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#07 【戦前|幼少時代】才能に愛されたデキ過ぎな長兄


舞台

(福岡県)久留米

人物

主人公 :花山 三吉
家族構成:父、母、七人兄弟(五男二女)
     三吉は四男坊

題名

草笛の記

物語

戦中 戦後 青春のおぼえがき


第一章 幼少時代

(一)大家族に育つ

祖父の死のショック
「くるまや」全盛時代 

(二)父母のこと

仕事ひとすじの父 
父、良木への思いひとしお 
大家族を支えた母 
自然に恵まれた母の実家 

(三)雄大な筑後の山河

長兄、ふるさとの四季を描く ★
故郷の象徴、高良山と筑後川



第一章 幼少時代

(三)雄大な筑後の山河


長兄、ふるさとの四季を描く


三吉は幼児期にカタカナ文字や、ハーモニカ・草笛を覚えた。市立久留米商業学校へ行っている八才年上の長兄(利男)が、熱心に教えてくれたのである。

長兄はハイカラさんであった。楽器のバヨリンを弾いたり、水彩画のほかに油絵を描いたり、ハーモニカを吹いたりした。絵は風景画が得意で、三吉を連れてしばしば写生に出かけた。付近の景色は春、夏、秋、冬いつも美しく、東西南北のどの方角を描いても、画題に困ることがなかった。

長兄は画才があったのか、新聞社主催の中学校絵画展覧会で、何かの賞に入選した。そのことを同新聞が写真入りで記事にしたので、絵を座敷に掛けておくと来客が、ひとしきり褒めたあげく持っていった。近所の家からも望まれて、さしあげたりした。


続く

坂田世志高


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