松山孝法

1987年生まれ 大阪市西淀川区にあるバーThe Intersectionのオーナーを…

松山孝法

1987年生まれ 大阪市西淀川区にあるバーThe Intersectionのオーナーをしていますhttp://intersection-osa.com

最近の記事

漆器・焼物探訪記〜輪島、高岡、角偉三郎、少々九谷、高島市古良慕〜

ここのところ精神的に全く安定せず辟易としている。 まず、第一に僕はメンヘラだとかリスカだとか、ODみたいな事が大嫌いで仕方ない。命を弄ぶ権限は誰しもが持つ数少ない"自由"であるが、大体そういう事柄を承認欲求や自意識の延長線上として戯れ続けている人間は、別に死のうが生きようがどうでも良いような愚鈍な人間どもである。 と強がってはみたものの、僕も精神のアップダウンが激しい人間である。きっと、病院や心療内科へ行けばAなんちゃらかんちゃらであるだとか、境界性なんちゃらかんちゃらだの、

    • 焼物探訪記〜唐津、小石原、小鹿田、別府竹細工、工藝風向〜

      焼物を見まくろうと九州各地へ出向いた所感、第二弾。 今回の焼物生産地巡りは大枠を把握するための旅でもあり、好きな窯元を見つける!みたいな玄人ではまだ無く、とにかく大枠の各焼物の特性を知るための旅であり、さながら好きな音楽のジャンルを見つけるため、その後にそのジャンルのレーベルやバンドを探すという順序、準備のためである。 自分はどういうものが好きで、愛おしく感じ、痺れるのかという手前の美意識を改めて見つめ直す旅であった。 大体自身がどういった物が好きで、痺れるのかという事は既に

      • 焼物探訪記〜波佐見〜

        ここのところ心身共に不調で、暇も金もある事であるしと、かねてより数少ない趣味である器、焼物を愛眼、蒐集する旅に出かけようと、九州の気になる生産地を巡ることにした。 器に関しては、個々人の趣味趣向、数寄心によってその良し悪しが決まる部分が多い。 映画や音楽、文学、美術品等も究極的に言えばそうなのだが、鑑賞を目的とした骨董品を除き、使用を前提とした食器や茶器は普段使いするために蒐集するのであって、実用が主目的な事において上記の文化物とはその点において、大きく違うのである。 広い

        • 社員旅行によせて

          私は、学校や地域の行事が大嫌いだった。 全くナンセンスで、くだらない慣例に付き合わされるのは御免だと強く思っていた。 しかし、何故そんな人間が"社員旅行"を企てるに至ったか。 バブル崩壊より30年以上が経ち、先進国間の経済体制の激変、その潮流に全く立ち遅れてしまった日本。かつて保守的な経済体制、家庭内手工業的な零細中小企業が戦後の繁栄を支えてきた事は火を見るよりも明らかである。 しかし、その構造も精神性も全て雲散霧消し、今やその形骸化した根性論だけが残り、我々の日常から暗雲は

        漆器・焼物探訪記〜輪島、高岡、角偉三郎、少々九谷、高島市古良慕〜

          漫画読書雑文「奈良へ/大山海」2021年

          連載をリアルタイムで読んでいた作品を単行本で買うという経験は久しぶりの事だ。 長らくそういった体験から遠ざかっている。元々漫画読みではないので、友人の漫画好きなどから僕に合う作品を選出して貰ったり、偏愛している漫画家・原作者のものを読んだり、ネタ的に面白いものを違法な何某かで読んだりする事くらいになっていた。 しかし、最近のWebコミックの興盛で、SNS上で流れてきて響いた作品を読むという新しい読み方が一つ増えた。 本作は、その新しい読み方の中で出会った作品であり、「奈良へ」

          漫画読書雑文「奈良へ/大山海」2021年

          映画鑑賞雑文「I,Tonya」2017年

          昨日シネフィルである旧友と暇潰しに京都へ出かけ、その際に最近観た映画で本作が良いと熱弁を受けて、退屈で仕方ない日々なので早速観てみた。 彼は邦画を黒澤明以外嫌悪しており、鈴木清順の狂った最高作品「殺人狂時代」を薦めてこの間観たが途中で断念したとの事だ。旧友というのはこの程度が良い。おべんちゃらが一切なく、趣味趣向が違っていても共存共栄出来るものだからである。 さて、I,Tonyaであるが、これは実話を元に作られた作品である。フィギュアスケートに関して全く興味が無く、どちらかと

