でもねっこ

9月中頃まで更新頻度落ちます。ご容赦ください。

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最近の記事

【禍話リライト】 立場逆転

 おばけというのは気まぐれなものでして時も場所も関係ありません。曰く付きの場所だろうが謂れの無い場所だろうが、ひょっこりと顔を見せます。毎日のように出て人を怖がらせるものもいれば、数年越しで人が忘れた頃に出てくるものもいます。きっと、この世に生きている我々の感覚で考えてはいけない存在なんでしょう。 ────────────────────  今はもう三十代の女性が昔体験した話です。当時彼女は高校生。両親と共に一軒家に住んでいました。  さてその家。トイレが一階と二階、両

    • 【禍話リライト】 彼氏の安アパート

       言わずもがな、という感じですが。家賃が他と比べて異様に安い物件には注意してください。  そんな物件に住む場合だけではなくて、招かれる場合でも。「おいでよ」なんて言われても気軽に行かない方がいい。そんな話があるんです。 ────────────────────  当時大学一年生のAさん。試しに入ってみたサークルで、生まれて初めて彼氏ができたそうなんです。  Aさんはいわゆる箱入り娘で。初めての一人暮らしも、セキュリティのガッチリとした学生用の立派なマンション。何もかも

      • 【禍話リライト】 深夜のファミレス

         二十四時間いつでも開いているお店っていいですよね。いつ行っても営業しているというのは、利用者としてありがたいものです。  ただね。深夜帯にファミレスへ行くのはちょっと考えた方がいいかもしれないんじゃないかなって話があるんですよ。  廃墟帰りの一行と夜を共に過ごすことになるかもしれませんからね。 ────────────────────  この話を教えてくれたEくん。当時彼はファミレスでバイトをしていて、シフトを深夜帯に入れていたんです。夕暮れに入って翌朝社員が出てき

        • 【禍話リライト】 こっくりさんの解説

           以前、こっくりさんが禁止されている学校の怪談をしたじゃないですか。忘れ物を取りに学校へ戻った女子高校生が怖い思いをするやつ。 (『踊り場こっくりさん』 13:50頃から)  あの怪談って結局、なぜあの学校でこっくりさんが禁止になったのか、という核心の部分が不明のままだったでしょう。  話を聞いた時そこがどうしても気になりまして。体験を語ってくれた女性に聞いてみたんです。その方、真面目で律儀な方なんですよね。「わかりませんけど、わたしの方で改めて調べてみます」なんて言っ

        【禍話リライト】 立場逆転

          【禍話リライト】 オーライ!

           もしもね。もしも、地元で「ここ、怪談に出てきた場所なんじゃね?」という場所を見つけたとしても、おばけが出てこないか試すようなことをしてはいけませんよ。 ────────────────────  以前、コンビニにおばけが出るという話をしたことがあったんです。  簡単にあらましだけお伝えしますと、そのコンビニの駐車場にバックで停めようとすると知らない男女のカップルがミラーに映る、という怪談です。  出発する時はバックで動かしても問題ないんですよ。ただ、駐車する時にバッ

          【禍話リライト】 オーライ!

          【禍話リライト】 翁面

           子どもの頃、放課後集まるといえば公園や誰かの家、それに住宅街の中の車のあまり通らないような路地でした。今はどうなんでしょうね。直接会わずともオンラインで簡単に繋がれる昨今、それでも子どもたちは集まって何事か遊んでいるのでしょうか。  いえ、何が言いたいかといいますと。この話は平成になって間もなくくらいの話なんです。もしかすると今の人たちに一部、上手く伝えられないかもしれないなと思いまして。遊びの内容というのは世代間で違いますからね。断絶があると言ってもいい。 ─────

          【禍話リライト】 翁面

          【禍話リライト】 後姿の知らない子

           百物語ってよくないな、という話なんですよ。百物語。ご存知ですよね。  何でもやってみろ、経験や体験は大事だ、と大人たちは言いますけどね。何でもやればいいってもんじゃない。 ────────────────────  この話をしてくれた方。女子大に通っておりました当時、大学非公認のオカルトサークルに所属していたそうです。メンバーは一桁だったといいますから、本当に少人数ですね。  それで心霊実験と称してこっくりさんとかやっていたんだそうです。  でもこっくりさんなんて

          【禍話リライト】 後姿の知らない子

          【禍話リライト】 小銭入れ

           怪談を集めていると、お話が尻切れトンボで終わってしまうことがたまにあるんです。  それでどうなったの、と知りたいのにそこから先は体験者も知らない、みたいな。現実のことですからね。何事もきれいに丸く収まるもんじゃない。それでついつい、深堀りしようと質問をおっ被せたりするわけですが……  逆に、時々わたしの方から「これ以上はもう大丈夫です」と引き下がることもあるんです。これもそんな話で。小銭入れはよくないな、って話なんですけどね。 ────────────────────

