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おりたらあかんの読書ログ

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年間100冊を15年間続けてきました。でも、本当に知らないことばかり!というかアウトプットがまだ少ないなあと感じています。過去に読んだ本は「読書ログ」としてまとめてきたので、それ…
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2022年10月の記事一覧

リチャード・ブロディ「MEME(ミーム)心を操るウイルス」講談社

リチャード・ブロディ「MEME(ミーム)心を操るウイルス」講談社

ミームとは「文化・社会を創り上げる基本要素であり、感染力をもつマインドウイルス」である。

この考え方の生みの親はオックスフォード大学生物学者のリチャード・ドーキンスで、「利己的な遺伝子(1976)」の中で紹介され、一時期ビジネス界でも一世を風靡したものだ。

私たちは知らぬ間に自分のミームに操られて行動している。私たちはまず、自分がどんなミームを持っていて、どのように変革すべきなのかを知らなけれ

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入江紗代「かんもくの声」学苑社

入江紗代「かんもくの声」学苑社

場面緘黙症

この症状の存在を知ったのは今の職場に来てから。実際にそういう症状をもつ人がいる。「ふつうに」話したいのに話せなくなる。「ふつう」のハードルが超えられず、どうあがいても誰にも理解されず、どうせなら死にたいと思う・・そんな苦しみを抱えて生きている人たちがいる。吃音とはまた違うレベルの苦痛がここにある。

著者本人は診断こそ受けなかったが、その傾向が強く、27歳まで社会において人間関係を築

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原研哉「低空飛行」岩波書店

原研哉「低空飛行」岩波書店

この「低空飛行」というのは「低空飛行 High Resolution Tour」という建築士のプロジェクトのことを指している。具体的には「日本の未来へ標準を合わせ、そこに現れてくる新しい産業の本質を丁寧につかみとろうという提案」をすることに目的があるそうだ。確かに飛行機に取った場合、低空飛行でしかわからないものがある。違う視点でみれば新しい視界が開ける・・。なかなか面白い視点だ。

序論で著者は「

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ヴァ―ツラフ・ハヴェル「力なき者たちの力」人文書院

ヴァ―ツラフ・ハヴェル「力なき者たちの力」人文書院

元チェコスロバキア大統領ヴァ―ツラフ・ハヴェルについてほとんど知るところがなかったのだが、NHKの「映像の世紀バタフライエフェクト」で彼と伝説のロッカー「ルー・リード」との関係を知って、引き寄せられるようにこの本に出会った(「100分で名著」でも2年前に扱われていたことを今になって知り、読んでみたが、ルー・リードとの関係にはまったく触れていなかった)。

「バタフライエフェクト」によるとハヴェルと

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