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"私とコミュニティの話"連載Vol.2<しげちゃん さん>

「私とコミュニティの話」連載第二弾!

暮らしのサービスcircleでは、‘‘人と関わり合いながら暮らす‘‘ことについてお話を伺う連載、「私とコミュニティの話」をお届けしています。

今回は、世界中を旅した経験があり、東京日本橋・小伝馬町のゲストハウス「HOSTEL DEN」にてアンバサダーをされている’’しげちゃん’’さんからお話を伺いました。

今回お話を伺った方

しげちゃん さん
世界中を旅して回ってきたアドレスホッパー。
現在は、東京日本橋・小伝馬町にあるゲストハウス「HOSTEL DEN」のアンバサダー。神田のイベントバー「エデン神田」でも1日店長を不定期に実施。

「誘いを断らない人」になることで、声がかかる人になる

ーしげちゃんさんは旅やイベントをお仕事にされていますが、いつからそういった活動をされているんですか?

大学1年生の頃から、短期・長期問わずよく旅をしていました。最初は全然仕事になっていたわけではなく、行く先々でバイトがあればやる、という感じで旅をしていました。

旅をしてきたことで、初めて仕事になったのは27歳の時で、「タダで住んでいいから、代わりに地域やゲストハウスを盛り上げてほしい!」と声がかかりました。その頃から、自分の旅の経験が仕事にもなっています。

今は東京日本橋・小伝馬町のゲストハウスHOSTEL DENで住み込みアンバサダーをしています。他にもエデン神田というイベントバーの1日店長など、自分がその場にいることで成立するような仕事が多いです。

しげちゃんさんがアンバサダーを務める都内のHOSTEL DENさんから
東北へツーリングに出かけた時のお写真だそうです

ー声がかかる人になるために、意識してきたことはありますか?

「どうしたら誘われる自分になるか?」を常に意識してきました。

僕は小学生のころからクラスの中心的存在でした。
自分が仕掛けた遊びや誘いには乗ってくれる人が大半だったので、自分が仕掛ければ上手くいく、という成功体験を積んできたんです。だから、誘ったら人が来てくれるのは当たり前だと思っていましたが、他の人と話すと「実はそうでもない」と気が付きました。断られたり、からかわれたりすると。

それなら、自分だけは、みんなにとって「誘いに乗ってくれる」という人になろうと思って、基本的には誘われたら乗ることにしました。常に誘いを断らないようにして、相手が僕のことを「誘いを断らない人」と認識するまで動くようにしています。

断らないだけでなく、連絡を即レスすることも意識していますね。当たり前だと思われるかもしれませんが…。
その当たり前のことをしない人がたくさんいるので、当たり前のことをやり続けるだけで、結構”すごい奴”になれると思ってます。

実際、『とにかく誘いに乗る人』として認識されるように行動したことで、どんどん色んな人に誘われて、友達の友達…と繋がりが広がり、すごく自分の可能性が広がりました。

僕と出会って人生が好転したと思ってもらえたら、それが「生きがい」

ー人との繋がりが広がっていく中で、面白いなと思うのはどんなことですか?

例えば、最近バイクで日本一周をした友達がいるんですけど、その人に「日本一周で印象に残ったことは何だった?」と聞いたら、「しげちゃんと共通の知り合いが圧倒的に多かったこと」って言うんですよ。福岡や熊本でもしげちゃんの知り合いに会ったよと言っていて…。生まれも育ちも神奈川の僕が、九州の誰かと知り合いなのって、僕が実際にそこに行ったことがあるからなんですよね。

自分が実際に訪れて誰かと知り合ったことで、違う誰かとの間にまた僕の話が生まれて、明るい気分になってくれる、みたいな…。

そして、「しげちゃんの知り合いに会ったよ!」という話が、僕のもとに還元される。共通の知り合いがいたからと言って、自分に必ず話してくれるわけでもないと思うので、それが自分に伝わり、還元されている…というのがすごく幸せだなと思いました。これって言ってしまえば、『僕の生きてきた証』じゃないですか。それだけで、僕は「生きていてよかったな」と思いました。確かにその人たちの間で、自分が印象に残っているというか。

僕が生きている限りは、これまで出会った人やこれから出会う人が、僕と出会ってちょっとでも人生が好転した、と思ってくれる人でありたいと思っています。それが僕にとっての生きがいです。

人に話しかけてみるだけで、その先の可能性が広がる

ーゲストハウスに滞在したり、イベントに顔を出しても、慣れていないと「知らない人にどうやって話しかけよう…」と尻込みしてしまう方も多い気がします。しげちゃんさんは、どんな風に動かれていますか?