          【禍話リライト】 小銭入れ

          【禍話リライト】 仏壇だけの家

           廃墟の話でございます。例によって廃墟に行ってはいけないという話で。もし万が一やむにやまれぬ事情で行くことになったとしても、普通の廃墟ではないと囁かれている場所だけは絶対に避けてくださいね。火のない所に煙は立ちませんから。 ────────────────────  その廃墟には大きな特徴がありまして。家財道具一式、全て無いのに仏壇だけは残されているそうです。冷蔵庫とかの家電はもちろん箪笥だって無い家ですよ。ところが、仏壇だけはある。  玄関を開けると、まずおりんがある

          【禍話リライト】 仏壇だけの家

          【禍話リライト】 公園の集団

           先にネタバレをします。裏拍手ってご存知ですか。  知らない方に簡潔に説明しますと。裏拍手とは、手のひらではなく手の甲と手の甲で行う拍手のことです。死者が拍手をする時は手の甲を打ち合わせてするそうなんですよ。  知らなかった、という方はぜひ覚えて帰ってくださいね。 ────────────────────  例によってどの地域か伺っていません。とある地域の町内会長さんから聞いた話です。その地区には公園があって、そこを舞台に奇妙なことがあったらしいんです。  公園とい

          【禍話リライト】 公園の集団

          【禍話リライト】 トンネルの宴

           夜中の三時くらいでした。急に知り合いから電話がかかってきたんです。 「怖い話を聞いたことを思い出したから聞いてくれ」  そんなことをいきなり言われまして。そりゃあ、怪談を集めている身ですから。ありがたいっちゃ、ありがたいことですよ。  ただ時間を考えろと。後でそう一言申してやろうと身構えてその人の話を聞きましたらそれがまあ怖くて。すっかり文句を言う気力削がれましたよ。  それを今からおすそ分けするんですけどね。 ────────────────────  その人

          【禍話リライト】 トンネルの宴

          【禍話リライト】 となりの人

           壁一枚を隔てて隣あっているような、アパートやマンションのお隣同士というのは微妙な距離感です。一軒家のお隣さんとはまたちょっと違う。  部屋の防音次第では音を出すのに互いに気を使ったりなんかしてね。それでお互いに気を使い合えるからこそ「となりの人はまともなんだ」と多少は信用しても大丈夫かなとなっていく。  ところが世の中どうしても、まともな隣人ばかりとは限りません。 ────────────────────  この体験をした社会人のSくん。まだ若くて、めっちゃいい奴な

          【禍話リライト】 となりの人

          【禍話リライト】 踏切の音

           踏切の音って静かな環境だと結構遠くまで響くんですよね。夜、テレビやスマホの音を消して耳を澄ませば遠くの方でぼんやりとカンカン……と鳴っているのが聞こえる、なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。  これはそんな踏切の音にまつわる話です。 ────────────────────  その人、コンビニバイトのリーダーをされていた方で。ほら、いらっしゃるじゃないですか。正社員ではないけど、アルバイトとして長いこと勤めた結果、バイト仲間はもちろんのこと店長さんからも頼りに

          【禍話リライト】 踏切の音

          【禍話リライト】 わたあめ

           旅行する時、あなたは綿密に計画を立てるタイプですか。それとも行き当たりばったりの旅を楽しむタイプですか。両極端ではなくて、たとえば行きと帰りの便の予定だけ決めて後は適当気ままに、という方もいらっしゃるでしょう。  ただ泊まる宿だけはちゃんと予め決めておいた方がいいですね。誰だってよろしくない宿になんか泊まりたくはないでしょう? ────────────────────  当時すでに40代のおじさんの話です。気ままな旅をするのが好きな人で。  一泊二日くらいで行ける範

          【禍話リライト】 わたあめ

          【禍話リライト】 ガラガラガラ……

           「白衣の天使」という古語がございますね。いや、古語ではないですが。どうなんですかね。甲斐甲斐しく患者の世話をされる看護師さんのことを今でも白衣の天使と呼ぶのでしょうか。たとえそれが男性でも。  しかし天使というのは性別がないそうですからね。男性を含めて「白衣の天使」と呼んでも、そもそも差し支えはないもので。  まあ、それはさておき。看護師さんにまつわる不思議な話を一つしようと思うんです。 ────────────────────  その体験をしたRくん。ある時目が覚

          【禍話リライト】 ガラガラガラ……

          【禍話リライト】 女の絵

           人生、ふとした瞬間に取り憑かれたようにして何かにのめり込むことってありますよね。後になってから「どうしてこれにハマっていたんだろう?」と不思議になるような。  ただ、もしもあなたのそばに。よくわからないタイミングで何かに没頭しだした人がいるなら、注意して見ておいた方がいいかもしれません。 ────────────────────  これはかなり前にとある高校で起きた話なんですけどね。体験したKから聞いた話です。  その高校、私立のいわゆるヤンキー高校で。昼休みなんか

          【禍話リライト】 女の絵