞いていいこと、などなど。”理解できるかどうか”よりも”娘の不安を取り除いてやること”を優先し知りたいであろうことを話せるだけ話しました。

その後は、お父さんのことを時々話すようになりましたし、私も時々お父さんの話をすることにしました。「そういうところお父さんにそっくり!」とかちょっとした会話の中で出すようにしてみました。ちなみに娘は父親といまだ一度も連絡を取ったり会ったことはありません。
ある程度大きくなった今も会いたければ会っていいんだよと言ったことは何度かありますが『え、いい。別に会いたくない』という返事でした。遠慮か本心かは分かりません。

私の意見としては、嘘はつかず、話せることは話してあげていいのではないかと思います。例えばお父さんが浮気したなど話さなくていいこと(子どもが知らなくていいこと)もあると思います。話せる範囲で子どもが知りたそうなことを話してあげれば安心させてあげられるかもしれません。
一度安心できれば子どももそれは納得してお母さんの悩みも解消されるのではないかと思います。それでは皆さんご自愛ください。

ということで。
一方で、別の方でちょっと長いメールなのでご紹介は全部しないんですけど「はぁ。あなたのそういうところお父さんにそっくり」っていう母親が嫌いな元夫の血を引いている自分に対して呪いのような言葉をかけられることが辛かったっていう人もいたのよ。
だから単語の問題の話じゃないんだよね。「そういうところお父さんに似てるね!」、『どんなお父さんだったの?』ってなるか、「はぁ、そういうところお父さんそっくり…」って言われて『わぁ…』っていう罪悪感を押し付けられるか。
まぁでも分かれて子どもを引き取ってる方はさ、きついよね。だって本当だったら自分が誰かにすがってさ、「助けてくれ」って言いたいのに、でーんと構えていることを望まれるわけじゃん。日常生活としては。なかなかハードだよね。
誰もが簡単にできることではないなとも思う。でも子どもを不安にさせないっていうことを考えるとそれが良しとされてるのかもしれないけど、それが完ぺきでいけないから悩むというか後ろめたい思いをすることもないよね。

み:でも、なんかあれだね。シングルで一生懸命育ててくれてるっていうのを分かるがゆえにやっぱり大事にしたいっていう、相手を思いやりが人一倍強くなっちゃうから「これ聞いちゃいけない」とか、「ここ空気読んどこう」とか、本来の自分の思っているこうしたい、聞きたいとかなんかそういうとはまた違う我慢の要素が働いちゃうんだろうね。

ス:何かしらの影響を、それが自分の人生に与えるとは思うけど、誰にでもそういうところって必ず何かしらあるから、それが自分の負債だと思わないでほしいよね。

み:絶対そんなの負債でも何でもないですよ。

ス:思っちゃうときもあるじゃん、自分のできないこととかほかの家と違うことっていうのが自分にとっての負債になってしまうような気がする人もいるけど。

み:さっきね、あのイツモアツイさん27歳男性には、そのしこりをほどく意味でも「お父さまどんなだったの?」っていうのは一度お母さんと話してみたりだとか、っていうのもいいんじゃない?とかいう話もしましたけど、ちょっとこの方はクルイザキさん48歳の方ですけど。

私の母はお腹に私がいるときに別居をし、5歳の時に離婚しました。
父親と会ったのは小さいころに1度か2度。小さいころは子どもの純粋な興味として父親がどんな人なのかなと気になったりしました。大企業の社長さんだったらラッキーだなとか、草刈正雄さんみたいなかっこいい人だったらいいなとか、夢見る気持ちと同じで父親のパーソナリティ自体に興味を持った記憶はほとんどありません。
両親がいる家庭を知りませんし、母しかいない家庭が日常なので、父親がいないからといってそれに良い悪いとラベルを付ける発想もなく大人になりました。母は父親の話は全くと言っていいほどしませんでした。でも私はそれでよかったと思っています。
仮に母が父親のことを良く言ったとしても悪く言ったとしても子どもとしては別れた相手にとらわれずに自由に解放されてほしいと思ったと思います。

