森海斗

エッセイとかを書きます。 愛読している雑誌は現代思想と百合姫ですが、片方しか購読してい…

森海斗

エッセイとかを書きます。 愛読している雑誌は現代思想と百合姫ですが、片方しか購読していません。

最近の記事

Text.2024.6/17~6/24

6/17 運転を見合わせております  17日午後12時26分頃、東京メトロ東西線高田馬場駅で人身事故が発生しかけた。ボケッと群衆の先頭で電車を待っていたところ、フラフラと線路に落ちてしまいかけたそうだ。話を聞く限りでは、別に死にたいだとかを強く思っていたわけではないらしいが、なんとなく、本当になんとなくフラっと重心が前方へと傾いたそうだ。なぜ起こり得なかった事件について知っているのか。私の話だからだ。  ここ最近、どういうわけか、生活と死の距離が近い。高所の柵に登ってみたり

    • Text.2024.6/9~6/16

      6/9 ICE  今日。私は一心不乱に包丁を振り回していた。アルコールの酩酊感がなければ生きていけない体質なのでハイボールをよく作る。ブロックアイスをグラスから溢れるほどいれてキンキンに冷やしたやつだ。そうでないとはわかっているけれど、氷がたくさんあると速く冷えるような気がするからそれをやめられないでいる。まぁそれが好きだから、最寄りのドンキホーテでよくブロックアイスを買う。ただこの日はいつもと違った。運悪く冷凍庫に入れ忘れてしまったせいで、氷のつもりで買ったそれは1Lの水

      • [詩]夜空とは、夜と眠れぬ珈琲か

        良い朝とは暫く会ってないと思う  Good morning! 良い夜とはよく会うんだけれど  おやすみ それは例えば今日だとか なんだか暗くて寂しくて どこか冷たくてあかるくて こっちを見てて それで 胡乱げで         「こっちを見てて!」 とかは言わなくて 抱き締めるようで空を切る その腕は俺であって 私たちみたいだね さあまた日が昇る 日が昇る 月は舞台から傍へと降りる 便宜上の朝に飲む珈琲に 月の裏側と影を見る 星の映らぬ夜空を思う 良い夜とはよく会

        • 「スモーク」を観た

          見た まず、「良い映画を観た」とだけ言っておきたい。大きな起伏や衝撃は用いていないが、画面から目が離せない。コクが凄い映画だった。  まだ観ていない方は、数人の登場人物たちが、各々の人生を生きるうちに人生を交差させていく映画。とだけ理解していてほしい。正直今回の記事とこの映画はあまり関係がないからだ。取り扱いたいのはタイトルにもなっている「スモーク」について。つまりタバコについてだ。 タバコ、というアイテム  紙のタバコが好きだ。まず火をつける。ジジジと減り、最後には消え

        Text.2024.6/17~6/24

          Text.2024.5/27~6/5

          5/27 ㌍  すっごい太った人を見た。彼女が建築物だとしたら、作画は弐瓶勉か士郎正宗だろうなと思うほどだ。1.5Lのコカコーラとサラダチキンを買っていく後ろ姿に対し、ささやかながら肉体の体積を減らす活動を行っている私としては仲間意識を持たざるをえなかった。  太い、細い。醜い、美しい。飽食の現代、痩せ身が美しさの基準であり、拒食などとわりと深刻な問題になっていたりもする。かと思えば数百年前では寧ろ太っていることこそが美の基準だった時代もあるというではないか。美しさとは所詮

          Text.2024.5/27~6/5

          Text 2024 5/18~5/25

          5/19 文学フリマ 文学フリマ東京に遊びに行った。訳あって来春より本に関わることとなるので、意識を高めようという名目でだ。す~っごい楽しかった。僅か1000円で入場できて、あれ程の熱量を浴びることが出来るならばスーパー銭湯よりも割りがいいと思った。まぁ結果としては20時間働いて手に出来るほどのお金を使ってしまったのだが。  漠然と「本を作る」というのは、出版社~書店~編集者~と、そういった世界のことだと思っていたが、書いてプリントして纏めれば本になり、そしてこういった場で売

