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ホームレスチャレンジ 進展

このnoteでは割と正直に思いのままを書いている。
Twitterとインスタは20%、noteは60%、実際に会ってくれた人には80%程本音で話している。
noteまで読んでくれている人はもうお分かりだと思うがホームレスチャレンジの新の目的はフォロワー数を増やすことではない。
それは数ある目標の1つで先生の家を出る口実に過ぎない。

僕にはずっと心に引っかかっている経験がある。
インドで物乞いに何もしてあげられなかったことだ。
3歳くらいの子供が自分の関節を外して芸を見せたり、同情を誘うためにわざと自分の身体を傷つける。ペンを売る少女や手足がない人。
インドには日本だけで生きてきた人には想像もつかないようなたくさんの種類の物乞いがいる。
テレビやメディアで見るそれとはまったく違うもっとディープな世界が広がっている。
僕は今までYES MANでなんにでも挑戦しよう、気の向くままに生きようと二つ返事で海外に飛んだりととても肯定的な人間だった。
だから最初は物乞いにもお金をあげていたし、同じ人間なのに自分より小さな子が想像を絶する苦しい思いをしていることが可哀そうだと本気で思っていた。
物乞いの中に赤ちゃんを抱える老婆がいる。
生まれて2週間ばかりのやせ細った赤ちゃんを抱えてどうしようもないんだというような顔でこちらを覗いてくる老婆。
目の奥に映る絶望のドス黒さに引き込まれそうになった。
お金をあげると黙ってその場を去っていく。
哀愁漂うその姿を今も鮮明に覚えている。
世界は全然平等なんかじゃない。
生まれた国や環境ガチャで大きく左右される。
そんなことを思いながら物乞いにはできるだけお金をあげていた。
そして後にそれが犯罪を助長していることに気づく。
赤ちゃんはどこからか誘拐されてきて2週間程で死んでしまう。
実母でも実の子でもない、マフィアみたいな組織が裏でお金稼ぎのためにやっている。
誰かがお金をあげている限りその犯罪はなくならない。
後にそれを知った時は心にぽっかりと穴が開いた。
YES MANだった僕が初めてNOという必要性を感じた瞬間だった。
本当に困っている人と、それを利用する人の区別ができない未熟な自分へのもどかしさ。
その他にも日本企業のCSR活動が全く役に立っていなかったり、そもそも詐欺師に中抜きされているなどインドではたくさんのそうした実態を見てきた。
インドに限らずそうした光景は今もなお世界中に存在しているだろう。
僕たちには知らなければならないことがたくさんある。
自分の何気ない行動が犯罪を助長していたと気づいたあの日から僕にはその後悔がずっと身体の周りにまとわりついていた。

どうすればその後悔を晴らせるか。
きっと一生忘れることはない。
だけど寄り添うことはできる。
世界に限らず日本にもそうした問題はたくさんある。
その一つがホームレス。
なぜこんなにも豊で救済主義の日本にもホームレスがいるのか。
おそらく記事やメディアで見る情報と実際の情報は齟齬がある。
だったらまずはその生活を実際に自分が体験しよう。
どうせするなら自分も何か成長できるような仕組みがいい。
今の自分の知恵や思考力がどこまで通用するか知りたい。
極限状態になった時に自分がどんな行動をとるか知りたい。
そんな思いも持って大学を卒業しホームレスチャレンジと銘打って就職活動もせず自転車とバッグ一つで家を出た。
上野公園で寝てみたり実際に新宿や新大久保を拠点にしているホームレスと話したりした。
結局自分は池袋で持っていたペンを売ることができそれを元手にすぐに宿もお金も得ることができたのだが条件が同じではないことに気づく。
年も違えば状況も、育ってきた環境も違う。
そう、ホームレスも一人の人なのだ。
自分も実際に生活を体験しホームレスの方と一対一で関わって初めて無意識のうちにホームレスと一括りにしていたことに気づく。
ホームレスに対して一人の人、個人として接している人は日本にほぼいない。名前を聞こうという発想になるか。
ニュースで見る社会問題や個人が作り上げたイメージでしか見えていない。
だからいつまでたってもイメージは悪いままで問題も解決に向かわない。
「ホームレスだってなりたくてなっているわけじゃないのだから~。」
「そうした人に配慮した政策を~。」
そんな風に綺麗ごとを言うのは簡単でそうした人はたくさんいる。
そのうちの何人が実際にホームレスと面と向かって話したことがあるか、
何人が同じように外で寝たことがあるか、
何人が本当の生活や事情を知っているか、
何人が炊き出しや支援を実際に自主的にしたことがあるか。
一人一人事情も違うわけでそのことに向き合わなければきっと問題は解決に向かわないだろう。
そうした社会問題を語る自分に酔っている人がほとんどで結局は就活や承認欲求だったりと最終的な目的は自分に向いている人も多い。

