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南アジアを舞台とした多文化SF「サイバラバード・デイズ」

<SF(16歩目)>
多文化(マルチカルチャー)SFの名手の作品で、南アジアを想う。

サイバラバード・デイズ
イアン マクドナルド (著), Ian McDonald (原名), 下楠 昌哉 (翻訳),
早川書房

「16歩目」は多文化SF。特に、同じアジアとは言え、日本とまったく異なる南アジアのインドにかかわる作品。

著者のイアン・マクドナルドさんは、多文化SFがとてもうまいです!色々な多文化が交わるところを舞台にしたSF作品が多い。また、ガチガチのハードSFではなく、文学系で「愛(love)」が主体の作品に美しくまとめあげられている。

最初に注釈ですが、彼の作品は「翻訳者」によって大きく左右される傾向です。

ちょっと多文化SFは、翻訳者にも多文化の素養(文化的な背景への理解)が求められるようです。

しかし、インドで仕事をしていて感じた「マサラ(沢山の香辛料)」の味と香りが際立つ作品です。インドという国を知らない日本人はいないが、理解している日本人はとても少ない。
インド的な思考を含めて学べます。

「インド」
現在、世界最大の人口大国。そして、月にも日本に先駆けてロケット着陸を成功させた(特記事項は、コストがJAICAに比して「激安」)、民主主義国、等々からまた「インドブーム」が来ると思います。
そんな頃にこの作品は文庫化されて多くの人に読まれそうです。

個人的には、「サンジーヴとロボット戦士」「カイル、川へ行く」「暗殺者」「小さき女神」がおススメです。(全て、翻訳者が中村仁美さんです!)

そもそもの文化等の背景が全く異なる多文化SFの世界からは、色々と学べることが多いです。

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