ゲストハウスでの滞在やイベントって、もう二度と会わないだろう人も当然出会うので、雑に絡んでみるくらいの気持ちでいいと思います。人に対して丁寧に丁寧に…と思って身構えた結果、話しかけること自体が出来ないのはすごく勿体ないですよね。

例えば隣に話したことのない人がいたとします。自分から話しかけなければ、相手から話しかけられるか、結局何も話をしなかった、の二択しかないですけど、もし自分から話しかけにいくことが出来れば、それだけでその先の可能性が何通りにも広がりますよね。その人の繋がりからさらに新たな出会いが生まれるかもしれないし、その人と仲良くなって付き合うこともあるかもしれない。
どうなるか分からないですけど、話しかけなかったら何も起こらないので、ゼロもしくはマイナスだと思って行動したらいいんじゃないかなと。

『人と話してみる』ことから生まれる可能性を拾い得る自分になるためには、ある程度の雑さは絶対必要だと思います!(笑)

ーどうやってその雑さを、身につけていったらいいと思いますか?

人に話しかけるのが苦手な人こそ、ゲストハウスに泊まってみたらいいんじゃないでしょうか。会ったことのない誰かに雑に話しかけてみる練習になると思います。

もしHOSTEL DENに来てくれたら、僕がフォローしますよ。いきなり誰かに話しかけるのが怖かったら、僕を経由してもらえたら何でも話せるようにします!

実際、イベントを開くことも多いので、参加してくれた人のフォローはいつもしています。自分がホスト側だったら、話さない人がいないようにしたい、と思って動いてますね。自分が呼んでいるので挨拶をしたいのと、共通の知り合いが自分である可能性も高いので、この人とこの人が合うと思うから話してみたら、とかもしますね。

ゲストとしてイベントに参加する時は、広く色んな人と話すより3人くらいに絞って話すことが多いです。たくさんの人と話すこともできるのですが、少し深い話ができないと次に繋がりにくいので、しっかり話してまた会えるような関係になるといいな~と思っています。

たくさんの人に話しかけに行くのが苦手な人も、2-3人でしっかり話してみるという形であれば最初は動きやすいのでは、と思います。話してみて仲良くなることも、合わないこともありますけど、自分と合わなかっただけだと思って、次の人に話しかけに行けばいいと思います!

他人と打ち解けられるかどうかは自分次第

ーお話しを聴いていると、しげさんは誰とでも打ち解けられるんだな~と思います。人と打ち解けていくコツや、意識していることはありますか?

僕は相手がどんなタイプでも打ち解ける気でいます。あとは相手が打ち解けたいと思ってくれるか次第で、その確率を上げるためにおしゃべりがある。なので結局はすべて自分次第だと思ってます。

話すときに気を付けているのは、相手のしゃべりたい度合いを表情やしぐさから読み取ることですね。僕はしゃべるのも好きですけど、相手が話したそうだったら聴く側に回ります。

おしゃべりが好きな人だけが話すのが正解ではなく、それぞれに得意な話がありますよね。人によって政治やスポーツ、歴史など色々ありますが、「このターンはこの人の番だ」ってタイミングが絶対あります。そこを見逃さない嗅覚はすごく意識しています。

嗅覚を磨くには、9割は場数、1割は心理学の本などのインプットだと思います。場数が大事なのはもちろんですが、知識があると相手の反応や考えを頭の中で組み立てながら対応できますよね。例えば、口がムズムズしていたら話したがっているとか、右上を向くときは噓をついているとか…。知識を持っていて損はないので、積極的に取り入れながら人と喋っています。

ーイベントやゲストハウスで常に人と関わっていて、疲れることはないですか?

全然ないですね。人と接するのが好きな気質というのが大きいと思います。人が集まって関わってというのが楽しい。

あとは、他人の言動にイラっとすることがほとんどないんです。されて嫌なことも、自分がやってしまう可能性もゼロではないと思っているので、基本許します。非人道的なことでなければですが。

というのも、誰でも失敗すると思っているんですよね。
僕は野球が好きなんですけど、イチロー選手でも、最高打率ってシーズンの3割8分とかなんです。60%は失敗してるってことですよ。これを知った時、僕の中で目を見張るものがあったんです。たくさん失敗して、でもその中でヒットが称賛されるということを何か活かせないかな?と考えて、「イチローが60%やらかすなら、凡人の我々は9割5分やらかすよね」というのが僕の考え方の根底にあります!

ー色んなお話を、本当にありがとうございました!!!
最後に、今後のしげちゃんさんがやっていきたいことについても是非聞かせてください!

年齢を重ねて来て、最近は「子どもたちや孫たちに対して何を残せるか」を意識しています。若い世代に、「こんな大人になりたいな」と思ってもらえる自分でいたいと思っています。

ーしげちゃんさん、お話を聞かせていただきありがとうございました!

しげちゃんさん関連のSNS

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