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宮内悠介さんの守備範囲の広さが垣間見える「超動く家にて」

<SF(126歩目)>
SF、ミステリ、文学。どんなお題も作品にしてしまうすごさを感じた。

超動く家にて
宮内 悠介 (著)
東京創元社

「126歩目」は、宮内悠介さんの短篇集、やっぱりすごい。
どんな話題でも対応OKなのが垣間見える。すごい。

「トランジスタ技術の圧縮」
宮内さんの「盤上の夜」同様に、ゲームにかかわる作品。
この作品で発揮されている想像力が素晴らしい。
というより、「トランジスタ技術」の冊子で、こんな世界を描き出せることに驚きました。実写化されたとのことですが、「文字」の方が宮内さんの「強さ」が伝わります。

「エターナル・レガシー」
得意の「囲碁」の世界ですが、「MSX三部作」でもある。
自身で作り込み、自身で遊びつくさないと描けない世界。
この様な世界を作品まで昇華できることが羨ましい。おそらく「一つのお題」に対して幾つかの作品が描けるのは、大学時代に修得されているのか。ワセダミステリクラブの、イイ感じのわいわいがやがやを感じました。

「クローム再襲撃」
ウイリアム・ギブソンの有名作品をパロったとカンタンに言ってはいけない、マニアックな構築があり、とても激しい闘いの末にできた作品と感じました。ちょっと「乾いた笑い」もいいです。私は、発表されるかは別として、宮内さんなら「クローム襲撃」を元ネタにして、既に何作品も描かれていると思いました。そのうちの1作品の「乾いた笑い」です。
他の作品も読みたいです。

「星間野球」
個人的には、この短篇集では最も好きな作品です。
宮内さんのマジメ系の「エクソダス症候群」や、突き抜けた「スペース金融道」にも通じるオモシロい作品でした。

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