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よそじの台所から【休みの食事 と 休みのこと】

夫なし。子は独立。
アレルギー対策に 油をやめ、お肉、乳製品、卵、小麦粉、お米や砂糖を減らした食生活。
「家族のためのご飯」を卒業した40代。主に自炊の記録 と 自分を観察する日記。

昨日は仕事が休みで3連休だった。
土曜の朝は喫茶店のモーニングを食べに出掛けた。
電車で一駅、ビルの2階にある老舗。
知ってはいたけれど、これまで出掛けなかったのは未だ「喫煙可能」な店だから。

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引っ越しから間もなく3か月、あちこちのモーニングに出掛けたけれど、モーニングタイムの客数はこの店が一番多かった。
オーダーをとりに来たオーナー夫婦の奥さん・・と思われる女性に、サンドイッチとアイスコーヒーを頼むと

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「アイスコーヒーはもともとガムシロップ入りだけどいい?」と聞かれた。
「そうなんですね」と答えると「うちはもう30何年ずっとそうなの!」
マスクで口元が見えないので、眉間のシワが不機嫌でできたものなのか、そもそもそういうものなのか・・判別がつかない。

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「ガムシロップ入りで大丈夫です」と答えた。
しばらくして注文したものを持ってきてテーブルに置いた。
サンドイッチにはサラダも目玉焼きもついてこないのに、塩も置く。
それが何か・・を聞く前に女性は

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「若い人は知らないと思うんだけどね、わたしたちの頃はサンドイッチって言えば塩をかけるものだったのよ。ちょっとかけてみてっていうとね、かけたほうがおいしかったなんて言ってくださる人がけっこういるの。」なーんて話しだしたら止まらず、「じゃぁやってみます」と切り上げようとしても話し続ける。

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眉間のしわは不機嫌でできたものではなかったみたいだ。
店内には4~6人のグループ客と、一人客が4人ほど。
その中で女性の声だけが響く。
そういえば、喫煙可能なわりにあまり煙草の臭いが気にならなかったな。
なんて観察していたら、写真を撮るのを忘れてしまった。

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早速サンドイッチを食べてみる。女性のアドバイス通り
ひとつはそのまま、もうひとつには塩をかけてみることにした。
塩味を試すその前に、パンが異様に柔らかくて驚いた。
次は塩味。切り口から見えるハムのラインに合わせて振ってみる。

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果物にかける塩の効果に近い・・パンの甘みが強くなった気がした。
お皿を下げに来た女性に「パンが柔らかくて、塩味もおいしかったです」と言ったら、嬉しそうにまたいろいろと教えてくれた。
引っ越し後に出かけた喫茶店では話しかけてくる人はいなかった。


引っ越す前によく出掛けたお気に入りの喫茶店では、カウンターに座れば店員さんが天気のことなど適度に話しかけてくれて
一人暮らしにわたしは、それが休日に唯一声を発する時間だった。

誰かとしっかり何かについて話したいわけじゃない。
こんな風に「今だけのこと」についてほんの少しだけ声を出す。
そういう時間があるっていいなぁ。

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家に帰って玉ねぎとにんじんとれんこんを干した。

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