DiO(Daisuke Oi)

経営コンサルタントとして活動していますが、創造性を研究するなかで、自らアーティストにな…

DiO(Daisuke Oi)

経営コンサルタントとして活動していますが、創造性を研究するなかで、自らアーティストになることを目指すことにしました。これまで論理的思考の世界で生きてきましたが、真逆の世界に足を踏み入れてみて感じたことを共有します。2021年大阪芸術大学(通信)芸術学部美術学科(油画)三年編入。

マガジン

  • 絵画におけるイノベーションとは何か?

    自分の作品テーマを検討するために、印象派、キュビズム、デュシャン「泉」、アンディ・ウォーホル 、ゲルハルト・リヒター、村上隆などが、なぜ、すごいのかについて検討したいと思っています。毎年、たくさんの芸大生が卒業し、アーティストを目指すわけですが、多くは途中でその活動をやめてしまいます。それはコンセプトメイキングに問題があるのではないかと思い、自分はそこをきっちりと検討し、いくつかのシリーズ化した作品を生み出したいと考えています。

  • 芸大の授業はどのようなものなのか?

    2021年4月から大阪芸術大学(通信)美術学部美術学科(油画コース)3年生に編入しています。ここでは芸大の授業がどのようなものなのか?を紹介しつつ、芸大の授業を通じて、アーティストのような創造性を獲得できるのかの人体実験をしていますので、その模様を共有させて頂きます。ご笑覧ください。

  • 言語化できなかったこと

    自分に何が足りないのかから端を発し、論理的思考方法(サイエンス)と、直感的思考方法(アート)について、何となく考えていたことをまとめてみました。

最近の記事

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アーティストを目指すきっかけと現在地

2022年3月23日 現在、経営コンサルティング会社「株式会社日本FBMコンサルティング(https://jfbmc.co.jp/)」の代表として、ファミリービジネス(オーナー・同族会社)に対して、「経営」「所有(株式)」「家族」の観点から総合的かつ専門的なコンサルティングサービスを提供しています。 そのような仕事をしながら、最も縁遠いと思われるアート分野に足を踏み入れきっかけとなったのは、経営コンサルティングの仕事をするなかで、社長さんらと話していると、みなさん本当に創

    • 絵画歴史のイノベーション その10新しいアートの世界「猪子寿之(チームラボ)」

      前回のゲルハルト・リヒターを紹介して絵画歴史のイノベーションは終了と考えていたのですが、先日、豊洲にあるチームラボの作品を観て衝撃を受けたので、第10回目として紹介することにしました。 これまでチームラボの作品は、水族館なり、いろいろな場所でプロジェクションマッピングの作品として観てきました。当時は、ちょっとした商業的なイベントであり、アート作品としては観てきませんでした。なんか面白いデジタル商品だなって感じでした。 しかし、この豊洲のチームラボプラネッツを体験するとその

      • 絵画歴史のイノベーション その9抽象絵画の最高峰「ゲルハルト・リヒター」

        ゲルハルト・リヒターの作品がオークションに出ると、すごい値段で落札されます。例えば、Abstraktes Bild (809-4)という作品が2012年当時史上最高額の約27億円で落札されました。また、2020年にはAbstraktes Bild (649-2)をポーラ美術館が約30億円で落札しました。 パッと見、いや、じっくり見てもよく分からない、また、子供でも書けそうな絵ですよね(笑)仮に子供が同じような絵画を描けたとしても、その絵画には高値で売買されません。なぜでしょ

        • ゴリゴリの理系人間が芸大を卒業した雑感

          思い立って2021年4月に大阪芸術大学の3年生に編入し、早いもので3年が経ち、2024年3月末に無事に大阪芸術大学を卒業することになりました。 ちなみに、1年目の雑感はこちら。2年目の雑感はこちら。卒業制作の雑感はこちら。 芸大に行ってどうだったのか?芸大に行ったことで、ゴリゴリの理系(ロジック/左脳)人間にどのような変化があったのかについて、記載したいと思います。 今回は大阪芸術大学通信部美術学部美術学科に入学したわけですが、通信といっても、レポートやオンラインだけでは