投稿者様がご心配されていた思春期はきっとお子さまはご自分のことで精一杯ですよ。一緒に暮らしていない父親に割けるCPUはないかもしれません。なのであまり心配なさらずにご自分の幸せを大事になさってほしいです。
父親がいなくても子どもは勝手に育っていきます。私自身は「自由に生きられてきてよかったなー」とさえ感じています。父親がいないことは不幸ではなく、後ろめたさを感じるようなことでもなく、何かと天秤にかけられるようなものではありません。
お母さまの投稿者さんができる範囲で愛を伝えていってほしいです。そしてご自身の人生を謳歌する姿をお子さまに見せてあげてほしい。

離婚したことを後ろめたく思わないでください。誰の許可もいらないと思うんです。ラベル付けは無関係の周りから無意識に無自覚に行われているのかもしれません。それでも愛を伝えられた記憶は強力でそんなラベルをものともせずにかわしていきます。何よりも母が離婚を後悔していない姿は心強いものです。
長文になってしまいましたがどうか素敵な人生を歩んでください。

泣いちゃう。

ス:なんで。どうしたの。

み:泣ける…。

ス:子どもがいる人はやっぱり思うところの、心の深度が違うんだろうなと思う。自分が子どもだったころのことよりも、自分の子どものことを考えると気持ちが揺さぶられるんだろうね。

み:でも本当に、父親がいないこと…でも当事者じゃないと分からないかもしれないですね。

ス:そうね、あんまり簡単には言えないよね。

み:でもクルイザキさんはそういう立場にあって、そう感じてたんだからこれもすごい応援のひとつですよね。

ス:あと、おばさんネームブルックハヤシさん。この人は親の方ね。この人ニューヨークのブルックリンでシングルマザーをしてるんですって。

8歳になったばかりの娘と二人で住んでます。
離婚したのは娘が1歳の時。離婚理由は旦那のぐーたら加減がひどかったことなどなどなど。そんな毎日に終止符を私から打ちました。アメリカでは、よほどのことがない限り別れた親にも子どもを定期的に会わせないといけなしので今でも隔週で娘は父親と週末を過ごしています。

そうです。法律でそこは決まってるわけです。会わせないってことはないんですね。

定期的に父親に会っているので特に私から理由を言わなくてもどうして父親が私に捨てられたのか、父親を自分の目で見て何となくわかっているようです。『ママがパパと一緒にいない理由が分かるよ』と言ってきます。
日本は別れた方の親とは会えない、会わせないというのがスタンダードだと思うのですが、子どもとしては会えない方の親が気になって仕方ないと思います。一緒にいたときの記憶があれば美化すらされていきます。
一緒に暮らしている方の親は叱ったりすることも多く、そんな時子どもは『もう片方の親と自分が暮らしていたらどうなっていたんだろう』と思ったりするもんです。
そこで必要なのは会えない別れた親からも愛されているのだということだと思います。日本だとなかなか難しいかもしれないですが、両親ともに自分を愛してくれているという実感さえあれば子どもの気持ちはかなり楽になるんではないかと。

まぁそう思える環境にある人はすごい運がいいよね。

「お父さんとお母さんはいろいろ会わなくて一緒に住まなくなったけど二人ともあなたのこと大事に思っているのよ」とちゃんと伝えてあげるのがいいのかなと思います。離婚理由を幼い子どもに正直に全部洗いざらい言う必要はないとは思います。

このご時世シングルペアレントはうじゃうじゃいます。自分を責めず愛情たっぷりで子育てすれば大丈夫だと思います、というかそう信じています。とはいえ、いろいろ悩むことも多いですがお互い頑張っていきましょう。遠い海の彼方から応援してます。おばさんシングルマザー強しです。

