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サードコミュニティを持つ生き方とは〜事業づくりから多様な価値観を探る〜イベントレポート

暮らしのサービスcircleでは、今月11月を「トークイベント月間」として、様々な方とトークイベントを開催しています!

第1弾として、11月9日(木)に同じくクラウドワークスが運営する「みんなのカレッジ」の事業代表・田中健士郎さんをゲストに迎え、”コミュニティや居場所”について語らうオンライントークセッションを実施しました。

20名ほどの方にご参加いただき、チャットにて沢山のコメントもいただきました!


オンライントークイベントの様子

登壇者の紹介

田中健士郎さん(通称:たなけん)

オンラインコミュニティ型の学びの場「みんなのカレッジ」事業代表。働き方エバンジェリストとして、Podcastの配信やユーザーさんとの交流など、社外でも活動を広げている。
田中健士郎@働き方ラジオ

紺谷弥生さん

クラウドワークスで新規事業としてコリビング・多拠点生活の暮らしのサービス「circle」を立ち上げる。最近、個人Xアカウントを開設!
紺谷弥生@circle代表/Yayoi Kontani

司会進行・小泉楓さん

クラウドワークスで広報・PRを担当。クラウドワークス公式noteを更新中!
クラウドワークス公式note

トークテーマに沿ってゆるりと対談

一人ひとりにとっての居場所、コミュニティってなんだろう

たなけんさん:僕はライターさんのオンラインコミュニティを作っているんですが、多様な価値観が増えてきたからこそ、自分がどうしたいのかを向き合える場所が必要なのかな、と思います。

会社や家庭だと、ネガティブな意味じゃなく、やるべきことややらなければいけないことがたくさんあって、いつの間にか自分がやりたいこととか自分の意志が抜けてしまうことがあるんじゃないかと思います。
サードコミュニティは自分がやりたいこと、いつか自分がやりたいと思っていたことを叶える場所、自分を表現できる場所だと思います。

今、参加者の方からコメントで「家族より(コミュニティが)濃いです!」というコメントがありましたが、そうですね!自分が表現できる、主人公になれるという意味では、家族より濃くなる場合もありますよね。

紺谷さん:明確な役割が与えられていなくても、居るだけで自分の存在が認められる、安心して居られる場所、それが豊かなコミュニティなのではないかなと思います。

circleは、いろんな地域に行っていろんな人と関わりながら滞在ができるサービスなんですが、ユーザーさんとお話ししていると「関わるコミュニティが仕事先と家庭しかない」という話をよく聞きますね。
意識しないと、自分の居場所があるように見えて実はいつの間にか孤独になってしまうんだな、と思います。そういう方たちに、安心していただけるようなコミュニティを作れたらなと思います。

たなけんさん:確かに、今ネットでいつでも人と繋がれるようになったけど、本当に繋がっているのか、実は孤独なんじゃないのかというのがあるんですかね。

紺谷さん:そう思いますね。直接話さなくてもSNS上でお互いの状況がある程度わかるようになったり、遠く離れた人の意見がすぐに届くようになった一方で、生きている血の通ったようなつながりが感じづらくなったのかもしれないですね。

小泉さん:なるほど。デジタル上の意見を受け取るのと、直接会って意見を受け取るのってどう違うんでしょうか。

たなけんさん:すごく面白い観点のお話ですよね。僕が運営しているライターゼミというコミュニティは、コロナ真っ只中の2020年に発足して、みんなお互いに一度も会っていないけどすごく濃い関係を築けたんですよね。SNSとの関係性とどう違うんだろう…というのは、考えるところがありますね。

紺谷さん:SNSとかだと別に必ずしも反応しなくてもいいので、わかったような気持ちになりがちだなと。リアルだと、その場で議論したり対話しないといけないから、反応しないで受け流すことはできないですよね。

たなけんさん:確かに、SNSで距離感が難しいと「いいね」だけになっちゃいますよね。お互いを知ろうとする気持ちが、つながりにおいて重要だと思っていて。

最初オンラインコミュニティを作った時、ちょっと失敗したんですよね(笑)
有名人がオンラインサロンを作り始めていた時期だったので、それをちょっと真似して、いろんな役に立つ情報を発信したりしたんですが、なんか空回りしてしまって。一度30人くらい集まった人が、10人くらいに減っちゃって、すごい凹んだんですよね。

その時に、「そういえば一人一人のことを全然知ろうとしていなかったな」と気づいたんですよね。一人一人のコミュニティ内の投稿をちゃんと読んで、コメントを返していたら「めちゃくちゃ面白い人たちだな」とわかって。
今の時代ってみんな発信するから、相手の投稿にいいねするだけでリプライってそんなにしないじゃないですか。だからこそ、どんどん一人一人に興味を持つことが大切ですよね。

