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戯曲(たわみ)ノベルの創作ノート

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主に〜10分程度の創作台本を並べています。
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2018年11月の記事一覧

『Disqualification』

『Disqualification』

「ハイツギー!!!」(和訳:はい、次)

図書館の入り口では、無愛想な小男が待っていた。
乱雑な手つき、品性に欠ける声。

「ココは叡智の楽園ヨ」

無数の本だけではない。デッサン・彫刻・人体図。楽譜や蓄音機の類まで、ここには全てがあった。
男の言う通り、ここは叡智の楽園。
しかし、訛りの強い言葉を話す彼は、お世辞にもこの“叡智の楽園”の番人には相応しくないように思える。

「目的ハ?」

しかし

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『ドラ○もん』エクストラシーン

『ドラ○もん』エクストラシーン

※これは『某漫画作品をパロディした舞台作品のカーテンコール後の小芝居』という設定で創作された架空のシーンの台本です

【登場人物】
伸哉(のぶや):大学生になって、ひょんなことから役者を始めた少年。どんくさくて下手くそ、と言われていたが、ドラマもんとの邂逅を通じて……?
ドラマもん:伸哉の部屋の引き出しから現れた謎すぎるタイツ男。俳優として成長するための色々な道具やアドバイスをくれる万能なお助けキ

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『フォーフロント・カスタムキャスト』

『フォーフロント・カスタムキャスト』

答えは簡単だった。
もし、人の体が好きにデザインできるものだったとしたら、その造形を神様に委ねる人間なんていはしないだろう。
デザイナーズ・ベイビー。人は人を設計する術を身につけた。
髪の色も、顔の形も、腕の長さも腰の位置も。
全てを好きに決められる世界に生を受けた私は、もちろん全てを好きに決められてこの世界に生まれ落ちた。
父と母が思いつく限り優れた人間としてデザインされた。

一方。父と母より

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