ということでラジオネームブルックハヤシさんから頂きました。なるほどね。会わないことによって会わない方が美化されていくっていうのは…なるほどな。
じゃぁ今回その一個っていうのはないのよ、結論は。

み:ないね。

ス:でもいいの。掲示板だからこれ。好きなこと書いて。

み:でもなんか、「あ、いっぱいいるんだ」って。思うだけで。いつもそう、なんか悲しいこととか嫌なこととか。こういう人いっぱいいるんだって。

ス:仲間はいっぱいいる。

み:同じような体験してる人いっぱいいると思ってます。
この方また違う考えでローヒールカキコさん45歳の女性です。ありがとうございます。

私は9歳の時両親は離婚しました。36年前のことです。母は養育費などは受け取らず働いて私たちを育てました。数年後母は再婚しました。
離婚に至るまでの数年、両親は毎日喧嘩を繰り返し、そのころの記憶は私にとって今でも暗く重いものです。今当時の思いを振り返ってみると母を悲しませてはいけない、母を心配させることを言ってはいけないと必死だったように思います。
子どもは想像以上に家庭内で起こっていることを分かっています。そして母親がどんなに隠そうと思っても目の奥の怒り、口元、口調から真意を読み取っています。
実父とは離婚後1、2回会いました。ただ実父に会いに行くまで、帰ってきてからの母の様子で、「あ、本当は会ってほしくないんだな」と分かり、その後は会いたいとか、聞かれても会いたくないと言って実父とは会うことはなくなりました。会わない間も実の父からは手紙が来ていました。

私がハタチを過ぎたころ実の父に連絡してみようという気持ちになり手紙にあったアドレスにメールを打ちました。連絡を取り始めてから母に父と連絡を取り始めたことを打ち明けました。
その時は何気ない様子で、『そうね、悪い人じゃないから』などと言っていた母でしたが私がずっと連絡を取っていることを気にしていたようで数年後、『まだ連絡とってるの?』と聞かれ、母を心配させたくないなと思いまた連絡を取らなくなっていしまいました。それが今年の2月のことです。

実の父親の記憶が全くない妹が実の父と実は連絡を取っていると言い出したのです。妹は私が実の父の話をするのを嫌がっていたのでどういう心境の変化かは分かりません。お互いおばさんになって子どもを育てる中で感じていることがあったのかもしれません。
メールをすると実の父からはすぐに返信があり、祖父母は最後まで私たちに『会いたい』と言いながら亡くなったこと、実の父も体調を崩していることなどが書いてありました。
私はそこから数日間後悔のあまり泣き続けました。恥ずかしいことに職場でもパソコンを見ながら泣いてしまうほどでした。「なぜもっと早く連絡しなかったんだろう」、「なぜ30年以上も先送りしたんだろう」、幼かった私は恐らく実の父に会いたかったのでしょう。
ただ私にとって母が本当に大切で母を悲しませる人に「会いたい」という私の気持ちは私は簡単に無視できたのだと思います。

子どもがいて離婚を考えている方に伝えたいことがあります。離婚の原因が虐待や暴力ではないなら、なんとか、子どもと母、父との関係は残せるよう、時々でも会う機会を与えてほしいです。
会わなくなると、子どもは『会いたくない』と言います。ただ、おそらくそれは問題を未来へ先送りしているだけになるでしょう。私は母が離婚したことはよかったと思っています。ただ、夫婦は離れられたとしても親子関係は永遠に残ってしまう。その関係をどうするかを幼い子どもに決めさせないために会う機会を定期的に作ってあげたいです。

そうは言っても自分がいざ離婚となったらその通りにできるかは私でも自信がないのですが、実の父とはコロナの影響ですぐには無理ですが会う予定です。お互い年を取りすぎました。

