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BAND☆やろう是

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皆様も何時しかあった学生時代。男子。 本当に色々多感な時期に、かっこいいと思い、一度は手を染める執着があると思います。 ファッションであると黒い召し物、シルバーのアクセ。スケボー… もっと読む
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記事一覧

BANDやろう是 第一二章 祭りの後

 ライブ会場を後にした僕達は、無言のまま帰宅していた。迎えに来てくれた眞由美さんでさえ何…

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小説BAND☆やろう是 序章 告白

 あれは、僕が高校生最後の冬だった。  北風が厳しく、身も心もちぎれてしまいそうになる危…

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小説BAND☆やろう是 第二章 兆候

 あの日に語り尽くした仲間達とも変わらず仲良く過ごしながら季節は初夏を迎えていた。  だ…

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BAND☆やろう是 第三章 困惑

 次の日の朝、僕はいつもより早く登校する事にした。仲間達に昨日起きた出来事を早く伝えたか…

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BAND☆やろう是 第四章 対談

 自転車に乗って急いでトースの家へと向かった。  幸い学校からさほど離れていない距離にト…

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BAND☆やろう是 第五章 始動

 空を見上げると雲ひとつない青空で、今朝学校に行く前に見た朝のニュースで7月に入っている…

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BAND☆やろう是 第六章 調練

 八月三十一日に行われるイベントの内容を智さんから聞かされていた。 『場所、松山サロンキティー。1ステージの持ち時間三〇分。バンドの入りは午後十四時。会場は十七時で開演時間は十八時。』  との事である。  リハーサルは音出しついでに二曲だけという事で、智さん曰く非常に厳しいものらしい。とりあえず僕も釣られて渋い顔を作って相面してみたのだが、やはり今の僕には何が厳しいのかがさっぱり分からなかった。  選曲はクレイズのコピーが二曲で、残り三曲は智さんが作ったオリジナルソングを

BAND☆やろう是 第七章 会議1

 いつも練習の後は『オオサカ堂』の道を挟んだ所にある『丸々亭』という軽食店でスタジオ内に…

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BAND☆やろう是 第七章 会議2

 気がつくと目の前にいたはずの智さんと大ちゃんの姿はなく、僕を挟んでの両端の二人は相変わ…

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BAND☆やろう是 第八章 戦…前日

 僕は眠れずに夜空を見ていた。  吹く風がやけに強く、雲がまるで生き急ぐ群衆のように犇め…

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BAND☆やろう是 第九章 当日の朝

 ふと目が覚めて時計を見てみると、早朝五時を差し掛かるところだった。  寝る前にアラーム…

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BAND☆やろう是 第十章 当日・本番まで 1

 サロンキティへと辿り着き、控え室へと戻ると、やはりつまみ食いだけじゃ物足りなかったのか…

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BAND☆やろう是 第十章 当日・本番まで 2

 どうなる事かと思いきや、あっという間にリハの時間も過ぎ去り、後片付けを終えると後は本番…

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BAND☆やろう是 第十一章 本番

 遂に開場時間になり、次々と客がサロンキティへと入り始めた。それを二階から見ていた僕達は、予想以上の客の入り用に、驚愕していた。 「めっちゃ入っとるなあ…。」 「なんか緊張してきたなあ…。」  どこか弱気な声を上げているのはイータダとトースであった。その横で鼻歌交じりに髪にスプレーをかけていた大ちゃんは言った。 「そりゃこんな祭りに客が殺到しなきゃ何かの間違いだろうさ。」  そんな向かいの席で、自身の顔に髭剃りを施している智さん。 「然り。それなりに腕が鳴るってもんだ。な