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80'sの詩

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80'sの詩をまとめてみました!!読んでいただけたら、嬉しいです☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ 宜しくお願い致しますm(_ _)m♡♡♡
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#時間

詩「風の便り」

詩「風の便り」

或る晴れた日の
南の方から吹く あたたかな風に乗って
誰かの心に届く様に…
(郵便ポストに届く手紙みたいに特定の人宛てではないのです。)

忙しい朝のちょっとした合間に
ゆとりができた午後の微睡に
落ち着いた夜の帷に
誰かの時間に言葉が降りて来て
人生の一部として溶けていってくれたら…
何物にも代え難い喜びが溢れて来て
胸がいっぱいになるのです

心の窓をそっと開けて
差し込む光と共に
風の便りが

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詩「蛍」

詩「蛍」

あれは
胃から酸がじわじわと滲み出した湿った夜
駅の近くの駐車場
ハンドルを握り 前方に目を遣ると
迷った星の様に蛍が飛んでいた
ここは綺麗な場所でもないのに

生命を燃やしながら暗闇で光る蛍
宙に飛んでいく黄緑色の瞬きを必死に目で追う
私には まだ時間が残されている
改善する時間も
修復する時間も
没頭する時間も
変わる時間も
躍進する時間も

薄汚れた場所で発光する蛍もいる
その事実が私の明日

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詩「僕は何度でも夢をみる」

詩「僕は何度でも夢をみる」

僕は覚めない夢の中で息をする
人が休息している時間ですら
夢の為の準備をする
僕は人に夢を与える

生きた世界を一瞬でも夢の世界にする為に
僕は時間を費やす
現実を味わう時間ですら
夢を追い求めている

夢の世界は人に優しい
争いや苦しみは存在しない
人が見たい夢をつくりだすのだから
当然の事なのかもしれない

僕は夢の為に生き 夢の中で滅する
その覚悟は出来ている
人は僕を幻だと思うかもしれない

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詩「過ぎて行く時間の中で」

詩「過ぎて行く時間の中で」

湖の底に眠っている魚の夢を見ました
泳ぎもせず
何もできず
泡も吐かず
まるで
時が止まっているかの様な…

上では
他の魚が
「遊ぼうよ」
って泳いでいるのに

水面は高くて
遠くて光っているのが
より怖くって…
端と端の長さも知らないのにね
そんな魚に同化していく自分を見ました

頭が壊れていないから分かるのです
背中をハリで刺される様な
あの痛さが
無理矢理 誰かに捕られる様な
あの怖さが

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詩「過ぎ去った夢時間」

詩「過ぎ去った夢時間」

氷の中に固めた冬の時間が
溢れる思い出と共に
今、私の胸の中で
溶けて流れ出す

″あの頃″は
ゆっくりと
でも、確かに
時は、進んで行きました
儚くも
美しく…
そこに差し込む光と影
大切な物とは何かを
私に密やかに教えてくれました

今という時は、私の胸の鼓動と共に
足早に過ぎ去って行く
でも
溶け出したあの頃の想いが
確実に今の私を突き動かす

動き始めたゼンマイ仕掛けの絡繰人形が
軽やかに

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