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統計資料の歪み - 航空需要

 当方は基本的に「数字を読む」ということが苦手なタイプです。興味・関心も弱いです。
 他方で、この半年間、連日連夜メディアで報じられる〔数値〕や〔グラフ〕の周知・着目の有意性への疑問については、一般平均よりは高く持っています。「本質外し」には呆れますね…

 そっちの方面に行ってしまうと月並みな展開(よくありがちな記事📖)だと思われかねないので避けておいて、と😞
 皆さんご存知のように、交通需要/人の移動が激減した状態が続いていますね。

 

 以下は、2020年6月25日 関西エアポート株式会社発表の資料、

【関西国際空港 2020年5月運営概況(速報値)】

より引用(抜粋)したものです。

◆〔便数〕〔人数〕〔物量〕という3つのカテゴリ数値を、国際/国内の2系統に分けた月間の集計値です。
◆【国際貨物量】は、積込=輸出/取卸=輸入とに細分化されていますが、参考程度でスルーしてください。大差ないですし🙄

 

カッコ内の減少度合い

にのみ注目してください。ここでは実数値の方はもういいです(;'∀')
※比較対象が前年同月である点 --- もちろん妥当な尺度です👍

◆発着回数 3,767 回(前年同月比 21%)
国際線: 2,798回(前年同月比21%)
国内線: 969回(前年同月比23%)
◆旅客数 36,113人(前年同月比1.0%)
国際線: 4,597人(前年同月比 0.2%)
国内線: 31,516人(前年同月比5.0%)
◆貨物量 54,818t(前年同月比 88%)
国際貨物:54,753t (前年同月比 90%)
・積込量: 24.830t(前年同月比91%)
・取卸量: 29,923t(前年同月比89%)
国内貨物: 65t(前年同月比 5%)

 

 さて、貴方の目👀では、どういう点に気が向きましたか?

 どんな『歪み』があると感じますか?

 

 〔便数〕としては、8割近いフライトが運休や欠航している状況で、【国際】【国内】に差はほぼありません。
 「そんなにも減ってるの!?」逆に「空港ターミナルのニュース映像では閑古鳥が鳴いているようなのに意外と多く維持しているとは…🙄」、「推測した通り」等、反応は様々でしょう。

 その際に、『〔人数〕は5%以下にまで低下しているのに〔便数〕として20%以上残しているということは、空席だらけになっても運航継続しているって意味になるよね』などと、一歩先行く解読(p_-)をなさるでしょうか👍💮

 

 本稿の着眼はその先です☝

この数字だけから感じ取れる、『歪み』とは?

 

◆もう一度、抜粋してお示しします🙇

○旅客数 36,113人(前年同月比1.0%)
国際線: 4,597人(前年同月比 0.2%)
国内線: 31,516人(前年同月比5.0%)
○貨物量 54,818t(前年同月比 88%)
国際貨物:54,753t (前年同月比 90%)
国内貨物: 65t(前年同月比 5%)

  

 よく見ると、すっごくバランスが悪いですよね😵

【国内貨物】は別として、

【国際貨物】は、1割程度しか減っていない

のですよ☝

◆国際旅客が99.8%減 に伴い
◆国際便数が2割程度にまで落ち込み
にもかかわらず、どうやったら
◆【国際貨物】輸送量を微減で維持

できるのでしょうか?

 

 運航会社による輸送の”足”👟が無い時代に突入したわけです。
 換言すると、貿易の維持・継続のために「なんとかかんとか、やりくりしている」結果の顕れ・実績値なんです。

 航空機と言えば、旅客が搭乗するキャビンがお馴染みですが、《航空貨物輸送》は、その人々の手荷物と共に、「床下」貨物室/円筒機体の下半分に搭載されます。
 ただ実状としては、そのような旅客便の貨物スペースのみならず、別途『貨物専用機 - freighter(フレイター)』(一便あたりのキャパシティが数倍ある)が運航していて、いずれかの形態で平時から輸送されているのです。

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 少しずつ繋がってきましたね💡
 旅客便大幅減で、空港の隅の方で駐機しっぱなしになっているのとは対比的に、世界のfreighterはフル稼働で上述の輸送キャパシティ大幅減の埋め合わせ+αをしているわけです。旅客輸送と対照的に《臨時便》《チャーター便》も多数✈

◆旅客便機材を使用して
①キャビンの座席には乗客を入れずに下段の貨物だけを輸送すべく運航
②キャビンの座席に貨物を”座らせ”、ヒト同様にシートベルト等で固縛して搭載(微量ずつですが💦)
③もっと改造
といった、通称『preighter(プレイター)』 - "passenger aircraft" & "freighter" を繋げた造語 に踏み切ったりしています😲

 

 そのような苦労や工夫があって、一般ニュースでは取り沙汰されない傾向にある実状が反映した「真実」の統計資料があり、そこから「おや?なにこの歪み?」との違和感💡をもたらされるか、という展開例について提起してきました。

 

 いいえ、《豆知識》を共有すべく情報をひけらかす主旨の記事ではないんです。

 

 これって、「商機」💴的な話ではないですよね。

 ”世界的流行”感が出てきた2020年初頭。
 頭をよぎった不安要素(先見性)はいくつもあったのですが、不幸にもどれもが現実化していく中で、本件に近い領域の

『国際貿易の大停滞/あらゆる物資が入ってこないことによってもたらされる日本社会・国民生活の大混乱😨』

だけは、当方の”予感”を外れてくれたようで幾分ホッとしています。

 

 お分かりになりますか?

 食料品や日常雑貨をはじめ、あらゆる製品(や原材料/素材)を貿易に依存している日本社会。それをこれほどまでに維持できているのは、メディアでもほとんど紹介されることのない”陰の貢献者”たちがいるわけですよ。

 運航側ではなくて、それを利用したり前後の”手はず”をしたりする役割の者たち👥
 当初から終始、相も変わらず、「停めるな!貿易!」と尽力し続けているのです💪

 

 『医療従事者への感謝』? もちろんです。子供だって分かります。
その気持ちを忘れはなりません🙅
~でも、多くの人はこれまでのところは”直接的”には…🙄

 この”禍”のもと、社会インフラの維持に底知れぬパワーで下支えしてくれていることを、できるだけ視野を広く見据えられるようにしたいものです。

※「ふた言目には」「偏った感謝対象」「メディアの限定的取り沙汰」…気になります。

 

 少し底上げして。
 「医療従事者さんに対してだけじゃないことは心得ている✌」と思った人の場合は、こうでしょうか🤔

 「宅配員さんありがとう」?
 「小売店の販売員さんありがとう」? もちろんです。

 でも、そんな、【誰の目にも見えるもの】ばかりではないですよ。

 物流・流通の根幹って、どこでしょう❔

 

この統計資料から、そこまで意識が及んで、

何だか一人で胸が熱くなった🔥
例年通りの猛暑だけれどいつもとは少し違う夏 ⛵🍧

一家言の長文に向き合ってくれた貴方には、何かが届いていると信じます😂

 

 

 

 

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