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        アーティストを目指すきっかけと現在地

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        • 絵画におけるイノベーションとは何か?
          12本
        • 芸大の授業はどのようなものなのか?
          8本
        • 言語化できなかったこと
          7本

        記事

          卒業制作を終えた雑感。

          早いもので、芸大生になって3年が経とうとしています。 ちなみに、1年目の雑感はこちら。2年目の雑感はこちら。 芸大生3年目の2023年度を総括すると、 「絵に向き合えなかった1年」でした・・・ 仕事にプライベートに忙しく、ゆっくりと絵に向き合えませんでした。さらにいうと、自分にも向き合えなかったのだと思います。絵を描くことは、自分と向き合うことと同意ですから。 夏のスクーリングは絵画を描く系の授業は10日間ほどに留まりました。ちなみに2年目は36日間あったので、かなり少

          卒業制作を終えた雑感。

          学芸員資格講座。

          アーティストになるべく、大阪芸大の3年生に編入し、創作活動をしているのですが、せっかく、アートを学ぶならということで、ついでに学芸員の資格取得講座に参加することにしました。 元々、絵画鑑賞は好きで大学時代から海外旅行の際にもルーブルやオルセーなどの美術館を巡ってきました。そんなわけで観る側の視点に加えて、企画する側の視点も養いたいと思い、学芸員資格講座を受講しました。 学芸員とは?そもそも学芸員がどのようなものなのかはウィキペディアに任せるとして、簡単にいうと美術館などの

          学芸員資格講座。

          芸大2年目を終えた雑感。

          早いもので、芸大生になって2年が経ちました。 ちなみに、1年目の雑感はこちら。 1年目はそもそも油絵の扱い方すら知らない状態でしたので、その点、2年目は余裕を持った形で過ごすことができたと思います。 絵を描く系のスクーリングは2年目の夏と冬で計6科目(36日)がありました。スクーリング時は朝9時30分から18時10分まで丸一日芸大で過ごすことができますので、結構、作品づくりに集中できます。 特に、冬のスクーリングからは卒業制作に向けて課題が設定されない(自由に描く)講座

          芸大2年目を終えた雑感。

          絵画歴史のイノベーション その8スーパーフラット(村上隆)の誕生

          村上隆さんはご存じでしょうか。こんな感じの髭ズラ、ちょんまげの方です(笑) 初期の作品はフィギュアが多かったように思うのですが、当初はオタクなアーティストと思っていました。ただ、村上隆さんは東京藝術大学を卒業し、さらに東京藝大で博士号まで取得したちゃんとしたアーティストなんです。今回紹介するような作品だけではなく、過去は作品らしい作品を作成して発表していたと思います。ちなみに、弟の村上裕二さんは最近ゴジラをモチーフにした日本絵画を作成してブレイクしています。 村上隆はオタ

          絵画歴史のイノベーション その8スーパーフラット(村上隆)の誕生

          絵画歴史のイノベーション その7具体美術の誕生

          これまで西洋絵画を取り上げてきましたが、今回は日本での絵画のイノベーションについて取り上げたいと思います。 日本では具体美術、海外では「GUTAI」と呼ばれた創作活動についてです。具体美術の説明に入るまえに、日本の美術界について、少し触れておきましょう。 日本の美術界日本に「美術」というカテゴリーができたのは、1873年のウィーン万国博覧会に日本政府が出展する際に、ドイツ語の訳語として「美術」としたそうで、日本での美術界の誕生は案外新しいそうです。もちろん、縄文式土器に代

          絵画歴史のイノベーション その7具体美術の誕生

          絵画歴史のイノベーション その6ポップアートの誕生

          ここまでラスコーの壁画からアートの歴史について振返ってきましたが、今回はアンディ・ウォーホル(1928-1987)のポップアートを紹介したいと思います。 ざっくりとアートの歴史を振り返ると、ラスコーの壁画、人物画、風景画などは、当時、カメラのような記憶媒体がなかったために、目の前の人物や風景を記録として残しておきたいということだったと思います。しかし、19世紀以降、カメラの登場によってアート界が大きく変化します。単に記録するということであれば、わざわざ絵画を描く必要はなくな