かくいう自分もまだまだ未熟で実際に全く同じ生活をすることはできない。
だから段階別にレベルを設けた。
知人に頼らない。
お金を持たない。
少しずつ条件を近づけていく。
僕は若く、考える力もあるからおそらくすぐにホームレスの生活からは脱出できる。
けどその過程でたくさんのホームレスと会い話し、一緒に寝たりする中で気づくこともたくさんあった。
ホームレスを体験したことがない人が勝手に困っていると思うことと実際に生の声を聞いて本人が本当に困っていること。
ずれが結構あったりする。
実際に求めているのはお金はもちろんなのだが靴下や下着、靴などやってみて初めて気づく大変さもあった。

このホームレスチャレンジの目的は
「本当に困っている人が必要としているものを見極める力をつけること」
その力がつけば世の中の数ある社会問題の当事者により寄り添った解決策や支援ができるしなによりどんなことをするとしてもこの先その力は役に立つだろう。
僕はこれから色んな国や地域を旅する予定だ。
これからもきっとたくさんの残酷な世界や、複雑な世界を見ることになるだろう。
そうしたものにばったり会った時に本質を見抜く力を持っていたい。
短い人生、全ての人と出会うのはきっと無理だろう。
救いたいなんておこがましいことは言わない。
でも最低限出会ってくれた人、助けてくれた人が困った時に力になれる知恵や知識は持っていたい。
拡散力(フォロワー数)もその力の一つ。

今回の中級モードを実際にやってみて一歩自分が踏み出せたと実感したので残しておく。
まずたくさんのフォロワーさんに助けてもらった。
ホテルを遠隔で取ってくれたり、ご飯を奢ってくれたり、物資を支給してくれたりと本当にたくさんの見返りを求めない優しさに触れた。
ホームレスチャレンジをするなんて傍から見たらきっと馬鹿げていると思われてもしょうがないしTwitterではすべてを語ってないので誤解や誤読をする人も多かっただろう。
にも関わらず会って話しを聞いてくれたり僕個人に興味を持ってくれたり、DMで応援してくれる方もいてとても嬉しかった。
このいただいた恩は少しずつ周りに還元させていただきます。

行列のできるハンバーグ

スマホとパソコンだけで家を出たのに気づけば人生で一番バッグが重いんじゃないかというレベルにたくさんのものをいただき自分のためにお金を使わないというルールを設定した。
このルールを設定してから全てがいい方向に回りだした気がする。
自分が頑張れば頑張る分だけ実際に困っている人に還元できる。
それがモチベーションになった。
きっとお金を使えば簡単に生活もできてしまう。
でもそれをしなかったからこそ本当に必要なものが見えてきたし、浮いたお金でそれを購入して配ることでものすごく感謝してもらえた。

配ったもの

昨晩貰ったものをまとめて、5,000円で靴下と下着を買って渋谷のホームレスに配って回った。
 「靴下だけでいい。あとは他の人にあげてくれ。」
 「本当にありがとう。助かった。手汚いから申し訳ない。」
 「何とかして本買うよ!」
 「夢は何?」
など一人一人全員と話をして握手をした。
全員に心の籠ったありがとうを何回も言われた。
中には自分の本をなんとかして買ってくれるって言う人や、
お返しにおしるこをくれたり、
手が汚いから申し訳ないよって握手をする前にわざわざ公衆トイレに行き手を洗ってきてくれた人もいた。
大変な生活をしているのに、僕に配慮する行動をとってくれることに感動した。
固定観念や偏見、レッテル、名前、その先にいる人を見ることができる人が増えてほしい。
案の上終電を逃し2時間歩いたが、
インドで何もできなかった不甲斐ない自分に自信を持って成長したぞ。
そう言ってやれる長い夜だった。


~流れを見る力〜

このチャレンジ中、感じたことをおまけで書いておく。
流れを見る力の重要さ。

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ホームレスの記事に貴重な時間を使って読んでいただいてありがとうございます。 支援のお礼には私の好きな言葉をランダムで送ります。 皆様にとっていい日になることを祈っております。 私も全力で今を生きます。