コミュニティや居場所をコンセプトにした事業を立ち上げたきっかけ

紺谷さん:自分自身も、学生時代や以前の職場でそうだったんですが、自分が関わっているコミュニティが一つしかないと、その中でうまくやれている時はいいんですが、うまくやれていない時は苦しくなってしまうことがあります。
クラウドワークスでいろんなフリーランスの方の話を聞いていたら、それが自分だけじゃないんだ、と気づいて。1つの場所の人間関係や言葉が世界の全てじゃないんだということを知ってほしくて、いまcircleを作っていますね。

たなけんさん:僕は紺谷さんみたいに、圧倒的な課題意識からコミュニティを作ろうとした感じではないんですが、みんなのカレッジを作る前に、地方自治体さんと連携してワーカー育成事業を4年くらいやっていました。

地方でもクラウドワークスを使って働けるように、主婦の方やシニアの方を育成する事業をやっていたんですが、途中で挫折しちゃう人が多くて、どんどん受講生が減っていくんですよね。
どうやったらうまくいくのかな、と思って。僕らが1ヶ月に1回講座で熱弁してもダメで、僕らがいなくてもその地域でコミュニティができて、そこでお互いに励まして学び合っていくことが重要だったんです。

学習の質を高めるためにコミュニティがすごく重要だったから、そのコンセプトでサービスを作ったんですが、後からそもそも人生においてコミュニティの存在ってすごく重要だなと気づかされたんですよね。

サードコミュニティの見出し方・見つけ方

たなけんさん:コミュニティの一番の価値ってやはり自己表現だと思っていいるので、自分が興味があること、自分のワクワクすることをコンパスにしながら探すのがいいのかな。
旅行でも音楽でも、自分がワクワクするものを探しに行ったら、そこにコミュニティがある、というのが理想なのかなと。コミュニティを探そうと思って動くのではなく、行き着いたらコミュニティがあるのがいいのかな。

紺谷さん:私も自分がやりたいことを広げていきたい時に、どう動けばいいのかを模索してきたんですが…やはりコミュニティと言っても、一人対一人が起点となって始まるものなので、「この人のお話を聞いてみたい」と思うことがあれば、自分から連絡してみて、そこから広がっていったと思いますね。
その人のルーツや考え方を聞いて、どういう風に活動を広げてきたのかも聞くと、それが自分の人生の参考にもきっとなりますね。

人に興味を持って、「どういう形で今に至っているのか」を聞いてみると、意外と自分のコミュニティや活動範囲を広げることとつながっていくのではないかと思います。

たなけんさん:僕もセミナーとかで気になった人に声かけたら、やりとりするうちに仲良くなって、副業に繋がったりしたこともありますね。もしかしたら副業もコミュニティの一つなのかもしれないですね。

小泉さん:誰かと会って、仲良くなるのってどうしたらいいんですかね・・・いきなりそんな風に動くのはハードルが高い、という人も多そうですが。

たなけんさん:僕はPodcastを2~3年やっているんですが、自分の発信ツールだとはあまり思っていなくて。仲間集めの手段だと気づいたんですよね。

ゲストを呼んで、ただ一緒にしゃべりましょうというよりも、ゲストの方の過去の話とかを聞くんですよ。そうするとその人の価値観がわかるし、深いところで共鳴できます。

あとはライターさんであれば、「取材」することも一つの手段ですよね。興味がある人に連絡をとって、記事を書かせてくださいと言うと、関係が近づくきっかけになりますよね。

小泉さん:発信する”もの”がない人はどうすればいいでしょうか。

紺谷さん:今、参加者の方が「好きな人にファンレターを送るような感じ?」とコメントくださったんですが、確かにそうかもしれないです!
あとは、とりあえず興味あるイベントやセミナーに参加してみるのもありかなと。個別で動くのが苦手な方は、イベントみたいな形だったらまだ最初に入りやすいですよね。

自分でコミュニティを作るには。最初の"仲間づくり"

たなけんさん:何回も言うんですが、僕はライターゼミのコミュニティづくりで苦労しまして(笑)。クラウドワークスというブランドを使うことで多くの人が集まってくれたんですが、そこから苦労しました。
やっぱり本質的には一人一人と向き合って、思いに共感してもらう人をつくっていくイメージなんだと思っています。

オンラインサロンとしての運営で、そこで収益を得ようとするとまた違ってくるとは思うんですが、あえてお金の話をすると無料のコミュニティって良くも悪くも誰でも出入りできるので、熱量が上がりにくい部分があると思っています。思い切って有料制にするのも、熱量を上げるための手段としてはアリかなと思います。

みんな「そのコミュニティにいるのを続けるべきか、やめるべきか」を悩むことがあると思うんですが、なぜ自分がここに所属するのかを考え、向き合うことによって、それが集合体を強くすると思います。

