ふたたび宮本武蔵から学ぶ
四六判の「小林秀雄全作品」第17集でも61ページにわたる『私の人生観』において、最後のおよそ1割は再び剣豪の宮本武蔵を話題にしてフィナーレを迎える。「観の目」「見の目」も含めて、『私の人生観』は宮本武蔵について述べている作品だという印象を持つ読者は多いようだ。
哲学者や思想家における文体侮蔑の話から、「別段、どんな風にうまくまとまりを付けようという考えもないから、前に触れた宮本武蔵の事について言いたい事で言い残した事があるので、少々補って終りにします」(p189)と話題を転