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お菓子のパッケージングのデザイン② - スカスカの箱が及ぼす副次的影響 +

 よくある「割高感」 - 通称『ステルス値上げ』の話ではないですよ💡
 
 写真を一瞥しただけで提起内容の予測がつき、「また同じ話か…」と思った方も何人かいらっしゃるかもしれません。これまで何度か、【お菓子などの食品の内容量が異なる】という要素を軸とした記事を公開しましたが、今回の写真はどうですか?

ビスコ-容積増大


 (味が違うことは抜きにして)これら二つのタイプを比べてみます。左が旧来のタイプで、その後右側の仕様のものが(も)店頭に並び始めました。

 〔5枚x3パック=15枚〕の左に対し、〔2枚x12パック=24枚〕になったので、内容量としては1.6倍⤴ 箱の表示を注意深く見て、ちょっと計算をすると分かる”数値”です。じゃあ、値段は? --- 2倍もしくはそれ以上とか…

 それが意外にも、「やっぱりか」の実態は無く、相応の売値でした。

 

 だとしたら今回、何に着目して展開しようとしているの?
 間接的に販売価格へも波及しかねない話。意外な方向へと進みます🤔

 

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 《右》を開封すると、こうなっています

ビスコ-容積増大2


 「ならば、内装袋が過剰ではなかろうか」という指摘だな?と推理した方🙋 確かにそれも気になりますが、あいにくハズレです。でもいいセンいってます👍

 【消費者として、注意力・観察力不足で損をしないようにしましょうね!】という過去の記事とは違う領域の懸案ですので、皆さんにはちょっと難しいかも知れません😡
 ただ、比較的に並べた最初の写真を見て、「内容量は高々1.6倍なのに、箱のサイズ(容積)は2.3倍くらいになっている!」という変化が気になったりしませんでしたか?

ビスコ-容積増大


 このような〔小売り箱〕は、より大きな段ボールケースに詰められて店舗に運ばれてきていることは想像できますね?その段ボールが、仮に従来と同等のサイズだとすると、上の写真右側の小箱を収めるとなれば、密度がより高かった従来のタイプよりも個数が少なくなります。

 また、本文内で述べた通り”割高(=実質的値上げ)感”は生じていないので、つまりは、「1ケース当たりの価値(=流通価格)は落としてしまっている」ことになります。

 とは言え、メーカーや小売店舗にとっては、(売り場面積が若干?増えてしまうだけで)直接的影響はほとんど無いのだろう、と想像します。 

 ではそれ以外にどういう所に影響するのでしょうか?

 

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 「店から家へ持ち帰るのに”かさ張る”」と指摘される方✋
 それはごもっともです。確かに『参照点依存症』的にはマイナスの変化ですが、それだけではありません🙅

 流通の全ての段階に影響が及ぶと考えましょう。
 つまり、注目すべきは〔トラックでの運送〕🚚の領域です。

 

 前述の段ボールケースは、荷造り用のパレットに積み上げられる等して、纏めて運送されますが、トラックの荷台に隙間なく積み込まれ、満載になっている様子をイメージしてください。
 「4トン車」や「10トン車」など、【最大積載量】が何トン、という表現を聞いたことがあると思いますが、実際のアルミバンボディのトラックは、その重量制限値にまで近づく積載をすることは滅多にありません。

《その前にまず”スペース”が足りなくなる》というのが実状

なのです。
 「もっと積みたいのに場所が無い」問題が先に立つのです☝

 そういうことであれば、今回の「かさ張る仕様変更」が何を意味するか、どのような副次的な問題を生じさせる要因となり得るか、連想できませんか?

 

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 積み合わせた結果、「トラック一台当たりの運搬可能商品量(価値)」が下がることになります。箱がスカスカなわけですから当然です。
 内容量的に同水準が流通し続けるのであれば、より多くの輸送トラックが必要となります。
 
 宅配便に関連する諸々の問題については近年では多く取り沙汰されましたが、路線の大型トラックに関しても「運転手の労働力が不足している」との問題が報道されています。つまり、本件で挙げた「たかが小箱のサイズ変更」であっても、意外な問題へと発展しかねない、という話です。

 とは言え、「物量業界のことなど関係ない」との感想をお持ちですか?基幹産業の〔非効率〕や〔合理性欠如〕は、たとえ間接的であれ、いずれ商品価格へと転嫁されるのだと思っておきましょう☝
 パッケージの”ごまかし改変”については、自分がうかうかしていなければそれでok、ではありますが、上述したような【社会的ロス(非効率)を伴うおそれ】を意識すると、残念な気持ちになります😩

 

 と、〔批判〕的な心象は抑え気味のニュアンスの上述でしたが…

 2022年。様々な商品の値上げが連日報道されていますね🥵
 その際、(【原材料費の高騰】に続いて)販売者側からの理由説明として挙げられている要素の一つに含まれていること、貴方も意識されてますよね?

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・・・何も〔因果関係〕として限定的結びつきを決めつけようとしているわけではないですが、本質思考の題材として、気に留めておいた方がよさそうです。

 

「小分けのされ方」という部分に注目してみましょう。消費者側のメリットとして、おそらく最大の要素がそこにあると思われます。
同じお菓子でも、【一袋にたくさん入っているもの】に比べると、【個装になっているもの】の方が割高ですが、特に子供にとって「少しずつ食べる=一度に食べ切らなくても良い」というメリットもあるでしょう🧐
 地球環境🌎にもやさしくないですね。個装だとゴミが増える…
 メリットは、「物流の末端で、段ボールを積み降ろしなどする際に、一つ当たりが軽くて作業がラクチン~🙆」

 他にどのようなデメリット/メリットがあり得るか、考えてみて下さい(^^)/

 いわゆる「自分目線」でモノゴトを捉えがちになってしまうのはある程度仕方のないことなので、本稿を丁寧に読んで頂いた方々どうし、相互に「気づき」をもたらし得る展開になるといいですね🤗

 

☝外箱の大きさ自体が異なるので明白☝
☟箱の大きさは同一☟

 

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