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#09 【戦中|小学生時代】ついに始まってしまった戦争「欲しがりません、勝つまでは」
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舞台
(福岡県)久留米
人物
主人公 :花山 三吉
家族構成:父、母、七人兄弟(五男二女)
三吉は四男坊
題名
草笛の記
物語
戦中 戦後 青春のおぼえがき
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第一章 幼少時代
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第二章 小学生時代
(一)支那事変勃発す
軍都 久留米の動き
忘れ得ぬ先生たち
(二)国民学校の発足
軍国主義教育の台頭
遊びは戦争ごっこや水泳
(三)太平洋戦争へ突入
木銃・木刀・薙刀を量産
骨折入院で文学書乱読
第二章 小学生時代
(一)支那事変勃発す
軍都 久留米の動き
三吉が小学一年生の七夕祭りの日、中国で戦争が始まった。
日本軍は怒涛のように進撃し八月には北京へ入城、十二月中旬には首都の南京を占領した。これに対して蒋介石が率いる国民政府が徹底抗戦を宣言したこともあって戦火は中国の奥へ奥へと拡大していった。
久留米市は第十八師団、二万五千人の駐屯地で、陸軍の全兵科が市街の周辺に駐屯していた。日を追って軍隊の動きが活発になり、三吉たちは日の丸の小旗を振って、出征兵士を見送った。また月を追うごとに見送りの回数が多くなっていった。兵士たちは完全武装で、ラッパの響きも勇ましく、足音高く、軍用列車が待つ駅へと行進していった。
召集令状がきた男たちは、親戚、縁者と一団になって、高良山の大社の社頭で必勝を誓い、武運の長久を祈願した。街角には兵士の門出に間に合うように「千人針」の一針を願う婦人の姿があった。
久留米市周辺の山野では、軍隊による実戦さながらの演習が毎日続き、大砲や機関銃、小銃などの発砲音が大地をゆるがせた。近くの軍用太刀洗飛行場の爆音もますます高まっていった。
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