          絵画歴史のイノベーション その6ポップアートの誕生

          絵画歴史のイノベーション その5アクション・ペインティングの誕生

          ここまで絵画におけるイノベーションとして、印象派、ピカソ(キュビズム)、抽象絵画などを取り上げてきましたが、アートって自由だと分ると思います。 今回はアクション・ペインティングのジャクソン・ポロック(1912年アメリカ生まれ)を取り上げたいと思いますが、まずは彼の代表作品を見てもらいましょう。 アクション・ペインティングの誕生カンディンスキーの抽象絵画ともカテゴリー的には一緒のような気がしますが、違いはこれは筆を使って描いていないところです(笑) では、どのように描いてい

          絵画歴史のイノベーション その5アクション・ペインティングの誕生

          絵画歴史のイノベーション その4コンセプトアートの誕生

          これまで絵画の歴史におけるイノベーションとして、印象派、キュビズム(1907年)、抽象絵画(1910年)と見てきましたが、いよいよ作家が作品自体をつくらない時代が到来します。 既製品がアート作品?はい、これはなんでしょうか? 男性諸君なら分かるかと思いますが、これは男性用トイレを上から見た写真です。 これはマルセル・デュシャンが1917年に発表した「泉」という作品で、レディメイド(既製品)と呼ばれる作品で、男性用小便器を横に対して、デュシャンが偽名「R.MUTT 1917

          絵画歴史のイノベーション その4コンセプトアートの誕生

          絵画歴史のイノベーション その3抽象絵画の誕生

          これまで印象派、ピカソのキュビズムを取り上げてきましたが、どちらの絵画も何が描いてあるかは分かるかと思います。ピカソの「泣く女」といっても、確かに泣いている女の人に見えます。対象となるモデルをどのように観たらそう見えるのかは分かりませんが(笑) いよいよ、絵画を見ても、一瞬何をモデルとして描いているのかが分からない絵が誕生します。それがカンディンスキーのコンポジションシリーズです。 大学講師から画家に転身したカンディンスキーコンポジションシリーズの第一作目が1910年に発

          絵画歴史のイノベーション その3抽象絵画の誕生

          絵画歴史のイノベーション その2キュビズムの誕生

          これまで絵画の大きな歴史の変遷「絵画の歴史その1」を振り返り、絵画でのイノベーションの第一弾として、「印象派の誕生」を取り上げました。 印象派の次のイノベーションと言えば、やはりピカソのキュビズムだと思います。印象派までは言っても何が描いてあるかはなんとなく分かりますが、キュビズムは何が描いてあるが分かるようで分からない、どう見たらそう見えるのかが全く分からない絵になっていきます。例えば、キュビズムの代表作であるピカソの「泣く女」は確かに泣いている女性であることは分かります

          絵画歴史のイノベーション その2キュビズムの誕生

          絵画歴史のイノベーション その1印象派の誕生

          これまでラスコー壁画から絵画の歴史をざっくりと振り返ってきましたが、ここからはそこから絵画の世界にどのような革新(イノベーション)があったのかを紹介したいと思います。自分もアーティストとして活動するために、そのような視点で作品作りに取り組みたいと考えています。 ラスコー壁画からルネサンスまでは「絵画の歴史 その1」をご覧ください。 ルネサンスから写真の誕生までは「絵画の歴史 その2」をご覧ください。 絵画の歴史で振返った通り、19世紀後半(1888年にコダック社がカメラ発

          絵画歴史のイノベーション その1印象派の誕生

          絵画の歴史 その2ルネサンス期(14c)から写真の誕生まで

          「絵画の歴史 その1」では人類の誕生から振返ってみましたが、ここでは我々が美術館などで鑑賞できる絵画について振り返ってみます。 ルネサンス期における絵画の目的古い絵画のイメージとして、宗教画があると思います。イエスキリストなどが描かれている絵画ですね。 宗教画が描かれた目的は、端的に言うと、その宗教の信仰を広めるためです。聖書といった経典があったわけですが、当時は文字が読める人も少なかったので、聖書に書かれていることを知らせるための1つとして、絵に表現して理解してもらう必

          絵画の歴史 その2ルネサンス期(14c)から写真の誕生まで