#00 戦中戦後青春のおぼえがき「草笛の記」 / はしがき
草笛の記戦中 戦後 青春おぼえがき
はしがき
本書は戦中の軍国主義教育と、戦後の荒廃した社会、教育の混乱の中をさ迷った名もなき一少年の、生きざまを伝える覚えがきである。
主人公は、私自身であるが、ややもすると陥りがちな誇張を避けるため、わざと他人称「花山 三吉」とし、その思考、行動のすべてを客観的に捉え、かつ表現するようにつとめた。そのためもあって、覚えがきふうに書いてみた。
しかし何といっても、五十年以上も前のことがらである。
いま、手元に当時のことを記録