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本当にフリーターを希望するの?

高校や大卒後にフリーターになりたい・・という記事やHPなども散見するが・・・本当にいいのかしら?親の立場から一言書きます。


|フリーターとは

フリーターの明確な定義はないが、Wikipediaでは

「フリー・アルバイター」の略称であり、日本の年齢15歳から34歳の若者(学生は含まれない)のうち、正社員・正職員以外の就労雇用形態(契約社員・契約職員・派遣社員(登録型派遣)・アルバイト・パートタイマーなどの非正規雇用あるいは日雇い)で生計を立てている人(労働力人口)を指す。英語圏では「パーマネント・パートタイマー(英: permanent part-timer、恒久的な部分時間労働者)」と呼ぶことが多い。

と記載しています。
厚生労働省関係のHPなどでも明確に定義しているものはないですね。

|ニートとフリーターの違い?

ニートとフリーターの違いも分かりにくいかもしれませんね。
一時「ニート」という言葉が流行語になったこともあります。

この二つの大きな違いは、労働意思の有無といえるのではないでしょうか?
つまり「働く意思があるかどうか」、「働いているのか否か」ということになります。

一般的には、ニートは「無職かつ働く意志を持たない人」であるのに対し、フリーターは「無職の状態であっても働く意思がある人やアルバイトまたはパートで働いている人」のことを指します。
※参照:厚生労働省 10代・20代を中心とした「ひきこもり」をめぐる地域精神保健活動のガイドライン

|フリーターの分類

労働政策研究・研修機構は、フリーターを以下のタイプに分類しています。

① ステップアップ型・・- つきたい仕事への勉強・準備・修業期間として、特定のゴールを持っている。

② モラトリアム型 ・・・ 人生を楽しみたいと考えており、正社員登用を意図的に忌避し、職場のラットレースに参加しないことを選択している。夢追求型 - 仕事以外にやりたいことがある(副業)。

③ やむを得ず型・・・ 正規雇用を志向しながら、それが得られなかった(不完全雇用)。新卒一括採用にて取り残された人々。

ということです。
なるほどとは感じるものの、いろいろなご意見があるところでしょう。
しかし今回はこれをベースに考えていくことにします。

|フリーターにも意義がある?

前記記載した労働政策研究・研修機構の示す三つのタイプをベースに考えると

①の「ステップアップ型」は、ある程度意義深いものがあると思う。
つきたい仕事への勉強・準備・修業期間として、特定のゴールを持っているという場合にはそれなりの自己研鑽と様々な業種等を経験することで、スキルアップを図ることもできるのだろう。

一方で、目的やゴール達成時期をいつまでとするか期限を明確に切らないとだらだらと過ごしてしまう可能性も捨てきれないです。

そして結果的に定職を持つことなく非正規やアルバイトを続けるという最悪のパターンがリスクとして存在するということです。

②の「モラトリアム型」 の場合には、あえて正社員登用を意図的に忌避することとし、職場のラットレースに参加しないことを選択しているであり、将来に対する不安を強く感じますね。
仕事をすることよりも趣味その他の夢追を追求するというパターンですから・・。

③の「やむを得ず型」は、 正規雇用を指向しながらも、それが得られなかったため、いわゆる非完全雇用やアルバイターの形態になったものです。新卒一括採用でいわば取り残された人々といえますね。
ある意味気の毒であり、早期に正規雇用を目指して欲しいものですね。

目的を持って学校卒業時にフリーターを志す人がいるとすれば、そのメリット、デメリットをしっかり確認していますか、親とよく相談をしましたかといいたいですね。

職業選択は憲法上自由であるが、少なくとも高校卒業する歳は”成年”となる年齢でぁり以後の契約等は原則として全て有効。取消すことができない立場であるということも再認識して欲しいですね。

|卒業後のフリーター
高校や大学を卒業したあと、直ちにフリーターとなり、それで一生を送れるかというとどうでしょうか?

テレビ番組に登場する〇〇博士などと超秀でた吾人は別だが、一般的な人はなかなかフリーターとして生き抜くことは厳しく相当な覚悟が必要なのではないかと思う?

現にフリーターとして生活している人もいるが、しっかり生活できているのはほんの一部。職業選択は自由なのでフリーターを否定はしませんが、一般的な人生設計というか流れとして、就職、結婚、出産、育児(子育て)、子供の学校・・・、子供の結婚、年金暮らし、終活といったパターンが想定されるところでが・・・・。フリーターとして生活するとなると、いったいどういう設計があり得るのでしょうか?

|フリーターのデメリット

デメリットと捉えるかどうかは個人的な人生設計の上でどう考えるかということにつきるかもしれませんが、「ハタラクティブ」というHPを参考に、厚生労働省の「令和元年就業形態の多様化に関する総合実態調査の概況『(6)各種制度等の適用状況』(23p)」に掲載されていたデータを参考に、フリーターと正社員の待遇を比較した内容を以下示します。

いわずもがですが、雇用保険、健康保険、厚生年金、企業年金などの各種制度が正規社員向けには充実していますが、フリーターに対しては低調であることがわかりますね。

フリーターは健康保険等もいわゆる協会健保などの対象としていないため国民健康保険で対応しなくてはならなかったり、厚生年金についても対象としているところは少ない状況にあることから国民年金だけということになります。
国民健康保険税や国民年金掛金を、個別に納付しなければなりません。

また以下の表は退職金や賞与制度の運用状況ですが、フリーター等に対する支給制度が設けられている企業は少ない状況にあります。

このようなことからも正社員との関係において、生涯給与(収入)や年金、傷病時の医療保険制度、休業時の補償などに大きな格差が生じること推察できます。

もちろん一生フリーター生活ではなく起業して成功している人もおりますが極めて例外的といえるのではないでしょうか。

引用:厚生労働省「令和元年就業形態の多様化に関する総合実態調査の概況『(6)各種制度等の適用状況』(23p)」

|おわりに_親の立場から

私も親です。親の立場からいうと
○ 学校卒業後は定職、特に可能なだけ正社員になって欲しい。
○ 人生設計をしっかり持って欲しい。
○ 親は先に死ぬ、成人した子の面倒は見切れない。
ということです。

子どもがフリーターやニートなどの場合、本音として世間体もあるし、何よりもこの人生の先々に不安を感じます。

学校卒業後直ちにフリーターを希望する場合には、現在の国民的意識の中では「問題児」や「変わった人」というお墨付きがつくかもしれませんね。
その覚悟があればよいとは思いますが・・。
まずはご両親等のことも考えるべきではないでしょうか?

いろんな家族形態や親子関係、親の子供の仕事に対する考え方などもあろうかとは思いますが、ぜひフリーターを希望する人は、何をどうやりながら今後の人生設計をするのかをよく考えていただきたいですね。


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