ごめんなさい。私が泣いちゃって。誰が悪いわけでもなくてね、こういうことってね。本当にね。

ス:はっきり悪人が決まってることなんてほとんどないじゃないですか。だから完全超悪のシンプルな物語が好まれるんですよ。

み:誰も悪くない。例えば暴力を振るった人だって暴力振るった裏に何かあっただろうしね。

ス:そこから離れなくちゃいけないし、その人を救う必要はないけれどもその人にも何かしら…

み:何かあったからそういうことをしてしまうんだろうしね。やっぱり、離婚せざるを得ないときもあるし…ね?すみません、何の言葉にもならないけど。

ス:私の友達は逆に「親が離婚してほしかった」って言ってた。ずっと。明らかに仲が悪いし家族の中でも冷たい空気が流れてるのに、二人とも世間体だとか子どものためにって言って自分たちをだしにして別れないでいて、すごいそれが嫌だったって言って。正解は決まってないんだよね。どうすればいいかっていうところは。それぞれ思うところあるんだろうけど。
うちなんかなんで離婚しないんだろうなってずっと思ってたけど。

み:なんでね、離婚しなかったんだろうね。

す:マンションがあれば離婚するのにってお母さん言ってたけどね。具体的~!でも多分あの人しなかったと思う。最近本当に思うんですけど、結局なんやかんや好きだったんだよ多分。ぞっとするわ本当に。えぇぇ!って思うけど。

み:離婚したくてもできなくて屍のように生きてる人たちもいるじゃない。嫌なんだけど、家がここしかないからとか、

ス:生活できないからとかね。ずっと主婦をやってたから就職できないとかさ。旦那が払ってくれるとは思えないとか、養育費とか。

み:こうやってなんかみんな…

ス:頑張ってんだよ!!!!

み:人生すごいよみんなの人生。ひとりひとりこういう人生歩んでみんな死んでいくんだよこれ。

ス:こういう人生が有象無象に街中に、ちょっとビルを見たらぶわぁーってあるわけよ。選択に次ぐ選択の繰り返しで変化していって、最終的に土に還っていくわけ。

み:私やっぱり橋田寿賀子先生が死んでから本当に思うからね。何回も言うけど。橋田寿賀子先生の安楽死っていう本を昔読んだな。

ス:死ぬタイミングって今選べないからね。生かし続けておくことを善としてしまっているからね。

み:こういう離婚の別れっていうのもなんか、選択肢がなくもう別れることしか選択肢がない場合もあるし、人と自分から別れていくタイミングとかどのタイミングで、とかどういう風にとか、永遠に続くものではないとかそういうことを考えますね。

ス:すべては流動的ですよ。シナリオはない。だからやっぱり私は自分の母親に、まぁ負荷は強かっただろうし、申し訳ないとは思わない。それは彼女の選択だから。私がそれを強いたわけではないから。
だけど私言われたんですよ、母親に昔、「うちは全然お父さんいなくても寂しくなかったよね、ママと私で全然楽しかったよね、お父さんいなくて寂しいと思ったこと一回もなかったな」っていう話を高校か大学の時にへらへらしながら母親と父親の前でしたら母親が『あら、それは私があなたの前でさみしい顔を絶対しなかったからよ』って言われて、それだ!と思って。
母親が死んでから母親の昔の日記帳が出てきたわけ。で、お父さんが全然帰ってこないみたいな、生まれる前によ、結婚したのに外行ったとかどんどんどんどん字がミミズみたいになっていくわけ。お父さんに「これ何?」って言って「なんでこんな日記を書かせるようなことして」って言って。『違うよ。帰ってくると角瓶一本空いてんだよ』って「酒かぁ~!」って。
だからすべてはおもろいんですよ。シリアスに切り取ろうと思えばすべての物語はシリアスになるし、すべての物語に間抜けな点を探そうと思えば間抜けな点はたくさんあるし、どの画角でどういう画を撮るかによって話って全部違ってきちゃうんだけど。どっちもあって人生じゃん、みたいな。

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次に投稿する記事で
このポッドキャストを聞いて振り返った
両親の離婚に対する自分の意見を書きたいと思う。

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