          映画鑑賞雑文「I,Tonya」2017年

          映画鑑賞雑文「山中貞雄作品」

          たまたま床屋で読んだ雑誌に山中貞雄の人情紙風船に関して書かれており、そう言えば山中貞雄の名前はたまに見たなと思って、Amazonプライムに完全に近い形で現存する三作品全てがあり全て観終えた。 山中貞雄よりも中島貞夫の作品を好きでよく観て、いつも山中貞雄と中島貞夫を誤謬していて、広く浅くのサブカル少年上りにありがちな体たらくであろう。 件の山中貞雄、1930年代に活躍して夭折した伝説的映画監督であり、またその作品が現存するもの3作品しかなく、またその早熟と出征後の病死により、そ

          映画鑑賞雑文「山中貞雄作品」

          漫画読書雑文「東京市松物語/大山海」2017年

          俺は若者が嫌いである。 それは俺が"晩年"を過ぎた33歳のおっさんだからである。 若くもないのに、若い奴らに擦り寄るおっさん、おばはんでロクな奴らを見たことがない。 おっさんとおばはんは大人しく、金とコネだけを与えておれば良いのだ。ガキ共に対しては。 ふとしたきっかけで、大山海という漫画家と出会う僥倖が去年の終わり頃にあった。 実は彼の作品をトーチwebというなかなかに面白いweb漫画誌で読んでいて、好きな作家だった。 会ってみると、期待を裏切らない暗さの中に鋭利なハンティン

          漫画読書雑文「東京市松物語/大山海」2017年

          映画鑑賞雑文「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!」2013年

          Just what is it that you want to do?) We want to be free We want to be free to do what we want to do And we want to get loaded And we want to have a good time That's what we're going to do (No way, baby, let's go!) We're going to have a goo

          映画鑑賞雑文「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!」2013年

          映画鑑賞雑文「ジョーカー」2019年

          もう公開時、全世界的に話題になっていたジョーカー。これが話題になっている時代は不幸か幸福か。というマルクス的な英雄を云々というので捻くれても仕方ない。 これ、劇場でわざわざ当時観に行ったのですが、その時は「なんやねん。思いっきりスコセッシやんけ。というかタクシードライバー舐めんなよ!こんな病気の無思想な人間なんかよりトラヴィスの方がよ!」と悪態を吐き、「まあデニーロを射殺したのは世代交代的な演出としては悪くねえ!」 などと宣っておりました。 今回、Netflixでまだ未鑑賞だ

          映画鑑賞雑文「ジョーカー」2019年

          映画鑑賞雑文「けんかえれじい」「東京流れ者」 1966年

          鈴木清順作品は殺しの烙印、大正ロマン三部作、特にツィゴイネルワイゼンには恐ろしく痺れたというサブカル少年あるあるな人生を送ってまいりました。 そこでAmazonプライムでこの2作品が上がっており、本当にサブスクは定期的に、微妙にその監督の代表作と外れたものを出してきてくれるので有り難い限り。 「けんかえれじい」に関して、観始める前からアナキズムだったか、何かの本で言及されてて、結局反抗とは国家へ向かっていく云々のような例で挙げられていたのだけど、全く思い出せず、観ることに。

          映画鑑賞雑文「けんかえれじい」「東京流れ者」 1966年

          映画鑑賞雑文「マトリックス」1999年

          最近、ディストピアSFものの小説にハマってまして、その流れで映画作品も観ていこうと思い立ち、そういや「マトリックス」も反管理・反監視社会への反逆を描いているという文脈で語られてたよなと思って、もう20年ぶり位に観ました。 ガキの頃に観た時はよくあるハリウッドアクションものとして消費して、スローモーションになって弾を避けるシーンなんかを、よくパロディーにされてたり、ゴッコ遊び的にやってたよなーみたいな事も思い出しながら。 観終えて思った事は、ウォシャウスキー兄弟がオタクってこ

          映画鑑賞雑文「マトリックス」1999年

          Why I am not closing my bar.

          Today Osaka prefecture issued an official request to suspend operation of businesses. Of course, this was done as a measure to prevent the spread of COVID-19. The bar I am running is an obvious subject of this request, which urged bars and

          Why I am not closing my bar.

          何故、当店は自粛しないのか。

          本日より大阪府下にて、休業要請のお達しが出た。 もちろん、コロナウイルス拡大防止のためである。 当店が該当するバーという形態は休業要請のド対象であり、居酒屋などの他業種も酒類の提供は19時までで、開店時間は20時までとの要請である。 当店はその要請に対してハッキリと拒絶の意志をこの場に示したい。 今、国からのさまざまな貸付や、給付金も殆ど本決まりとなっている。 この要請に対し、大阪府も国の給付に合わせてプラスする形で検討しているとの事だ。 しかし、いや待てよと。検討して

          何故、当店は自粛しないのか。