          Text 2024 5/18~5/25

          ファミレス・イン・ホモ・サピエンス

          今まさに丁度この時間(2024/1/24/17:22)ファミレスで文字を書いている。横、くたびれたカーテン。隙間から西日が入ってくる、眩しい。終わりを告げるために赤く赤く染まるさまはまるで死のようで、寂しい。眩しいし、寂しい。正面の席には高校生のアベックが。"始まり"のメタファーかと思った。4人掛けの席の片側に荷物を追いやり2人は並ぶ。俺は1人だってのに。学制服に身を包み、2人は並んでドリンクバーを取りに行く。着席してもうっすら互いを見つめ合う。何か話しているのだろうか。おい

          ファミレス・イン・ホモ・サピエンス

          ほんの少しの気付き

          満たされない者の芸術が美しいのは暗闇で光ってるからなんだと思う。 今は虹になりたいし、青空もきっとそれを求めてる。

          ほんの少しの気付き

          Driver!

           最近よくドライブに連れていって貰っている。同じタイミングで免許を取得した友人と行くのだがもっぱら車を出してくれるのは友人で、保険未加入の私は助手席での盛り上げ役を買って出る。何度目かだなんて考えることを思い付かなくなるほどドライブをして気付いたのだが、車は疲れないうえに速いのだ。しかも冬は暖かいし、どうやら夏は涼しいらしい。そんな快適個人空間を持ち運べるようになってしまった弱冠二十歳のクソガキドモが、ドライブをしない理由を探す方が難しい。とはいえ夜行性の我々は深夜に意味もな

          私もそのようにします

          「目に入れても痛くない」とはまさにこの事だろう。いや、むしろ目薬。情愛、慈愛に満ち満ちて行く身体はどこか浮わついていて、「私」を操縦しているのは実は私じゃないんじゃないだろうかという錯覚に陥っている。 錯覚? 勘繰る。先週先々週の自身をもう鮮明に思い出せなくなってきた。明確に覚えている、と感じている事実(だろう)の大半はカメラロールを遡ってスクリーン越しに見た光景だけな気がする。寝ている間に乗っ取られ、幸せを享受している私は実は私ではなかったりしないだろうか。しないんだろうけ

          私もそのようにします

          、かも

           選択を間違える事がよくよくある。今日だってそう、かも。ただ人生というのは面白いもんで、あの時の後悔が今になって成功のきっかけになったりすることもある、かも。何にしろわからないことが多すぎるから何に対して断言なんてできない。ただ今のところ「あーあ」なんて口に出す暇も無いくらいで、グッと歯をくいしばっていないと立っていられなさそうだ。おかげ様で大人になるということが後悔と懺悔を積み重ねることだと認識するに至っている。不幸から幸に転ずることよりも幸から不幸に落ちていくことのほうが

          Present BOX

          一昨々日に久々に本屋に行ってみた。何も気にせずカゴに本をドサドサ入れていくと余裕で一万円を越えてしまったので泣く泣く本を選別し、五千円代で収まるように調整した結果漫画本ばかりになってしまった。「ウスズミの果て」「児玉まりあ文学集成1~3」「雷雷雷」「よふかしのうた18」あと唯一の小説「名称未設定ファイル」ほんの数日で全て読み尽くしてしまった。「名称未設定ファイル」に関してはショートショートという性質もあるかもしれないが一日で読みきってしまった。日頃鍛えている衒学的仕草に拍車を

          文字を書くこと

           Noteを始めてみることとする。動機は気が向いたから。もともと文筆業に憧れがあったという訳でもなく、そもそも文字を書くことも好きという訳ですらない。ただこうでもしないと自我が有耶無耶曖昧模糊、そんな具合に霧散してしまうのではないかという危機感を覚えたのだ。魂の輪郭を言葉で型どろうという試みである。ただ、自分から進んで書いているクセに書きながらビビっている。日頃「無知で愚かな私」のロールを演じることによって私は私にふりかかる嘲笑等のダメージとそれを呼ぶうすっぺらな自分自身から

          文字を書くこと