紺谷さん:振り返ってみると、答えではなく問いを共有することでコミュニティが生まれてきたな、と個人的には感じています。

最初から「こういうことをしたい」というものが明確にあると、逆に関わるかどうかをすぐに判断できちゃう側面があると思うのですが、「こういう問いがある」と良質な問いをいろんな人に投げかけて巻き込んでいくと、興味を持った人が「実は私もそういうことを考えていた」とか「どういうことができるんだろうね」とか、一緒に考えてくれる人が現れる。

circleという事業の立ち上げも、私が最初から答えを持っていたわけじゃなくて、言葉にしづらいけど勇気を持って周りの人に自分の問いを話し始めたことが始まりだったなと。最初の仲間づくりでは、そういう”問いを投げかける”ことが重要なんじゃないのかな。たなけんさんともよく「問いを立てることが重要だよね」という話をしていますよね。

たなけんさん:本当にそうですよね。コミュニティづくりの大先輩の、議論メシ黒田さんも、コミュニティ自体が「問い」でつながると言っていますよね。

ライターゼミのコミュニティづくりも、最初はレベルの高いビジョンを掲げていたけど、途中からコミュニティづくり=街づくりに変えたんですよね。まだ答えのないものを、一緒に解像度を上げていくというか。

自分の中の問いは何だろうかと考えて、その問いを誰かと共有してみるのは、確かに仲間づくりの本質かもしれないですね。

小泉さん:参加者の方から「コミュニティをつくることが先か、仲間が集まってくることが先か」という質問が入っているんですけども、どっちが良い悪いじゃないかもしれないですが、こういう時はこっちが向いているとかってあるんですかね?

紺谷さん:めっちゃ難しい質問ですね(笑)そうですね、何を媒介するかによるかもしれないですね。
例えば趣味を他の人と楽しみたいとか、媒介するものが決まっているのであれば、最初からコミュニティを作ったら良いのかもしれないけど、自分が何をしたいのかまだわかっていなくて、問いベース、テーマベースで誰かと一緒に何かをやりたいなという場合は、一緒に考えてくれる人、整理してくれる人を見つけていくのがいいのかなと。

たなけんさん:コミュニティは目的というより手段だと思うので、「問い」の答えをみんなで探求していきたいという時に、コミュニティという手段がよい時もあるのかな。

あと、最近考えるのは、企業がコミュニティを作るべきかをよく考えています。企業に共感するような「ファンユーザー」みたいな存在は、企業にとって重要になってくると思うんですが、それをコミュニティとして束ねるのが良いのか、緩やかに集まっている状態を作るのが良いのか、という。これから先、企業がどうそこを捉えるのかは、すごく興味があります。

参加者の方からの質問トークコーナー

コミュニティ同士がつながっていく方法を模索していますが、どうしたら良いでしょうか。

たなけんさん:感覚的に、コミュニティ同士の価値観が近ければ、一緒にやりましょう的なことはあるかもしれないですね。
コミュニティ同士がつながるのは面白いと思いつつ、「コミュニティ自体の居心地がいいのに、わざわざ外とコラボする必要もないんじゃない?」という面もありそうなので、難しいですよね。

コミュニティ同士を繋げること自体は割とできるし、お互いにコミュニティに加わるユーザーが増えるかもなとは思うけど、コミュニティの熱量を上げることに繋がるのかは考えないといけないかなと。
コミュニティ同士を繋げることのストーリーを作って、ちゃんとコミュニティ内に説明できないといけないと思いますね。

熱量が高いコミュニティってどんなコミュニティだと思いますか?

たなけんさん:コミュニティの維持には温度が重要で、コミュニティ内で温度差があるのは良くないんですよね。数人だけすごく熱くても、その他が冷めているとまとまらないから、全体が40度くらい。

いい意味で分散していきながら、それぞれが自己表現し始めている状態というのが、熱量が高くなってきている状態だと感じますね。でも難しいのが、一度いい感じになったら放っておけばいいのかと言ったらそうじゃなくて、少しずつ冷めていったりするので、コミュニティリーダーとかがいい感じに温めないといけない。

イメージは掛け流しの温泉で、源泉からちょっと熱めのお湯を流していい感じに全体を温めて、温度を保ちつつお湯を回していくのがいいのかなと。

今、参加者の方から「みんながコミュニティに愛をもっていれば熱量が高い」というコメントがありましたが、確かに、愛はありますね。一緒に作ってきたものを守っていきたいというか、残していきたいという思いはありますね。


トークイベントにご参加いただいた皆さん、この記事を最後まで読んでいただいた読者の皆さん、いつもありがとうございます!
今後もcircleではトークイベントが続きますので、ぜひご参加ください。

第2弾!circle連載「私とコミュニティの話」対談イベント ー パラレルキャリアという生き方

開催日時:11月15日(水)18:00〜
▼お申し込みはこちらから

第3弾!circle連載「私とコミュニティの話」対談イベント ー 国際支援の道から地方移住、そして森林と人との関係へ。私のキャリアトランジション

開催日時:11月22日(水)18:00〜
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第4弾!circleおどりBar開店!~旅するキャリアアドバイザーyuukingさんを迎えてトークイベント~

開催日時:11月29日(水)18:00〜
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