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絵画歴史のイノベーション その5アクション・ペインティングの誕生

ここまで絵画におけるイノベーションとして、印象派、ピカソ(キュビズム)、抽象絵画などを取り上げてきましたが、アートって自由だと分ると思います。
今回はアクション・ペインティングのジャクソン・ポロック(1912年アメリカ生まれ)を取り上げたいと思いますが、まずは彼の代表作品を見てもらいましょう。

アクション・ペインティングの誕生

ジャクソン・ポロック「No.5」(1948年)

カンディンスキーの抽象絵画ともカテゴリー的には一緒のような気がしますが、違いはこれは筆を使って描いていないところです(笑)

では、どのように描いているかと言えば、キャンバスを床に置き、筆などを使って絵具を上から垂らして描いています。このような技法をアクション・ペインティング(ポーリング)と言います。ポロックは1943年頃からこのような技法で絵を描くことになりました。

ポロックのアクション・ペインティング その1
ポロックのアクション・ペインティング その2
ジャクソン・ポロックの作品

ポロックのすごさ

ポロックのすごさで言えば、カンディンスキーの抽象絵画は音楽などを表現していましたが、モチーフ(対象物)が全くないということでしょうか。また、キャンバスは立てかけて描くものでしたが、床に置いて描いたのも新しかったと思います。これはインディアンが砂絵を床に置いて描くことに影響されたとも言われいます。

あと、悪い意味となりますが、ポロックは1950年頃からアルコール依存症を患い、1956年に自動車事故を起こし、44歳の若さで亡くなります。画家はピカソのように91歳まで生きる長寿か、自ら命を絶ったりする短命のどちらかのイメージがあります。。。

ポロックが有名になったのは、絵画「No.5」が2006年のオークションで当時最高額1億4,000万ドル(1ドル=100円としたら104億円)で落札されたことでしょうか。その後もポロックの絵画は億を超える価格で取引されています。

アクション・ペインティングのひろがり

日本画を代表する千住博さんの「ウォーター・フォール」などもアクション・ペインティングの1つかなと思っています。この絵をどのように描いているかと言えば、立てかけたキャンバス(日本画などの和紙)に日本絵具を上から垂らして、その後、筆で加筆しています。
現代アートの展覧会に行っても、アクション・ペインティングの技法を使って描かれた作品も多く展示されています。なかなかの影響力ですね。

千住博「ウォーターフォール」

次は、「絵画歴史のイノベーション その6ポップアートの誕生」を紹介します。

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