空港生活

突然だが、私の自己紹介をさせていただく。
私の名前はDaniel-J Bernardone-Stclair.
国籍は日本、オーストリア、リトアニア。
血はさらに多くの国、人種、民族のものが混じっている。
身長は170の中ほど、体重は54kg。
体は絞っており、ある程度鍛えているが、この二週間ほどで、訳あってだいぶ縮んでしまった。
私は今年の初夏にヨーロッパ某国で起業をし、一応会社の設立者の1人として、会社の株をいくらか保有している。
最高経営責任者と名乗ることが認められている設立者たちだったが、私は経営についてはあまりよくわからないので、私は共同経営者兼共同設立者兼従業員代表という立場にあった。
仕事は日本文化についての記事を書くこと。
一文字につき3セントという、悪くない待遇だった。
意味だけ通る雑な記事を書き、それをあちらに送信して、編集翻訳された形で発表される私の記事。
英語版、フランス語版など、各国の言葉に訳された記事を見るのが最近の娯楽の一つだ。
というのも、私は現在空港で暮らしていた。
世界中のどの空港かは、身バレを避けるために伏せておく。
なぜ私がこんなところにいるのかというと、それは、単純に財布をすられてしまったのだ。
中に入っていたキャッシュカードには、記事の給料が振り込まれる上にそれなりの額が入っていたので、現在は銀行に連絡を取って使用できないようにしている。
私は、胸ポケットに入れておいたカードケースの中身だけで再発行されたキャッシュカードが届くまでの間を過ごさなければいけなくなった。
カードケースに入っていたのはクレジットカード。
利用限度額は最低額に設定している。
借金は嫌いなので、利用限度額を上げるつもりはなかったが、そうも言ってられないかもしれない。
まるでホームレスだ。
いや、確実にホームレスだった。
今では日本円にして1日1000円ほどの金でやりくりをしている。
私の空港サバイバルが始まったのは、9/27のことだった。

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